数値グリーン関数

数値グリーン関数は、静的部分と動的部分を扱う問題で使用できます。静的部分を以降のシミュレーションで再利用できるので、総合的な性能が向上します。

マクロ基底関数とも呼ばれる数値グリーン関数では、モデルの各部のうち、“静的”部分をグループ化すると、残りの各部が“動的”部分と見なされます。解析段階では、行列に値を入力する段階で静的部分がグループ化され、行列要素がファイルに保存されます。以降のすべてのシミュレーションでは、静的部分を再計算せずに、このグループ化した静的部分を使用するので、シミュレーションに要する時間を短縮できます。この機能が効果的な例として、大規模なプラットフォーム上で給電源を複数の位置やさまざまな位置に配置して、ローターブレードをシミュレーションする処理が考えられます。ローターブレードを支える構造(ヘリコプター、飛行機、風力タービンのタワーなど)は、ローターブレードそのものよりもはるかに大きいので、静的部分の計算を再利用することで多大な節減が期待できます。

すべてのセグメント化ルールは引き続き適用され、静的部分と動的部分が接触する場所に合わせてメッシュ要素と頂点を配置する必要があります。すべての変更が確実に動的部分の内部で実行されるようなメッシングにする必要があります。



Figure 1. 検討の対象とする給電源(動的部分)の位置を示した大規模なプラットフォーム(静的部分)の例。