OS-T:6050 Dang Van基準(安全係数)

コンポーネントが荷重履歴全体の中で破壊されるかどうかについては、Dang Van基準を使用して予測されます。

この場合、破壊に至る最小限の疲労サイクルを指定する従来の疲労結果は適用できません。コンポーネントの疲労履歴全体で疲労損傷が発生するかどうかを考慮する必要があります。損傷が発生する場合、そのコンポーネントが無限寿命となることはできません。

本チュートリアルの実行には、optistruct.zipに含まれる下記のファイルが必要です。モデルファイルへのアクセスをご参照ください。

Spring-link.fem

または

本チュートリアルで使用されるモデルファイルのコピーは、<install_directory>/tutorials/hwsolvers/optistructで入手できます。

縦方向に5000N、横方向に20000N、半径方向に2000Nの荷重がかかったスプリングリンクが使用されます(Figure 1)。Dang Van FOS計算には、ねじりの疲労限界(TFL: Torsional Fatigue Limit)と流体応力感度(HSS: Hydrostatic Stress Sensitivity)が使用されます。


図 1. 疲労解析モデルのスプリングリンク

HyperMeshの起動とOptiStructユーザープロファイルの設定

使用されるモデルは、図 6に示すようなコントロールアームのモデルです。荷重と拘束条件、および2つの静的荷重ケースは、このモデルに既に定義されています。

  1. HyperMeshを起動します。
    User Profilesダイアログが現れます。
  2. OptiStructを選択し、OKをクリックします。
    これで、ユーザープロファイルが読み込まれます。ユーザープロファイルには、適切なテンプレート、マクロメニュー、インポートリーダーが含まれており、OptiStructモデルの生成に関連したもののみにHyperMeshの機能を絞っています。

モデルの読み込み

  1. File > Import > Solver Deckをクリックします。
    Importタブがタブメニューに追加されます。
  2. File typeにOptiStructを選択します。
  3. Filesアイコンfiles_panelを選択します。
    Select OptiStruct Fileブラウザが開きます。
  4. 自身の作業ディレクトリに保存したSpring-link.femファイルを選択します。モデルファイルへのアクセスをご参照ください。
  5. Openをクリックします。
  6. Import、続いてCloseをクリックし、Importタブを閉じます。
    疲労解析のセットアップの大筋は、以下のステップで得られます。


    図 2. 疲労のセットアップ - FOS

モデルのセットアップ

TABFAT荷重コレクターの定義

荷重順序の定義の最初のステップはTABFATカードの定義です。このカードは荷重履歴を示します。

  1. Modelブラウザ内で右クリックし、Create > Load Collectorを選択します。
  2. NameにTABFATと入力します。
  3. Card Imageに、ドロップダウンメニューからTABFATを選択します。
  4. TABLEFAT_NUMに2を入力します。
  5. Data:欄の横にあるTableアイコンtable_pencilをクリックし、yの値としてrow1に1を、row2に-1を入力します。
  6. Closeをクリックします。

FATLOAD荷重コレクターの定義

  1. Modelブラウザ内で右クリックし、Create > Load Collectorを選択します。
  2. NameにFATLOAD_Verticalと入力します。
  3. Card Imageに、FATLOADを選択します。
  4. TID(テーブルID)に、荷重コレクターのリストからTABFATを選択します。
  5. LCID(荷重ケースID)に、荷重ステップのリストからVerticalを選択します。
  6. LDM(荷重の大きさ)を0.01に設定します。
  7. Scaleを1000.0に設定します。
  8. このプロセスを繰り返し、以下の名称のTABFATカードであと2つ、追加の荷重コレクターを作成します。

    FATLOAD_LongitudinalでCard ImageがFATLOAD

    FATLOAD_RadialでCard ImageがFATLOAD

  9. LDMを0.01に、Scaleを1000.0に設定します。

FATEVNT荷重コレクターの定義

作成されたfatloadsを割り当てるためのイベントを作成します。

  1. Modelブラウザ内で右クリックし、Create > Load Collectorを選択します。
  2. NameにFATEVENT_1と入力します。
  3. Card Imageに、FATEVNTを選択します。
  4. FATEVNT_NUM_FLOADに3と入力します。
  5. Data欄の横のTableアイコンtable_pencilをクリックし、ポップアップウィンドウでFLOADにFATLOAD_VerticalFATLOAD_LongitudinalをおよびFATLOAD_Radial選択します。

FATSEQ荷重コレクターの定義

  1. Modelブラウザ内で右クリックし、Create > Load Collectorを選択します。
  2. NameにFATSEQと入力します。
  3. Card Imageに、FATSEQを選択します。
  4. FATSEQ_NUMに1と入力します(1つのFATEVENTが作成されているため)。
  5. FID(疲労イベント定義)にFATEVENT_1、また、1としてNを選択します。
    ヒント: Nを右クリックし、Statusを選択して編集します。
    疲労解析のためのイベントのシーケンスの定義が完了しました。次に疲労パラメータが定義されます。

疲労パラメータの定義

  1. Modelブラウザ内で右クリックし、Create > Load Collectorを選択します。
  2. Nameにfatparamと入力します。
  3. Card Imageに、FATPARMを選択します。
  4. TYPEがFOSに設定されていることを確認します。
  5. MAXLFATをYesに設定します。
    FOS TypeはDANGVANを示しています。

材料データカードの編集

本ステップでは、ねじりの疲労限界および流体応力感度を追加する方法について学習します。

TFLおよびHSSは、Dang Van基準によるFOSの計算に必要とされます。

  1. MaterialsにMat1_FOSを選択します。
  2. MATFATをアクティブにします。
  3. UTSに600 MPaと入力します。
  4. 下にスクロールし、FOSをアクティブにします。
  5. TFLに102.0と入力します。
  6. HSSに0.424と入力します。
  7. Closeをクリックして材料カードを終了します。

PFAT荷重コレクターの定義

  1. Modelブラウザ内で右クリックし、Create > Load Collectorを選択します。
  2. Nameにpfatと入力します。
  3. Card Imageに、PFATを選択します。
  4. LAYER を TOPに設定します。
  5. FINISHをNONEに設定します。
  6. TRTMENTをNONEに設定します。
  7. Kfを1.0に設定します。

FATDEF荷重コレクターの定義

  1. Modelブラウザ内で右クリックし、Create > Load Collectorを選択します。
  2. Nameにfatdefと入力します。
  3. Card ImageをFATDEFに設定します。
  4. PTYPE エンティティエディターで、PTYPEおよびPSOLIDをアクティブにします。
  5. FATDEF_PSOLID_NUMIDSを1に編集します。
  6. PIDにspring_link、PFATIDにpfatを選択します。

疲労荷重ステップの定義

  1. Modelブラウザ内で右クリックし、Create > Load Stepを選択します。
  2. NameにFatigueと入力します。
  3. Analysis typeをfatigueに設定します。
  4. FATDEFにfatdefを選択します。
  5. FATPARMにfatparamを選択します。
  6. FATSEQにfatseqを選択します。

ジョブのサブミット

  1. AnalysisページからOptiStructパネルに入ります。
  2. input file欄に続くsave asをクリックします。
    Save Asダイアログが開きます。
  3. File nameに名称spring_link_fatigue.femを入力します。
  4. Saveをクリックします。
  5. OptiStructをクリックし、解析をサブミットします。

結果の確認

  1. OptiStructパネルから、HyperViewをクリックします。
    HyperViewが起動され、結果が読み込まれます。HyperViewにモデルと結果が正しく読み込まれたことを示すメッセージウィンドウが現われます。
  2. Resultsタブに移動します。
  3. Resultsタブで、サブケースフィールドから を選択します。
  4. ResultsツールバーでresultsContour-16をクリックし、Contour panelを開きます。
  5. Result typeをFOSにセットし、Applyをクリックして要素コンターを表示させます。


    図 3. Dang Vanコンタープロット