Force: Bushing
Model ElementForce_Bushingは、2つのReference_Marker、IとJの間で作用する線形の力とトルクを定義します。
フォーマット
<Force_Bushing
id = "integer"
[label = "string"]
i_marker_id = "integer"
j_marker_id = "integer"
kx = "real" ky = "real" kz = "real"
ktx = "real" kty = "real" ktz = "real"
cx = "real" cy = "real" cz = "real"
ctx = "real" cty = "real" ctz = "real"
preload_x = "real" preload_y = "real" preload_z = "real"
preload_tx = "real" preload_ty = "real" preload_tz = "real"
/>
属性
- id
- 要素識別番号(整数 > 0)。この番号は、すべてのForce_Bushing要素の中で一意であり、要素を一意に特定します。
- label
- Force_Bushing要素の名前。
- i_marker_id
- 力が適用されるReference_Markerを指定します。これは力の作用点として指定されます。
- j_marker_id
- 反力および反モーメントが適用されるReference_Markerを指定します。これは力の反作用点として指定されます。
- kxkykz
- ktxktyktz
- これらは、Field_Bushingのスプリング力の計算に使用する6x6剛性マトリクスの対角エントリを定義します。すべての剛性値は、負ではない必要があります。
- cxcycz
- ctxctyctz
- これらは、Field_Bushingの減衰力の計算に使用する6x6減衰マトリクスの対角エントリを定義します。すべての減衰値は、負ではない必要があります。
- preload_xpreload_ypreload_z
- preload_txpreload_typreload_tz
- これらは、Force_Bushing要素内のプリロードを定義します。言い換えると、変形が存在する場合のIでの力です。力およびトルク成分はJ座標系で測定されます。このデータは省略可能です。デフォルト値は0です。
例
この例では、自動車のサスペンション(ショック用のバンプストップやストラットなど)で一般に使用されるブッシュ要素の定義を示します。次の図は、このようなブッシュを示しています。

図 1. 自動車サスペンション内のバンプストップのブッシュ
このようなブッシュのForce_Bushingの定義は以下のようになります:
<Force_Bushing
id = "26"
i_marker_id = "61"
j_marker_id = "71"
kx = "6000." ky = "6000." kz = "10000."
ktx = "1.0E5" kty = "1.0E5" ktz = "1.0 E5"
cx = "60." cy = "60." cz = "60."
ctx = "100" cty = "100" ctz = "100"
preload_x = "33" preload_y = "44" preload_z = "55"
preload_tx = "0." preload_ty = "0." preload_tz = "0."
/>
コメント
- 力とトルクは、スプリング力、減衰力、およびプリロードベクトルという主要な3つの効果から成ります。
- スプリング力は、剛性マトリクスとIとJのReference_Marker間の相対変位の積によって定義されます。
- 減衰力は、減衰マトリクスとIとJのReference_Marker間の相対速度の積によって定義されます。
- プリロードベクトルをスプリング力と減衰力に追加することもできます。6つの成分(3つの力と3つのモーメント)は、J Reference_Markerの座標系で定義されます。
- Force_Bushing要素は、機構システム内のコンプライアントコネクターとして使用されます。これらは一般に、振動や騒音の軽減、ショックの吸収、不整列の調整に使用されます。
- kx、ky、およびkzでは、単位長さあたりの力という単位が使用されます。cx、cy、およびczでは、単位時間あたりの単位長さあたりの力という単位が使用されます。ktx、kty、ktzでは、ラジアンあたりのトルク単位という単位が使用されます。ctx、cty、ctzでは、単位時間あたりのラジアンあたりのトルク単位という単位が使用されます。実際の単位は、モデル全体に対して定義されているものによって決まります。
- 3つのたわみ角(X軸周りの回転、Y軸周りの回転、Z軸周りの回転)のうち2つは、常に小さいままである必要があります。そうでない場合、これらの回転角度は物理的意味を失います。小さいとは10度未満を意味します。
- i_marker_idは、Force_Fieldの作用点として指定されます。j_marker_idは反作用点です。
- IマーカーとJマーカーには、大きさが同じで向きが逆の力が作用しています。JとIの間は通常分離されており、力は分離ベクトルに沿って作用しないため、Iマーカーに作用するトルクは、Jマーカーに作用するトルクと同じではありません。これを次の図2に示します。
図 2.
- 力とトルクの符合規則は次のとおりです:
- 正の力は、IとJのReference_Markerを遠ざけます。負の力は、IとJのReference_Markerを引き寄せます。
- 正のトルクは、J Reference_Markerを基準にしてI Reference_Markerを反時計回りに回転させます。したがって、TXの正の値は、マーカーIとJのx軸間の夾角の値を増大させます。
- Force_Bushingは線形要素です。非線形の力の要素を定義する場合は、Force_FieldまたはForce_Vector_TwoBodyモデリング要素を使用してください。
- Force_Bushingでは、クロスカップリング効果はモデル化されません。この剛性マトリクスと減衰マトリクスは対角マトリクスです。クロスカップリング効果が重要な場合は、Force_FieldまたはForce_Vector_TwoBodyを使用してください。
- Force_Bushingは、すべてのボディ(Body_Rigid、Body_Flexible、Body_Point)に作用できます。
- MotionSolveのブッシュ実装は、Adamsのブッシュ実装とはやや異なります。ほとんどの場合、これらによって得られる結果は同じですが、ブッシュで3D変形が生じた場合は、結果が多少異なる可能性があります。どちらの製品でも大きい角度が近似されますが、その方法は若干異なります。したがって、異なる結果が得られます。