OS-T:1380 等価放射パワーの計算

等価放射パワー(ERP)の計算は、周波数応答解析でのパネルの最大放射パワーに関する情報を得るための簡易化された手法です。本チュートリアルでは、既存の周波数応答解析でのERP計算要求の設定方法について示します。

モデルは、Figure 1に示すように、自動車の排気システムの触媒コンバーターのフロントカバーです。このモデルでは周波数応答解析の設定は既になされ、カバーは両端が拘束され、加振力がカバーの中央に作用しています。加振周波数はFREQ1カードで定義され、120.0Hzから400.0Hzまでの1.0Hz間隔です。ERPパネル(ERPPNL)とERP出力要求を定義する必要があります。

rd2130_model
図 1. モデルのレビュー

HyperMeshの起動とOptiStructユーザープロファイルの設定

  1. HyperMeshを起動します。
    User Profilesダイアログが現れます。
  2. OptiStructを選択し、OKをクリックします。
    これで、ユーザープロファイルが読み込まれます。ユーザープロファイルには、適切なテンプレート、マクロメニュー、インポートリーダーが含まれており、OptiStructモデルの生成に関連したもののみにHyperMeshの機能を絞っています。

モデルのオープン

  1. File > Open > Modelをクリックします。
  2. optistruct.zipファイルから自身の作業ディレクトリに保存したcover.femファイルを開きます。モデルファイルへのアクセスをご参照ください。
  3. Openをクリックします。
    cover.femデータベースが現在のHyperMeshセッションに読み込まれます。

モデルのセットアップ

ERPPNLセットの作成

ERPPNLは要素のセットとして定義されます。要素セットERP_elemはモデルに事前定義されており、HyperMeshで表示させることができます。
  1. Analysisページのentity setsパネルに進みます。
  2. reviewをクリックしERP_elemを選択します。
    要素が画面上でハイライト表示されます。
  3. returnをクリックし、メインメニューに戻ります。
  4. Modelブラウザで右クリックしてCreate > Setを選択します。
    デフォルトのセットテンプレートが、Modelブラウザの下のエンティティエディターに表示されます。
  5. NameにERPPNLと入力します。
  6. Card ImageにERPPNLを選択し、確認のYesをクリックします。
  7. Entity IDsに、Unspecified > Sets.をクリックします。
  8. Select Setsダイアログで、ERP_elemセットを選択し、OKをクリックします。

ERP出力リクエストの定義

control cardsパネルからERP出力を要求します。

  1. Analysisページからcontrol cardsをクリックします。
  2. GLOBAL_OUTPUT_REQUESTパネルに移動します。
  3. ERPの前のボックスにチェックマークを入れ、ERP_NUM欄に2と入力します。
  4. ERP output出力のFORMATs、GRIDs、OPTIONsを下に示すように設定します。

    rd2130_erp_output
    図 2. ERP出力

    ERP結果に加えて、パネルに対するそれぞれの節点の節点寄与が、.h3dファイルに出力されます。ERPパネルの結果は、punchフォーマットで出力されます。

  5. returnを2回クリックし、Analysisページに戻ります。

ジョブのサブミット

  1. AnalysisページからOptiStructパネルをクリックします。

    OS_1000_13_17
    図 3. OptiStructパネルへのアクセス
  2. save asをクリックします。
  3. Save Asダイアログで、OptiStructモデルファイルを書き出す場所を指定し、ファイル名としてcover_ERPと入力します。
    OptiStruct入力ファイルには、拡張子 .femが推奨されます。
  4. Saveをクリックします。
    入力ファイル欄には、Save Asダイアログで指定されたファイル名と場所が表示されます。
  5. export optionsのトグルをallにセットします。
  6. run optionsのトグルをanalysisにセットします。
  7. memory optionsのトグルはmemory defaultにセットします。
  8. OptiStructをクリックし、OptiStructジョブを開始します。
ジョブが成功した場合、cover_ERP.femが書き出されたディレクトリに新しい結果ファイルがあるはずです。何らかのエラーがある場合、cover_ERP.outファイルはデバッグを手助けするエラーメッセージを探すのに良い場所です。

HyperViewでのERP結果のポスト処理

  1. OptiStructパネルから、HyperViewをクリックします。
    HyperViewが起動され、結果が読み込まれます。HyperViewにモデルと結果が正しく読み込まれたことを示すメッセージウィンドウが現われます。
  2. Resultsブラウザで、current load caseにSubcase 1 (frf)を選択します。
  3. 周波数が50.0Hzである最後の荷重ステップを選択します。
  4. ResultsツールバーでresultsContour-16をクリックし、Contour panelを開きます。
  5. Result typeにEquivalent Radiated Power (ERP_elem)を選択し、Panelを選択します。
  6. Applyをクリックします。
    パネルのERP結果がプロットされるはずです。
  7. Result typeにEquivalent Radiated Power (ERP_elem)を選択し、Grid Contributionsを選択します。
  8. Applyをクリックします。
    ERPへの節点寄与のコンターが読み込まれます。

    rd2130_erp_results
    図 4. HyperViewでのERP結果

HyperGraphでのERP結果のポスト処理

  1. HyperGraphを起動します。
  2. Build Plotsをクリックします。
  3. Dataファイルにcover_ERP.pchファイルを読み込みます。
  4. X TypeがFrequency [Hz]にセットされていることを確認します。
  5. Y TypeがSubcase 1 ERPにセットされていることを確認します。
  6. Y RequestにFrf ERP_elemを、Y Component欄にERPを選択します。
  7. Applyをクリックします。
    ERPパネルの周波数に対するプロットが、下に示すように読み込まれます。ERP (dB) 結果も同様に可能です。

    rd2130_hg_results
    図 5. HyperGraphでのERP結果