OS-T:1330 1/2車室モデルの音場解析

本チュートリアルの目的は、流体-構造連成を受ける1/2車室モデルの振動特性を評価することにあります。参照される流体は、airです。特に、車室内での流体内の主な応答の場所である、ドライバーの耳位置近くでの騒音または音響レベルが評価されます。


rd2060_half_car_model
図 1. 1/2車室モデル

1/2車室モデルが、Figure 1の赤い拘束記号(三角形)で示したように底部で加振されます。加振は、車室の高さ方向(Z-軸)に沿った単位荷重で与えられます。

HyperMeshの起動とOptiStructユーザープロファイルの設定

  1. HyperMeshを起動します。
    User Profilesダイアログが現れます。
  2. OptiStructを選択し、OKをクリックします。
    これで、ユーザープロファイルが読み込まれます。ユーザープロファイルには、適切なテンプレート、マクロメニュー、インポートリーダーが含まれており、OptiStructモデルの生成に関連したもののみにHyperMeshの機能を絞っています。

モデルのオープン

  1. File > Open > Modelをクリックします。
  2. optistruct.zipファイルから自身の作業ディレクトリに保存したHalf_Car.hmファイルを開きます。モデルファイルへのアクセスをご参照ください。
  3. Openをクリックします。
    Half_Car.hmデータベースが現在のHyperMeshセッションに読み込まれます。

モデルのセットアップ

材料とプロパティの生成およびそれらの構造と流体要素への割り当て

  1. Modelブラウザ内で右クリックし、Create > Materialを選択します。
  2. NameにMAT1_shellsと入力します。
  3. Card Imageに、ドロップダウンメニューからMAT1を選択します。
  4. E、Nu、Rhoの欄にそれぞれ 2.1e040.338.0e-10と入力します。

    os_1330_05
    図 2.
  5. Modelブラウザ内で右クリックし、Create > Materialを選択します。
  6. NameにMAT10_Solidsと入力します。
  7. Card Imageに、ドロップダウンリストからMAT10を選択します。
  8. RhoとCの欄にそれぞれ1.2e-133.4e5を入力します。
  9. Modelブラウザ内で右クリックし、Create > Propertyを選択します。
  10. NameにShellsと入力します。
  11. Card Imageに、ドロップダウンメニューからPSHELLを選択します。
  12. Materialに、Unspecified > Materialをクリックします。
  13. Select Materialダイアログで、材料のリストからMAT1_shellsを選択し、OKをクリックして選択を完了します。
  14. シェルコンポーネントの板厚として、Tをクリックし、2.0と入力します。
  15. Modelブラウザ内で右クリックし、Create > Propertyを選択します。
  16. NameにSolidsと入力します。
  17. Card Imageに、ドロップダウンメニューからPSOLIDを選択します。
  18. Materialに、Unspecified > Materialをクリックします。
  19. Select Materialダイアログで、MAT10_Solidsを選択します。
  20. FCTNにPFLUIDを選択します。
  21. fluidコンポーネントをクリックします。
    コンポーネントのエントリがエンティティエディターに表示されます。
  22. Propertyに、Unspecified > Propertyをクリックします。
  23. Select Propertyダイアログで、プロパティsolidsを選択します。
  24. structureコンポーネントをクリックします。
    コンポーネントのエントリがエンティティエディターに表示されます。
  25. Propertyに、Unspecified > Propertyをクリックします。
  26. Select Propertyダイアログで、プロパティshellsを選択します。

荷重コレクターの作成

本ステップでは、モデルは非拘束で、鉛直単位荷重が車室の底部の点に上向き、Z方向の正の向きに作用します(page 1参照)。モデルの剛体移動を避けるためにデフォルトでソルバーがPARAM, INREL -2を与えるため、モデルは非拘束のままでいることができます。

  1. Modelブラウザで右クリックしコンテキストメニューからCreate > Load Collectorを選択します。
    デフォルトの荷重コレクターがエンティティエディターに表示されます。
  2. Nameにunit-loadと入力します。
  3. Colorをクリックし、カラーパレットから色を選択します。
  4. Card ImageをNoneに設定します。
  5. unit_loadが現在の荷重コレクターとなっていることを確認します。現在の荷重コレクターとなっていない場合は、Modelブラウザunit_loadを右クリックし、コンテキストメニューからMake Currentを選択します。
    ヒント: Modelブラウザ、Load Collectorsフォルダーで、現在の荷重コレクターはボールドになっています。

1つの点における単位荷重の生成

  1. Analysisページからconstraintsをクリックします。
  2. パネル左側のラジオボタンを用いてcreateサブパネルを選択します。
  3. nodes >> by idをクリックし、車両の節点19072を選択します。
  4. dof3を除いた全ての自由度からチェックマークを外します。
  5. dof3の右にある=をクリックし、値1を入力します。
  6. Load Types =に、拡張エンティティ選択メニューからDAREAを選択します。
  7. createをクリックします。
    これで選択された節点の単位荷重が付与されます。

    rd2060_unit_load_point
    図 3.
  8. returnをクリックします。

周波数範囲の表の生成

  1. Modelブラウザで右クリックしてCreate > Curveを選択します。
  2. Nameにtabled1と入力します。
  3. Colorをクリックし、カラーパレットから色を選択します。
  4. Card Imageにtabled1カーブをクロックし、、ドロップダウンメニューからTABLED1を選択します。
  5. ModelブラウザTABLED1を右クリックしてEditを選択します。
  6. Curve Editorで、ポップアップウィンドウにx(1) = 0.0、y(1) = 1.0、x(2) = 1000.0200.0、y(2) = 1.0と入力します。
  7. Closeをクリックします。
    これで、周波数域0.0から1000.0200まで、この範囲での一定値1.0が設定されました。

周波数依存動的荷重の作成

  1. Modelブラウザで右クリックしてCreate > Load Collectorを選択します。
  2. Nameに、rload1と入力します。
  3. Colorをクリックし、カラーパレットから色を選択します。
  4. Card Imageに、ドロップダウンメニューからRLOAD1を選択します。
  5. EXCITEIDに、Loadcolをクリックします。
  6. Select Loadcolダイアログで、荷重コレクターのリストから unit-loadを選択し、OKをクリックして選択を完了します。
  7. 同様に、荷重コレクターtabled1をTC欄に選択します。

    加振のタイプには、荷重(力またはモーメント)、強制変位、速度、または加速度を与えることができます。RLOAD1カードのTYPE欄で荷重のタイプを定義します。タイプはデフォルトでapplied loadにセットされます。

    典型的なRLOAD1カードが下のように現われます。

    OS_1330_02
    図 4.

  1. Modelブラウザで右クリックしてCreate > Load Collectorを選択します。
  2. Nameにfreq1と入力します。
  3. Colorをクリックし、カラーパレットから色を選択します。
  4. Card Imageに、ドロップダウンメニューからFREQiを選択します。
  5. FREQ1の隣のボックスにチェックを入れます。
  6. NUMBER_OF_FREQ1に値1を入力し、キーを押します。
  7. Data欄の横のtable_pencilをクリックし、F1= 0.0、DF= 1.0、NDF= 200と入力します。
    これで周波数0.0から1.0刻みで200の周波数増分を与えたことになり、GUIに下のようにカードが現われます。

    OS_1330_03
    図 5.

  1. Modelブラウザで右クリックしてCreate > Load Collectorを選択します。
  2. Nameにeigrl1と入力します。
  3. Colorをクリックし、カラーパレットから色を選択します。
  4. Card Imageに、ドロップダウンメニューからEIGRLを選択します。
  5. V2に値600.0を入力します。
  6. NDに値50を入力します。

    これで Lanczos 法を用いた固有値の取り出しに最初の周波数から 600 Hz の間の周波数範囲を指定したことになります。

  7. 同様に、手順1.から6.までに従って、 eigrl2という名称の荷重コレクターを生成します。

    OS_1330_04
    図 6.

  1. Modelブラウザで右クリックしてCreate > Load Stepを選択します。
  2. Nameにsubcase1と入力します。
  3. Colorをクリックし、カラーパレットから色を選択します。
  4. Analysis typeに、ドロップダウンメニューからFreq.resp (modal)を選択します。
  5. METHOD(STRUCT)に、荷重コレクターのリストからeigrl1を選択します。
  6. METHOD(FLUID)に、荷重コレクターのリストからeigrl2を選択します。
  7. DLOADに、荷重コレクターのリストからrload1を選択します。
  8. FREQに、荷重コレクターのリストからfreq1を選択します。

    拘束条件と単位荷重として荷重コレクターrload1を周波数定義の荷重コレクターfreq1とモーダル法が定義された荷重コレクターeigrlと共に参照したOptiStructサブケースが生成されました。

  1. Modelブラウザで右クリックしてCreate > Setを選択します。
  2. NameにSETAと入力します。
  3. Card Imageに、ドロップダウンメニューからNoneを選択します。
  4. Set Typeスイッチはnon-orderedにセットされたままにしておきます。
  5. Entity IDsに、黄色いNodesパネルをクリックし、ID 18881の節点を選択します。
  6. proceedをクリックします。

周波数セットの生成

  1. Modelブラウザ内で右クリックし、Create > Load Collectorを選択します。
  2. Nameにfreq1と入力します。
  3. Colorをクリックし、カラーパレットから色を選択します。
  4. Card Imageに、ドロップダウンメニューからFREQiを選択します。
  5. FREQ1オプションにチェックマークを入れ、NUMBER_OF_FREQ1欄に1と入力します。
  6. table_pencilをクリックし、ポップアップウィンドウに情報を入力します。
    1. F1に、0.0と入力します。
    2. DFに、1.0と入力します。
    3. NDFに、200と入力します。
  7. Closeをクリックします。
    これで周波数0.0から1.0刻みで200の周波数増分を与えたことになり、GUIに下のようにカードが現われます。

固有値解析のためのモーダル法の生成

  1. Modelブラウザ内で右クリックし、Create > Load Collectorを選択します。
  2. Nameにeigrl1と入力します。
  3. Colorをクリックし、カラーパレットから色を選択します。
  4. Card Imageに、ドロップダウンメニューからEIGRLを選択します。
  5. V2に値600.0を入力します。
  6. NDに値50を入力します。

    これで Lanczos 法を用いた固有値の取り出しに最初の周波数から 600 Hz の間の周波数範囲を指定したことになります。

  7. 同様にして、eigrl2という名称の荷重コレクターを作成します。

    OS_1330_04
    図 7.

荷重ステップの作成

  1. Modelブラウザ内で右クリックし、Create > Load Stepを選択します。
    デフォルトの荷重ステップテンプレートが、Modelブラウザの下のエンティティエディターに表示されます。
  2. Nameに、subcase1と入力します。
  3. Analysis typeに、ドロップダウンメニューからを選択します。
  4. METHOD(STRUCT)に、eigrl1を選択します。
  5. METHOD(FLUID)に、荷重コレクターのリストからeigrl2を選択します。

節点セットの生成

  1. Modelブラウザで右クリックしてCreate > Setを選択します。
  2. NameにSETAと入力します。
  3. Card Imageに、を選択します。
  4. Set Typeスイッチはnon-orderedにセットされたままにしておきます。
  5. Entity IDsに、選択スイッチからNodesを選択します。
  6. Nodesをクリックし、18881を選択します。
  7. proceedをクリックします。

出力セットの生成

  1. Analysisページからcontrol cardsをクリックします。
  2. ACMODLをクリックします。
    これでモデルの流体-構造相互作用のパラメータを定義します。
  3. [INTER] をクリックしDIFFを選択します。
  4. [INFOR]をクリックしALLを選択します。
  5. returnをクリックし、このメニューを終了します。
  6. GLOBAL_OUTPUT_REQUESTを選択します。続いて、DISPLACEMENTの左のボックスにチェックマークを入れます。
    ワークエリアスクリーンに新しいウィンドウが現われます。
  7. 入力ボックスFORMをクリックし、ポップアップメニューからPHASEを選択します。
  8. 入力ボックスOPTIONをクリックし、ポップアップメニューからSIDを選択します。
    黄色い新しい欄が現われます。
  9. 黄色いSIDボックスをダブルクリックし、左下隅のポップアップ選択からSETAを選択します。
    値1がSID入力ボックスの下に現れます。これは、set 1内の節点に限った出力を設定しています。
  10. returnをクリックし、このメニューを終了します。
  11. GLOBAL_CASE_CONTROLを選択します。
  12. FREQの横のボックスにチェックを入れます。
  13. FREQをクリックし、荷重コレクターfreq1を選択します。
  14. returnをクリックしてこのメニューを終了し、nextをクリックします。
  15. OUTPUTサブパネルを選択します。
    作業領域に新しいウィンドウが現われます。
  16. number of outputs = 4と指定します。
  17. KEYWORDがHGFREQにセットされていることを確認します。
    HGFREQの使用により、周波数がHyperGraph形式で出力されます。
  18. FREQの下のボックスをクリックし、ポップアップ選択からALLを選択します。
    ALLを選択することにより、全ての周波数の結果が出力されます。
  19. KEYWORDがOPTIにセットされていることを確認します。
  20. FREQの真下のボックスをクリックし、ポップアップ選択からALLを選択します。
  21. 同様にKEYWORDの下でPUNCHH3Dを選択します。
  22. returnをクリックし、このメニューを終了します。
  23. PARAMを選択します。
  24. AUTOSPCをクリックします。
  25. スクロールダウンしてGの横のボックスにチェックを入れます。
    ワークエリアスクリーンに新しいウィンドウが現われます。
  26. G_V1入力ボックスに値0.06を入力します。
    この値は一様な構造減衰の係数を指定し、臨界減衰[ C / C 0 MathType@MTEF@5@5@+= feaagKart1ev2aaatCvAUfeBSjuyZL2yd9gzLbvyNv2CaerbuLwBLn hiov2DGi1BTfMBaeXatLxBI9gBaerbd9wDYLwzYbItLDharqqtubsr 4rNCHbGeaGqiVu0Je9sqqrpepC0xbbL8F4rqqrFfpeea0xe9Lq=Jc9 vqaqpepm0xbba9pwe9Q8fs0=yqaqpepae9pg0FirpepeKkFr0xfr=x fr=xb9adbaqaaeGaciGaaiaabeqaamaabaabaaGcbaGaam4qaiaac+ cacaWGdbWaaSbaaSqaaiaaicdaaeqaaaaa@391F@ ]比に2.0を掛けることにより得られます。
  27. GFLの横のボックスにチェックを入れます。
  28. [VALUE]をクリックし、0.12と入力します。
  29. returnをクリックし、PARAMメニューを終了します。
  30. returnをクリックし、control cardsメニューを終了します。

ジョブのサブミット

  1. AnalysisページからOptiStructパネルをクリックします。

    OS_1000_13_17
    図 8. OptiStructパネルへのアクセス
  2. save asをクリックします。
  3. Save Asダイアログで、OptiStructモデルファイルを書き出す場所を指定し、ファイル名としてHalf_carと入力します。
    OptiStruct入力ファイルには、拡張子 .femが推奨されます。
  4. Saveをクリックします。
    入力ファイル欄には、Save Asダイアログで指定されたファイル名と場所が表示されます。
  5. export optionsのトグルをallにセットします。
  6. run optionsのトグルをanalysisにセットします。
  7. memory optionsのトグルはmemory defaultにセットします。
  8. OptiStructをクリックし、OptiStructジョブを開始します。
ジョブが成功した場合、Half_car.femが書き出されたディレクトリに新しい結果ファイルがあるはずです。何らかのエラーがある場合、Half_car.outファイルはデバッグを手助けするエラーメッセージを探すのに良い場所です。
そのディレクトリに書かれるデフォルトのファイルは:
Half_car.html
問題の定式と解析結果のサマリーに関する解析のHTMLレポート。
Half_car.out
ファイルの設定、最適化問題の設定、実行に必要なRAMおよびディスクスペースの推定量、各最適化反復計算の情報、解析時間等、特定の情報を含むOptiStructの出力ファイル。ワーニングおよびエラーに関しては、このファイルを確認すること。
Half_car.h3d
HyperViewバイナリ結果ファイル。
Half_car.res
HyperMeshバイナリ結果ファイル。
Half_car.stat
解析のプロセスの間のそれぞれのステップでのCPU情報を提供する、解析のプロセスの要約。

結果の確認

このステップでは変位結果(.mvwファイル)をHyperGraphで表示する方法を示します。HyperView結果ファイル(.h3d)は節点セット出力で指定された節点の変位結果のみを含んでいます。
  1. OptiStructパネルから、HyperViewをクリックします。
    HyperViewが起動され、結果が読み込まれます。HyperViewにモデルと結果が正しく読み込まれたことを示すメッセージウィンドウが現われます。
  2. 表示されたら、Closeをクリックし、メッセージウィンドウを閉じます。
  3. HyperViewウィンドウで、File > Open > Sessionをクリックします。
    Open Session Fileウィンドウが開きます。
  4. ジョブが実行されたディレクトリを選び、ファイルHalf_car_freq.mvwを選択します。
  5. Openをクリックします。
    旧データを廃棄するかどうかのワーニングが現われます。
  6. Yesをクリックします。
    ページ毎に2つのグラフで、合計1ページがHyperGraphに表示されます。グラフタイトルは、Subcase 1 (subcase 1) pressure at grid 18881 を示しています。
  7. AxisツールバーアイコンannotateAxes-24をクリックします。
  8. AxisがPrimaryとHorizontalにセットされていることを確認してください。
  9. Scale and Ticsタブをクリックします。
  10. トグルがLinearにセットされていることを確認してください。

    rd2060_scaleandtics
    図 9.
  11. Axisで、HorizontalからVerticalに切り替えます。
  12. Scale and Tics (Magnitude)タブをクリックします。
  13. トグルがdB10にセットされていることを確認してください。

    rd2060_scaleandtics_mag
    図 10.
    このページには2セットの結果があります。上のグラフは、位相角vs周波数(log)、下のグラフは節点 18881の圧力のMagnitude verses Frequency (log)(下図参照)を示しています。

    rd2060_results
    図 11.
これでHyperGraphでの結果のポスト処理は終わりです。