圧縮ラン

この特別なランモードでは、OptiStructは単にモデルを読み、すべての材料および特性データを比較して、無駄なデータを削除します。

OptiStructソルバーは、重複している材料定義および特性定義を少なくする目的で、シンプルな入力デックプリプロセッサとして使うことが可能です。これは、実際のデータが同じであるようなケースにおいてさえ、各要素に固有の特性IDや材料IDが割り当てられたりしているようなモデル(一部の配慮に欠けたメッシュ生成ツールで作成された)に役立ちます。そのようなモデルは、(技術的に正しくあっても)解を得るのにコストが多くかかったり、HyperMeshまたはHyperViewでの処理においてスピードが遅かったりします。

例:ラン

optistruct infile.fem -compress

以下の名称をもつ新規バルクデータファイルを生成します:

infile.echo

このファイルには、重複しているすべての材料と特性が削除された新しいモデルが含まれます。削除されたデータへのすべての参照は、残りへの参照と置き換えられ、モデルは同じ結果を生み出すことになります。

-compressへの追加の引数は、トレランス値(%)を表します。材料およびプロパティデータ内の浮動小数点値はすべて、そのトレランス値を用いて比較されます。トレランスの使用により実行時間が大幅に増加する場合があります。

制限事項

  1. 比較は厳密に行われます(すなわち、許容値設定や近似を許可することなくすべてのデータが比較されます)。オプションのトレランス値が指定されている場合、ランは2つのパスで行われます: 完全に一致するものがまず除かれ、次に、残りのすべての材料とプロパティが下記の式を使って互いに比較されます:

    (2 * abs(value1-value2)) / (abs(value1)+abs(value2)) < tolerance *0.01.

  2. 最適化データ、非線形データ、および熱材料は処理されません。そのようなデータが存在する場合、削除されたエンティティを参照することはありますが、圧縮ランは参照を調整しません。結果のファイル(<filename>.echo)は有効でない場合があります。
  3. 材料または特性を拡張または修正するカード(MATT1MATX02MATS1またはPSHELLX)は比較されず、圧縮ランの結果として単独で放置されます。
  4. 材料または特性を参照するSETは処理されません。出力ファイル内のSETは入力ファイルからは異なる場合があるが、SETは存在しないIDを参照することを許可されるため、結果として悪いデックをもたらすことはありません。
  5. .echoファイルが生成された後、OptiStructはランを終了します。したがって、-compressはその他のいかなるオプションとも組み合わせることができません。
以下のカードが処理されます:
  • プロパティ
    • PBEAM
    • PBAR
    • PBEAML
    • PBARL
    • PSOLID (流体も)
    • PCOMPPSHELL
    • PROD
    • PWELD
    • PSHEAR
    および、材料を参照しない特性:
    • PELAS
    • PBUSH
    • PVISC
    • PDAMP
    • PGAP
    • PCONT
    • PAABSF
  • 材料
    • MAT1
    • MAT2
    • MAT4
    • MAT5
    • MAT8
    • MAT9
    • MAT10
  • PRBODYPFBODYを含む、特性または材料を参照するすべての要素

デック内に存在するその他のカードは、材料または特性を参照しない場合に限り許可されますが、OptiStructはこの過程を検証することはありません。そのようなカード(たとえば、特性のリストを参照するDTPG)がデック内に存在する場合、削除されたエンティティ用に、負のIDで印字されます。

結果のファイル(<filename>.echo)は、ECHOを生成するのと同じルーチンを使って生成され、ECHO用として存在するすべての制限は、-compressランに影響を及ぼします。
  • 一部の最適化カードは現時点では正しくないECHOを生成することが知られており、すなわち、これらのカードのECHOOptiStructに読み戻されることが不可能です。
  • 結果は、入力ファイルで使用されているフォーマットとは無関係に、固定フォーマットとなります。これは、8文字のフィールドのためにほとんどの係数の精度を限定します。現在のフォーマッティングは、8文字以内で出来る限り多くの小数点を保持しますが、指数フォームを必要とする値については、3-4の小数点位置のみに精度を保持することが可能です。

    例外: GRIDおよびDMIGカードは、少なくとも10小数点位置までの精度で自由フォーマットでプリントされます。

  • バルクデータのみが.echoファイルにプリントされます(入出力またはコントロールセクションは不可)。
  • 一部のカードはプリントされません: 特に、PARAMおよびDOPTRMECHOに現れません。