境界条件の適用

境界条件とは、取り扱う問題で既知となっている物理学的特性のことです。解析可能な積分方程式を導くうえで境界条件が効果的です。

解析対象の問題に応じて境界条件は異なります。PECボディと比較すると、誘電体にはさまざまな境界条件があります。Figure 1のような任意形状のPECボディの場合、サーフェスの接線方向の電界がサーフェス全体にわたってゼロであることが境界条件によって規定されます。入射電界と散乱電界(Equation 1)について次のように記述できます。

(1) E scat,tan = E inc,tan

この方程式は、電界の積分方程式(EFIE)でも示されています。

表面電流に適用した積分演算によって散乱電界が得られることはすでにわかっています。したがって、次のような簡潔な表記が可能です。

(2) { J scat } tan = E inc,tan
ここで、 は積分作用素、 { J scat } はこの式で求める未知の電流です。