用語集
- 用語
- 定義
- 共役勾配法
- 線形方程式の対称システムと正定値システムの数値解を得るための反復アルゴリズムです。このアルゴリズムの主な特徴は、ステップKにおける方向は、それ以前のすべてのステップにおける方向に対して共役(A直交)であることです。
- 制約のある最適化
- 制約のある最適化とは、制約条件が存在するいくつかの設計変数に関して目的関数を最適化(通常は最小化)するプロセスのことです。これらの制約条件となり得るのは、設計空間の境界、等式の制約条件、および不等式の制約条件です。必要とする解は、すべての制約条件を満たす必要があります。
- 制約条件
- 制約条件とは、最適化の解が満たす必要のある設計変数間の代数的な関係のことです。この代数的な関係には次の3種類があります:
- 簡潔な範囲制約条件
- 等式の制約条件または両側の制約条件
- 不等式の制約条件または片側の制約条件
- コスト関数
- 最適化プロセスで最小化する数量を指し、多くの場合は目的関数と呼ばれます。
- 設計範囲制約条件
- これらは、解が満たす必要のある設計パラメータの下限値(bL)と上限値(bU)を指定します。したがって、どの実現可能な設計ポイントb*でも、bL≤ b* ≤ bUが成立します。
- 設計変数
- これらは、最適化問題で判断する数量です。CAEのコンテキストでは、設計変数を使用してパラメトリックモデルを定義します。モデルの設計変数の値を変更することで、そのモデルを変更できます。最適化エンジンでは、モデルの設計変数の値を変更することで最適解を見つけようとします。
- 等式の制約条件
- 解が満たす必要のある一連の非線形または線形の代数方程式です。等式による関係は通常は次の形式で表現します。
- 大域的最適化
- 関数の大域的最小値を求める最適化プロセスです。最小化する関数をf()、設計変数をbとします。解b*が大域的最小値であると見なされるのは、b*以外のすべてのbについてf (b*) ≤ f (b)が成立する場合です。
- 勾配
- f(x1, ..., xn)が、微分可能な実数値の多変数関数である場合、この関数の勾配は、関数fのn個の偏導関数を成分とするベクトルです。
- ヘッセマトリックス
- ヘッセマトリックス(またはヘッセン)は、スカラー値関数の2階偏導関数の正方マトリックスであるか、スカラー場です。これは、多変数関数の局所曲率を記述します。ヘッセマトリックスは、ドイツの数学者ルートヴィヒ・オットー・ヘッセが19世紀に考案したマトリックスであり、後年に同氏にちなんで命名されました。
- ヤコビアンマトリックス
- ヤコビアンマトリックスは、関数fのすべての1階偏導関数で構成するマトリックスです。このマトリックスは、数学者のカール・グスタフ・ヤコプ・ヤコビ(1804~1851年)にちなんで命名されました。
- ラインサーチ
- 最適化では、目的関数fの局所最小値x*を見つけるための2つの基本的な反復手法の1つとしてラインサーチ手法があります。
- 局所的最適化
- 関数の局所的な最小値を求める最適化プロセスです。最小化する関数をf()、設計変数をbとします。b0をbの初期推測値とします。解b*が局所最小値と見なされるのは、f’(b*) = 0とf’’(b*) < 0が成立する場合です。
- 多目的最適化
- 目的が単一のスカラー関数fではなく、最適化対象となる複数のスカラー関数[f1, f2, …fN]である最適化問題です。多くの場合、これらの目的は競合しています。
- 目的関数
- これは、多くの場合はコスト関数と呼ばれ、最適化プロセスで最小化の対象となる数量です。
- 設計最適化
- 設計空間、コスト関数、および必要に応じて設計変数に関するいくつかの制約条件を指定して、最適な設計変数の値を選択する処理です。
- パレート最適解
- 多目的最適化では、多くの場合、コストと性能などの競合する目的が存在します。多目的問題の解は、通常は単一のポイントになりません。このような問題の解は、パレートフロントと呼ばれるポイント群です。
パレートフロント上の各ポイントは、パレート最適基準を満たします。この基準とは、実現可能なベクトルX*がパレート最適であるための条件は、どの目的も同時に悪化することなく、何らかの目的を改善する他の実現可能な解Xが存在しないということです。
どの目的にも悪化が発生することなく、1つまたは複数の目的に対して同時に改善できる実現可能なポイントXは、パレート最適ではありません。
- 応答変数
- モデルの挙動に関するメトリックは、応答変数として捕捉されます。MotionSolveの最適化エンジンは応答変数を扱います。
- 検索方法
- 検索方法は、コスト関数の値が減少するようにMotionSolveの最適化エンジンによって使用される数学アルゴリズムです。MotionSolveの最適化エンジンはさまざまな検索方法をサポートしています。これらは次のとおりです:L-BFGS-B、TNC、COBYLA、SLSQP、dogleg、trust-ncg、Nelder-Mead、Powell、CG、BFGS、ニュートン-CG。
- 状態変数
- 状態変数は、動的システムの数学的“状態”を表現するために使用する変数の1つです。
- 最急降下
- 最急降下は、1次反復最適化アルゴリズムです。最急降下を使用して関数の局所最小値を求めるには、現在のポイントにおける関数の勾配を符号反転した値に比例する値をステップサイズとして使用します。
- 制約のない最適化
- 制約のない問題には制約条件がありません。したがって、解bが満たす必要のある等式の制約条件も不等式の制約条件もありません。さらに、設計の制限値もありません。