DataSetの構造:近傍界

近傍界結果が有効であるためには、すべての電界成分またはすべての磁界成分あるいはその両方が存在している必要があります。

座標系ごとに、それぞれ異なる一連の空間軸が必要です。近傍界に必要なプロパティについてはTable 1を参照してください。

Table 1. 近傍界に必要なプロパティ。
プロパティ名 プロパティタイプ 説明
Frequency Axes すべての近傍界に、有効な周波数軸が必要です(Hz)。
Axis 1...3 Axes すべての近傍界に3つの独立した空間軸が必要です。これらの軸は、座標系によって異なります。 Table 2 に、各座標系に必要な軸の構成を示します。
MediumNames Axes この値は、DataSetMetaDataセクションにあるMediumNamesテーブルへのインデックスです。
EFieldComp1~3 Quantities 電界に必要な一連の量。完全な電界の定義とするには、この3つの複素数値をすべて定義する必要があります( V m )。
HFieldComp1...3 Quantities 磁界に必要な一連の量。完全な磁界の定義とするには、この3つの複素数値をすべて定義する必要があります( A m )。
MediumIndex Quantities MetaDataリストのMediumNamesにある媒質名リストに関連付けられたスカラー量。
Conical MetaData 近傍界が円錐座標系で定義されているかどうかを示すブールフラグ。この値はtrueまたはfalseです。
MediumNames MetaData 計算した近傍界点が存在する媒質の名前のリスト。MediumIndex量に、このリストへのインデックスが点ごとに得られています。
Origin MetaData 近傍界を定義する中心となる、ワークプレーンのローカル原点。
UVector MetaData 原点を基準としてベクトル u の方向を示す点。
VVector MetaData 原点を基準としてベクトル v の方向を示す点。
RhoStepSize MetaData 円錐のρ軸での増分を示すスカラー値。このプロパティにより、実質的に円錐座標系の円錐の角度を制御します。
Note: Conicalがtrueの場合にのみ必要です。
Note: 円錐座標系は例外的な座標系です。技術的には完全な座標系ではないので、追加情報が必要です。
円錐座標系で定義した近傍界の場合は、MetaDataの各欄で以下の値も指定する必要があります。
Conical = true
このフラグは、他の座標系の場合とは異なる解釈をDataSetの各欄に適用する必要があることをPOSTFEKOに指示します。
RhoStepSize
このステップサイズは、ρ軸での増加間隔を指定します。
Note: ρ軸には、円錐の始点に相当する単一の値のみが存在します。
Table 2. 座標系の各軸。
座標系 Axis 1 Axis 2 Axis 3
直交座標 X Y Z
R Theta Phi
円筒(X 軸 ρ φ X
円筒(Y 軸 ρ φ Y
円筒 ρ φ Z
円錐 ρ φ Z