OS-T:1030 3D慣性リリーフ解析

本チュートリアルでは、既存の有限要素モデルを用い、慣性リリーフ解析のセットアップにHyperMeshがどのように使用されるかを示します。解析の実行にはOptiStructが、ポスト処理にはHyperViewが用いられます。

Figure 1は、本チュートリアルに用いられる構造モデルを示しています。


3d-inertia-1
図 1. 静荷重と拘束条件が作用した構造モデル

HyperMeshの起動とOptiStructユーザープロファイルの設定

  1. HyperMeshを起動します。
    User Profilesダイアログが現れます。
  2. OptiStructを選択し、OKをクリックします。
    これで、ユーザープロファイルが読み込まれます。ユーザープロファイルには、適切なテンプレート、マクロメニュー、インポートリーダーが含まれており、OptiStructモデルの生成に関連したもののみにHyperMeshの機能を絞っています。

モデルのオープン

  1. File > Open > Modelをクリックします。
  2. optistruct.zipファイルから自身の作業ディレクトリに保存したie_carm.hmファイルを開きます。モデルファイルへのアクセスをご参照ください。
  3. Openをクリックします。
    ie_carm.hmデータベースが現在のHyperMeshセッションに読み込まれます。

荷重と境界条件の適用

荷重コレクターの作成

  1. Modelブラウザで右クリックしコンテキストメニューからCreate > Load Collectorを選択します。
    デフォルトの荷重コレクターがエンティティエディターに表示されます。
  2. Nameにstatic_loadsと入力します。
  3. Colorをクリックし、カラーパレットから色を選択します。
  4. Card ImageをNoneに設定します。
    新しい荷重コレクターstatic_loadsが生成されます。


    図 2. static_loads荷重コレクターの作成
  5. もう1つの荷重コレクターを作成します。
    1. NameにSPCsと入力します。
    2. Card Imageに、Noneを選択します。

SUPORT1拘束条件の作成

  1. メニューバーからBCs > Create > Constraintsをクリックし、Constraintsパネルを開きます。
  2. constraint 1を作成します。
    1. エンティティセレクターをnodesにセットし、シャーシのコントロールアームの前方の接続点にある多点剛体の中央の節点を選択します。
      これは図 3で1st constraintとして確認できます。

      rd1030_constraint_bc
      図 3. 拘束条件に選択された節点
    2. 自由度dof4からdof6までは、各ボックスのチェックをそれぞれ外して選択解除します。
    3. load types =をSUPORT1に設定します。
      荷重タイプが慣性リリーフ解析の実行に変更されます。
    4. createをクリックします。
  3. constraint 2を作成します。
    1. エンティティセレクターを使って、シャーシのコントロールアームの後方の接続点にある節点を選択します。
      これは図 3で2nd constraintとして確認できます。
    2. dof1の選択を解除します。
    3. createをクリックします。
  4. constraint 3を作成します。
    1. エンティティセレクターを使って、ショックアセンブリの底をコントロールアームにしっかり留める剛体内の一番上の節点を選択します。
      ヒント: visualizationElementsWireframeSkinOnly-24アイコンをクリックして、Wireframe Elements Skin Onlyモードに切り替え、剛体を確認します。
    2. dof2の選択を解除します。
    3. createをクリックします。

    rd1030_constraint_control_arm
    図 4. コントロールアームモデルに適用される最後の拘束
  5. return をクリックしてパネルを終了します。

静荷重の作成

  1. ModelブラウザでLoad Collectorフォルダーのstatic_loadsを右クリックしてMake Currentを選択し、これを現在の荷重コレクターにセットします。
  2. メニューバーからBCs > Create > Forcesをクリックし、Forcesパネルを開きます。
  3. force 1を作成します。
    1. エンティティセレクターをnodesにセットし、コントロールアーム端部の剛体の頂点の節点を選択します。
      これは図 5に示されます。
    2. magnitude=欄に-1e+05と入力します。
    3. 方向セレクターをx-axisにセットします。
    4. createをクリックします。
  4. force 2を作成します。
    1. エンティティセレクターをnodesにセットし、コントロールアーム端部の剛体の頂点の節点を選択します。
      これは図 5に示されます。
    2. magnitude=欄に3e+05と入力します。
    3. 方向セレクターをz-axisにセットします。
    4. createをクリックします。
  5. returnをクリックし、パネルを終了します。

3d-inertia-3
図 5. 正荷重の適用

荷重ステップの作成

  1. Modelブラウザで右クリックしコンテキストメニューからCreate > Load Stepを選択します。
    デフォルトの荷重ステップがエンティティエディターに表示されます。
  2. Nameにlinearと入力します。
  3. 解析のタイプをLinear Staticに設定します。
  4. LOADを定義します。
    1. LOADに、Unspecified > Loadcolをクリックします。
    2. Select Loadcolダイアログでstatic_loadsを選択し、OKをクリックします。
  5. SUPORT1を定義します。
    1. SUPORT1に、Unspecified > Loadcolをクリックします。
    2. Select LoadcolダイアログでSPCsを選択し、OKをクリックします。

これで、荷重コレクターstatic_loads内のforcesと荷重コレクターSPCs内のinertia relief support pointsを参照するOptiStruct荷重ステップが作成されました。



図 6. linear荷重ステップの作成

慣性リリーフ解析用のコントロールカードの生成

  1. メニューバーからSetup > Create > Control Cardsをクリックし、Control Cardsパネルを開きます。
  2. TITLEをクリックし、この慣性リリーフ解析のタイトルを入力してreturnをクリックします。
    ヒント: 別のコントロールカードページに進むには、NextまたはPrevを使用します。
  3. PARAMをクリックしINRELを有効にします。
  4. NREL_V1の下で選択を-1に切り替えます。
    これは慣性リリーフ解析の実行要求です。
  5. returnを2回クリックし、メインメニューに進みます。

ジョブのサブミット

  1. AnalysisページからOptiStructパネルをクリックします。

    OS_1000_13_17
    図 7. OptiStructパネルへのアクセス
  2. save asをクリックします。
  3. Save Asダイアログで、OptiStructモデルファイルを書き出す場所を指定し、ファイル名としてie_carmと入力します。
    OptiStruct入力ファイルには、拡張子 .femが推奨されます。
  4. Saveをクリックします。
    入力ファイル欄には、Save Asダイアログで指定されたファイル名と場所が表示されます。
  5. export optionsのトグルをallにセットします。
  6. run optionsのトグルをanalysisにセットします。
  7. memory optionsのトグルはmemory defaultにセットします。
  8. OptiStructをクリックし、OptiStructジョブを開始します。
ジョブが成功した場合、ie_carm.femが書き出されたディレクトリに新しい結果ファイルがあるはずです。何らかのエラーがある場合、ie_carm.outファイルはデバッグを手助けするエラーメッセージを探すのに良い場所です。
そのディレクトリに書かれるデフォルトのファイルは:
ie_carm.html
問題の定式と解析結果のサマリーに関する解析のHTMLレポート。
ie_carm.out
ファイルの設定、最適化問題の設定、実行に必要なRAMおよびディスクスペースの推定量、各最適化反復計算の情報、解析時間等、特定の情報を含むOptiStructの出力ファイル。ワーニングおよびエラーに関しては、このファイルを確認すること。
ie_carm.h3d
HyperViewバイナリ結果ファイル。
ie_carm.res
HyperMeshバイナリ結果ファイル。
ie_carm.stat
解析のプロセスの間のそれぞれのステップでのCPU情報を提供する、解析のプロセスの要約。

結果の表示

OptiStructは実行された全ての荷重ステップにおける コンター情報を出力します。続くステップでは、HyperViewでの結果の表示プロセスについて記します。

変形形状の表示

  1. メッセージANALYSIS COMPLETEDが Solver Viewウィンドウに表示されたら、Resultsをクリックします。
    HyperViewが起動され、結果が読み込まれます。
  2. Animate ModeがLinear Animation ModeanimationLinear-24にセットされていることを確認します。
  3. Deformed panelツールバーアイコンresultsDeformed-24をクリックします。
  4. Result TypeをDisplacement(v)に設定します。
  5. ScaleをModel unitsにセットし、値10を入力します。
    これは最大変位がモデルの10単位となることを意味し、他の変位はそれに比例します。
  6. Applyをクリックします。
  7. Undeformed Shapeの下のトグルをWireframeにセットし、ComponentとしてColorを選択します。
    変形後のモデルが変形前の元のメッシュに重ねて表示されるはずです。

変位を取り込んだ変形のアニメーションの表示

  1. Animate ModeがLinear Animation ModeanimationLinear-24にセットされていることを確認します。
  2. Start/Pause AnimationアイコンanimationStart-24をクリックし、アニメーションを開始します。
    注: アニメーションのスピードと開始点はAnimation Controlsを用いコントロールできます。
  3. アニメーションが実行されている間、Animation Controlsパネルの下側のスライダーでアニメーションの速度を調整します。

    animation_toolbar
    図 8.
  4. Start/Pause Animationアイコンを再度クリックし、アニメーションを停止します。

von Mises応力コンターの表示

  1. ResultsツールバーでresultsContour-16をクリックし、Contour panelを開きます。
  2. Result typeにElement Stresses (2D & 3D)を選択します。
  3. Stress typeがvonMisesに設定されていることを確認します。
  4. Applyをクリックします。
    応力のグラフィック表示を確認します。
  5. 確認を終えたらFile > Exitを選択し、HyperViewを終了します。
    注: SUPORT/SUPORT1入力なしで慣性リリーフ解析をアクティブにするパラメータPARAM, INREL, -2があります。Control CardsパネルでPARAM欄をクリックして、このパラメータを設定することができます。本チュートリアルでは、SUPORT1カードを生成するステップを示すことを意図しています。 それ故、このパラメータは使われていません。

    追加の演習として、このチュートリアルを上記のパラメータで実行することもできます。その場合、SUPORT1カードを生成しないか、もしくは、サブケースの荷重コレクターで選択しないことになります。