ポスト処理: NLFEコンポーネントの結果の生成
CMS弾性体と同じ方法で、モデル内のNLFEコンポーネントをポスト処理できます。
NLFEコンポーネントでは、次の3つのタイプの結果が得られます。
MRF/ABF出力ファイル内の結果
MRF/ABF出力ファイルには、モデル内の各NLFEコンポーネントの各節点について、以下の信号が含まれています。
Y Component | 説明 |
---|---|
DX、DY、DZ | 節点のX、Y、Zの位置 |
UVX(1)、UVX(2)、UVX(3) UVY(1)、UVY(2)、UVY(3) UVZ(1)、UVZ(2)、UVZ(3) |
X、Y、Z方向の勾配ベクトルのX、Y、Z成分 |
VX、VY、VZ | X、Y、Z方向の節点速度 |
WX、WY、WZ | X、Y、Z軸を中心とした節点の回転速度 |
註: ANCFの定式化に起因して、これらはすべて全体フレームまたはグラウンドフレームを基準にしています。
MRF/ABF/PLT内のマーカーベースの結果
上記の結果に加えて、NLFEコンポーネント上の節点にマーカーを結合することで、NLFEコンポーネント上の任意のマーカーベースのリクエストを使用することもできます。例えば、DM()やVM()のような式や、他の任意のマーカーベースの式リクエストを使用できます。これらのリクエストはすべての出力ファイル(MRF、ABF、PLTを含む)に書き出されます。
応力、ひずみ、および変位の可視化
モデル内の各NLFEコンポーネント(BEAM要素やCABLE要素で構成されているもの)について、MotionSolveは3D表現をH3Dファイル内に書き出します。このH3DファイルをHyperViewで使用すると、シミュレーションのアニメーション表示に加えて、コンポーネントの応力、ひずみ、および変位を可視化できます。 図 1 はこの処理を示しています。

図 1. 変位、ひずみ、および応力のコンター
BEAM要素とCABLE要素のどちらも、応力 / ひずみは各要素セグメントの重心において計算されます。ただし、変位は、BEAM/CABLEの3次元表現を構築するために使用されるすべての節点で計算されます。この違いが原因で、NLFEコンポーネント内の要素とセグメントの数によっては、HyperViewでプロットされたときに、変位のコンターは連続的に表示されますが、応力 / ひずみのコンターは不連続的に表示されることがあります。
- コンポーネント内のNLFEサブセグメントの数を増やします。この結果として、要素形状がより細かく離散化されるため、応力の精度が向上します。NLFEコンポーネントのセグメントの数を増やすと、結果のポスト処理時間が長くなります。しかし解析時間は変化しません。
- HyperViewで応力平均化ツールを使用します。これらのツールには、HyperViewのContourパネルからアクセスします。この方法を使用した場合、平均化は、アニメーションH3D内で得られる結果を使用してHyperView内で実行されるため、MotionSolveでのポスト処理時間や解析時間は長くなりません。

図 2. HyperViewのContourパネルにおけるAveraging methodのオプション
次の図では、応力平均化の適用時と非適用時の応力コンターのプロット例を示しています。

図 3. 応力平均化がオフ(左)およびオン(右)の場合の同じNLFEコンポーネントの応力コンター
- さらに多くの節点を定義することで、NLFEコンポーネント内の要素の数を増やします。これは応力 / ひずみの精度を高めるための最も効果的な方法ですが、この方法では、MotionSolveでの解析時間とポスト処理時間の両方に与える影響が最も大きくなります。この方法は、上記の2つの方法で満足できる結果が得られない場合のみに使用してください。応力の精度を高めるためにコンポーネント内の要素の数を増やす場合は、コンポーネント内の湾曲セクションや、応力集中が発生する可能性が高い領域など、関心の高い領域のみで要素数を増やすことを検討してください。