過渡応答解析

過渡解析でもCABLEとBEAMの両方のNLFEコンポーネントがサポートされます。現時点では、DAE積分器DSTIFFのみが過渡解析でサポートされています。静解析の場合と同様に、これらの解析でBEAMまたはCABLEコンポーネントを定義する際は、任意の使用可能な材料モデルを選択できます。

静解析の場合と同様に、NLFEコンポーネントを使用してシミュレーションを実行する際に、シミュレーションを成功させるためのいくつかの推奨事項があります。

減衰の指定

現時点では、NLFEコンポーネントは構造の物理的減衰をサポートしていません。ただし、MotionSolveで用意されている数値減衰パラメータを使用して、一部のケースで物理的減衰を疑似的に生じさせることができます。この減衰を指定するには、減衰率(ユーザーが指定)を剛性マトリックスに乗算します。一般の減衰率と同様に、最初は0という値を使用し、希望の挙動が得られるまで値を徐々に大きくしていくという方法が推奨されます。

将来のリリースでは、NLFE構造コンポーネントについて真の物理的減衰が実装される予定です。

次の図 1は、異なる減衰率値による、終端に荷重がかけられた片持ち梁の終端のたわみの比較を示しています。



図 1. さまざまな減衰率での変位

シミュレーションに使用される最大次数

NLFEコンポーネントが含まれるモデルは一般に、非常に数値的に硬いです。このことが原因で、例えば5のような大きな積分次数を使用してモデルを解析しようとすると、数値収束の問題が発生することがあります。したがって、NLFEコンポーネントが含まれるモデルを解析する際は、最大次数として1または2を使用することをお勧めします。最大次数は、<Param_Transient>というモデル / コマンドステートメントでmax_order属性によって指定します