積層媒質の平面グリーン関数

グリーン関数を使用して積層誘電体媒質をモデリングできます。平面積層基板による方法で効率的にモデリングできる構造として、プリント回路基板(マイクロストリップとストリップラインによる構造を使用した用途)があります。

この特殊なグリーン関数定式化では、有限な厚みを持つ2D無限平面を実装して、各誘電体層をモデリングするほか、必要に応じて導電層もモデリングします。誘電体層内部の導電面とワイヤは離散化する必要がありますが、誘電体層そのものの離散化は不要です。各層の広がりは無限ですが、多くの場合は、実際のアンテナを平面構造とすると良好な近似となります。

金属面と金属ワイヤは、層境界で離散化しておけば、媒質内部で任意の向きの配置や、複数の層を横断する配置にできます(その頂点が層境界上にあることが必要です)。

境界がある領域内部に平面積層媒質を定義できるので、モデル全体を通じて同一の層を必要とすることなく、多数の微細な層で構成するモデルを効率的にモデリングできます。特定の誘電体領域でのみグリーン関数を使用するには、積層媒質をカプセル化する領域を定義する必要があるので、未知数が多くなります。それでも、各層を個別にモデリングする方法と比較すると、効率の大幅な向上を見込むことができます。

グリーン関数を使用した計算では、補間テーブルによる高速化を利用できるので性能の向上を図ることができます。