有限要素法(FEM)
有限要素法(FEM)は、四面体を使用して任意の形状を持つボリュームを正確にメッシュ化する解析方法です。隣接する四面体どうしで誘電特性が異なる状況にも対応できます。
FEMは、不均質な誘電体のモデリングに適用できます。また、シールドフィルタなどの非放射マイクロ波部品にも適しています。

Figure 1. MoMとFEMの複合法による例。
放射表面とワイヤの場合は、FEMとMoMの複合またはFEMとMLFMMの複合を使用するので、純粋なFEM解析にはなりません。FEMとMoMの複合法の特徴は、MoM領域で金属ワイヤと金属表面との完全結合を扱うこと、およびFEM領域で異種誘電体を扱うことにあります。解析のうち、MoMで扱う部分が最初に計算されるので、FEM領域の放射境界を形成する等価な磁流と電流が得られます。この複合法には、MoMとFEMの両方の長所があります。
PECサーフェスとFEMモーダルポートのみによる境界を持つ構造では、問題がFEM(完全疎行列解析)のみで解析可能であることをFekoで認識できるので、メモリ使用量の削減と実行時間の短縮が望めます。電気的なサイズが大きい問題では、FEMとMLFMMの複合法を使用でき、FEMとMoMのうち、MoMで扱う部分がMLFMMによって効率的に解析されます。