OS-E:0820 エアコンのブラケット

このエアコンのブラケットは、線形静的剛性およびモーダル法による周波数応答の両方により生成された最適トポロジー形状です。ブラケットが鋳造プロセスを用いて製造されることを確実にするために、シェル要素が使用されています。

モデルファイル

必要なモデルファイルのダウンロードについては、モデルファイルへのアクセスを参照してください。

この例で使用されているモデルファイルには以下のものが含まれます:

ACbrack.fem

モデル概要

集中質量Mを使用し、梁要素によって取り付けボルトに接合されたエアコンユニットをモデル化しています。取り付けボルトとエンジンボルトの結合箇所に近いシェル要素(色の濃い要素で示されている)は、非設計コンポーネントに移動されます。ブラケットの面に対して垂直な回転を除き、すべての変位と回転について固定された2つのエンジン取り付けボルト位置で、モデルは拘束されます。ベルトの引張荷重は、エアコンブラケットを表わす節点位置にかけられます。

サブケースセクション
目的関数(コンプライアンスと周波数の重み付き組み合わせ)はグローバル応答であるため、応答参照は、サブケース定義の外側です。制約条件(体積率)もグローバル応答であり、したがって、参照はサブケースの外側になります。重み係数は、荷重ケース内で定義されます。
DESOBJ = 1
DESGLB = 2
$
SUBCASE       1
 SPC    =    1
 LOAD   =    2
$
 WEIGHT =  1.0
$
SUBCASE       2
 SPC    =    2
 METHOD =    2
$
 MODEWEIGHT 1 1.0
 MODEWEIGHT 2 1.0
 MODEWEIGHT 3 1.0
$
 NORM = 40000.0
バルクデータセクション
応答と制約条件は、バルクデータセクションで定義されます。ここでは2つの応答、すなわち周波数の逆数とコンプライアンスの重み付き組み合わせ(目的関数によって参照される)と体積率(上限0.3、すなわち設計空間体積の30%を示すための制約ステートメントによって参照される)が定義されます。続いて、制約ステートメントは、サブケースセクション内のグローバル制約条件として参照されます。
BEGIN BULK
$
DRESP1,1,freqstat,COMB
DRESP1,2,volfrac,VOLFRAC
DCONSTR,2,2,,0.3
同じ問題定義は、重み付き組み合わせを定義するための方程式ユーティリティDEQATNを使うことによっても行うことができます。

BMP00031
図 1. エアコンのブラケットの有限要素モデル
初回反復計算のOptiStruct出力は、次のとおりです。
ITERATION   0
 
Subcase  Weight      Compliance                               Weight*Comp.
  1     1.000E+00         2.573592E+01                             2.573592E+01
                                                           ----------------
Sum of Weight*Compliance                                      2.573592E+01
 
Subcase   Mode        Weight     Frequency      Eigenvalue    Weight/Eigen
  2         1      1.000E+00   3.129449E+00   3.866299E+02   2.586453E-03
  2         2      1.000E+00   4.035579E+01   6.429414E+04   1.555352E-05
  2         3      1.000E+00   8.710232E+01   2.995154E+05   3.338726E-06
  2         4      0.000E+00   1.203149E+02   5.714770E+05   0.000000E+00
  2         5      0.000E+00   1.513964E+02   9.048794E+05   0.000000E+00
                                              -----------------
 
(Sum of Weight/Eigenvalue) / Sum of Weights       8.684483E-04
Mode Normalization Factor                         x  4.000E+04
                                              -----------------
Eigenvalue total weight                           3.473793E+01
Compliance total weight                           2.573592E+01
                                              -----------------
Objective Function                                6.047386E+01

この例は、ファイルacbrack.femを用い、ワンファイルセットアップで解析されます。OptiStructのバッチジョブは、コマンドシェルスクリプト% optistruct acbrackを使って投入されます。

結果

最適化は、22回の反復計算で収束します。結果はHyperMeshバイナリフォーマットでリクエストされ、acbrack.resファイルに書き出されます。最終反復計算におけるソリューションの形状は、HyperMeshContour panelで22回の反復計算における密度結果のアサインプロットを作成することによって可視化できます。

BMP00032
図 2. 組み合わせられた固有値およびコンプライアンス目的関数についてのエアコンブラケットの密度プロット

2つの厚いリブがエンジンボルトからエアコン下部のアタッチメントに向かって、1つの薄いリブが上部メインリブ中央から上部エアコンアタッチメントに向かって延びています。2つのメインリブ間にウェビングがあり、半分の高さの幅広なリブが、設計空間の上部半分に延びています。

密度100%または密度0%のいずれにも、多くの要素は収束しません。これらの要素は、離散のパラメータを増やすことによって、0%および100%に強制することができます。ウェビングと高さが半分のリブは鋳造プロセス中に製造可能であるため、このソリューションは受け入れることができます。

線形静的解析および周波数解析用に最適化されたモデルは、別々に解析されます。

組み合わせられたソリューションからの2つのメインリブは、ケース間で板厚が変化しているものの、両方のソリューションで示されています。組み合わされた荷重ケース内で高さがフルである3つ目のリブは、静的ソリューションにのみ現れ、組み合わされたソリューション内では、より薄くなっています。2つのメインリブ間のウェビングは、両方の個別のソリューション内で幾つかの離散クロスリブとして現れています。上部リブは、組み合わされたソリューション内で高さが半分であり、静的および固有値ソリューションの両方に現れます。このリブは、各解析内で異なる位置にいます。組み合わされたソリューション内の、より厚い、高さが半分のリブは、2つの間の中間物です。

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図 3. 線形静的荷重のみの場合の密度プロット


図 4. 固有値サブケースのみの場合の密度プロット