OS-T:1300 直接法による平板の周波数応答解析

本チュートリアルでは、既存の平板のFEモデルを読み込み、境界条件を与え、有限要素解析を実行する方法について実際に示します。

平板は、直接法での周波数が変化する単位荷重の加振を受けます。ポスト処理では、HyperViewHyperGraphでモードシェイプの応答、および周波数-位相の出力特性の可視化が行われます。

HyperMeshの起動とOptiStructユーザープロファイルの設定

  1. HyperMeshを起動します。
    User Profilesダイアログが現れます。
  2. OptiStructを選択し、OKをクリックします。
    これで、ユーザープロファイルが読み込まれます。ユーザープロファイルには、適切なテンプレート、マクロメニュー、インポートリーダーが含まれており、OptiStructモデルの生成に関連したもののみにHyperMeshの機能を絞っています。

モデルの読み込み

  1. File > Import > Solver Deckをクリックします。
    Importタブがタブメニューに追加されます。
  2. File typeにOptiStructを選択します。
  3. Filesアイコンfiles_panelを選択します。
    Select OptiStruct Fileブラウザが開きます。
  4. 自身の作業ディレクトリに保存したdirect_response_flat_plate_input.femファイルを選択します。モデルファイルへのアクセスをご参照ください。
  5. Openをクリックします。
  6. Import、続いてCloseをクリックし、Importタブを閉じます。

モデルのセットアップ

荷重と境界条件の適用

続くステップで、モデルの1辺が拘束されます。鉛直の単位荷重が、板の自由端の角にz-方向の正の向き(上向き)に作用します。
  1. Modelタブをクリックします。
  2. Modelブラウザ内で右クリックし、Create > Load Collectorを選択します。
  3. Nameにspcsと入力します。
  4. Colorをクリックし、カラーパレットから色を選択します。
  5. Card ImageをNoneに設定します。
    新しい荷重コレクターspcsが生成されます。
  6. Modelブラウザ内で右クリックし、Create > Load Collectorを選択します。
  7. Nameにunit-loadと入力します。
  8. Colorをクリックし、カラーパレットから別の色を選択します。
    新しい荷重コレクターunit-loadが生成されます。

制約の作成

  1. Modelブラウザで、Load Collectorを展開してspcs > Make Currentをクリックします。

    rd2000_spc_load_collector
    図 1.
  2. Display NumbersアイコンinfoNumbers-24をクリックします。
  3. nodes > displayedをクリックします。
  4. on(緑のボタン)を選択します。
    平板上の全ての節点番号が今度は表示されるはずです。
  5. returnをクリックし、メインメニューに戻ります。
  6. BCs > Create > Constraintsをクリックし、Constraintsメニューを開きます。
  7. エンティティ選択スイッチをクリックし、ポップアップメニューからnodesを選択します。
  8. nodesをクリックし、節点 5、29、30、31、32 を選択します(図 2)。

    os1100_pic1
    図 2. 単点拘束の付与に選択される節点
  9. dof6のみチェックを外し、dof1dof2dof3dof4、およびdof5を拘束します。
    • チェックマークのついている自由度は拘束され、ついていないものはフリーとなります。
    • Dofs 1、2および3は、x、y、z方向の並進自由度を表します。
    • Dof 4、5、および6は、x、y、z方向の回転自由度を表します。
  10. createをクリックします。
    選択された節点は dof6 がチェックされていないことから、z-軸周りの回転のみ自由となります。
  11. returnをクリックし、メインメニューに戻ります。

平板の1点への単位荷重の生成

  1. Modelブラウザで荷重コレクターunit-loadを右クリックしてMake Currentを選択します。
  2. Analysisページからload typesをクリックします。
  3. constraint =を選択し、拡張エンティティ選択メニューからDAREAを選択します。
  4. returnをクリックし、Load Typesパネルを終了します。
  5. BCs > Create > Constraintsをクリックし、Constraintsメニューを開きます。
  6. プレート上の節点19をクリックして選びます(図 3)。

    os1100_pic2
    図 3. 単位鉛直荷重に選択された節点
  7. dof3を除くすべての自由度のチェックを外し、 dof3の右側の = をクリックし、値20を入力します。
  8. load types=をクリックし、拡張エンティティ選択メニューから DAREAを選択します。
  9. createをクリックし、続いてreturnをクリックします。
    選択された節点の単位荷重が付与されます。

周波数範囲の表の生成

  1. Modelブラウザで右クリックしてCreate > Curveを選択します。
  2. Nameにtabled1と入力します。
  3. Colorをクリックし、カラーパレットから色を選択します。
  4. Card Imageにtabled1カーブをクロックし、、ドロップダウンメニューからTABLED1を選択します。
  5. ModelブラウザTABLED1を右クリックしてEditを選択します。
  6. Curve Editorで、ポップアップウィンドウにx(1) = 0.0、y(1) = 1.0、x(2) = 1000.0、y(2) = 1.0と入力します。
  7. Closeをクリックします。
    これで、周波数域0.0から1000.0まで、この範囲での一定値1.0が設定されました。

周波数依存動的荷重の作成

  1. Modelブラウザ内で右クリックし、Create > Load Collectorを選択します。
  2. Nameに、rload2と入力します。
  3. Colorをクリックし、カラーパレットから色を選択します。
  4. Card Imageに、ドロップダウンリストからRLOAD2を選択します。
  5. EXCITEIDに、Unspecified > Loadcolをクリックします。
  6. Select Loadcolダイアログで、荷重コレクターのリストからunit-loadを選択し、OKをクリックして選択を完了します。
  7. 同様に、荷重コレクターtabled1をTB欄に選択します。
    加振のタイプとしては、荷重(力またはモーメント)、強制変位、速度、または加速度が可能です。RLOAD2カードイメージのType欄で荷重のタイプを定義します。タイプはデフォルトでapplied loadにセットされます。

周波数セットの生成

  1. Modelブラウザ内で右クリックし、Create > Load Collectorを選択します。
  2. Nameにfreq1と入力します。
  3. Colorをクリックし、カラーパレットから色を選択します。
  4. Card Imageに、ドロップダウンメニューからFREQiを選択します。
  5. FREQ1オプションにチェックマークを入れ、NUMBER_OF_FREQ1欄に1と入力します。
  6. table_pencilをクリックし、ポップアップウィンドウに情報を入力します。
    1. F1に、20.0と入力します。
    2. DFに、20.0と入力します。
    3. NDFに、49と入力します。
  7. Closeをクリックします。
    これで周波数0.0から1.0刻みで200の周波数増分を与えたことになり、GUIに下のようにカードが現われます。

荷重ステップの作成

  1. Modelブラウザ内で右クリックし、Create > Load Stepを選択します。
    デフォルトの荷重ステップテンプレートが、Modelブラウザの下のエンティティエディターに表示されます。
  2. Nameに、subcase1と入力します。
  3. Analysis typeに、ドロップダウンメニューからを選択します。
  4. SPCに、Select LoadcolポップアップウィンドウからSPCを選択します。
  5. DLOADに、Select Loadcolポップアップウィンドウからrload2をを選択します。
  6. FREQに、Select Loadcolポップアップウィンドウから<uicontrol props="os1300" >rload2</uicontrol>freq1を<uicontrol props="os1330" >rload1</uicontrol>を選択します。
    拘束条件として荷重コレクターspcを参照し、単位荷重として荷重コレクターrload2を周波数定義の荷重コレクターfreq1と共に参照したOptiStructサブケースが作成されました。

節点セットの生成

  1. Modelブラウザで右クリックしてCreate > Setを選択します。
  2. NameにSETAと入力します。
  3. Card Imageに、を選択します。
  4. Set Typeスイッチはnon-orderedにセットされたままにしておきます。
  5. Entity IDsに、選択スイッチからNodesを選択します。
  6. Nodesをクリックし、IDで節点 15、17、19を選択します。
  7. proceedをクリックします。

出力セットとマスファクターの生成

  1. Setup > Create > Control Cardsをクリックし、Control Cardsパネルを開きます。
  2. GLOBAL_OUTPUT_REQUESTを選択し、DISPLACEMENTの横のボックスにチェックを入れます。
  3. FORM(1)の下で、ポップアップメニューからPHASEを選択します。
  4. OPTION(1)の下で、ポップアップメニューからSIDを選択します。
    黄色い新しい欄が現われます。
  5. SID(1)ボックスをダブルクリックし、SETAを選択します。
    値1がSID入力ボックスの下に現れます。これは、set 1内の節点に限った出力を設定しています。

    rd2000_displacement
    図 4.
  6. returnをクリックし、GLOBAL_OUTPUT_REQUESTSメニューを終了します。
  7. Control CardsパネルからFORMATを選択します。
    作業領域のスクリーンに新しいウィンドウが現われます。
  8. number_of_formats =をクリックし、値2を入力します。
  9. 作業領域の拡張メニューで、1つ目のFORMAT_V1欄をクリックし、ポップアップメニューからOPTIを選択します。
    OPTIの使用で、 .disp.strsなどの OptiStruct ASCII結果ファイルが計算終了時に生成されます。これらのファイルはポスト処理で用いられます。
  10. 2つ目のフィールドボックスがH3Dにセットされていることを確認してください。
  11. returnをクリックしてFormatメニューから抜け、Control Cardsメニューに戻ります。
  12. nextをクリックしてPARAMサブパネルを選択します。
  13. 左隅の矢印を用いてリストをスクロールダウンし、COUPMASSの隣のボックスにチェックを入れます。
    新しいPARAMカードが作業領域のスクリーンに現われます。
  14. COUPM_V1の下のNOをクリックし、ポップアップメニュー選択からYESを選択します。
    YESの選択で整合質量マトリックスアプローチが用いられます。
  15. 左隅の矢印を用いてリストをスクロールダウンし、Gの横のボックスにチェックを入れます。
    新しいPARAMカードが作業領域のスクリーンに現われます。
  16. G_V1の下をクリックし、入力ボックスに値0.06を入力します。
    この値は一様な構造減衰の係数で、臨界減衰[C/C 0]比に2.0を掛けることにより得られます。
  17. 左隅の矢印を用いてリストをスクロールダウンし、WTMASSの横のボックスにチェックを入れます。
    ワークエリアスクリーンに新しいウィンドウが現われます。
  18. WTM_V1の下をクリックし、入力ボックスに値0.00259を入力します。
    作業領域にポップアップメニューが現われ、3つのPARAMステートメントが表示されます。この係数は全ての質量入力が重量単位の場合に入力します。このPARAMで、全ての質量マトリックスの項にこの係数が掛けられます。

    rd2000_param
    図 5.
  19. returnをクリックし、PARAMメニューを終了します。
  20. OUTPUTサブパネルを選択します。
  21. KEYWORDがHGFREQにセットされていることを確認します。
    HGFREQの使用により、周波数がHyperGraph形式で出力されます。
  22. FREQの下のボックスをクリックし、ポップアップからALLを選択して、すべての周波数についてすべての出力リクエストを選びます。
  23. number_of_outputsは1にセットしたままにします。
  24. returnをクリックし、OUTPUTから抜けます。
  25. returnをクリックし、Control Cardsパネルを終了します。

ジョブのサブミット

  1. AnalysisページからOptiStructパネルをクリックします。

    OS_1000_13_17
    図 6. OptiStructパネルへのアクセス
  2. save asをクリックします。
  3. Save Asダイアログで、OptiStructモデルファイルを書き出す場所を指定し、ファイル名としてflat_plate_direct_responseと入力します。
    OptiStruct入力ファイルには、拡張子 .femが推奨されます。
  4. Saveをクリックします。
    入力ファイル欄には、Save Asダイアログで指定されたファイル名と場所が表示されます。
  5. export optionsのトグルをallにセットします。
  6. run optionsのトグルをanalysisにセットします。
  7. memory optionsのトグルはmemory defaultにセットします。
  8. OptiStructをクリックし、OptiStructジョブを開始します。
ジョブが成功した場合、flat_plate_direct_response.femが書き出されたディレクトリに新しい結果ファイルがあるはずです。何らかのエラーがある場合、flat_plate_direct_response.outファイルはデバッグを手助けするエラーメッセージを探すのに良い場所です。
そのディレクトリに書かれるデフォルトのファイルは:
flat_plate_direct_response.html
問題の定式と解析結果のサマリーに関する解析のHTMLレポート。
flat_plate_direct_response.out
ファイルの設定、最適化問題の設定、実行に必要なRAMおよびディスクスペースの推定量、各最適化反復計算の情報、解析時間等、特定の情報を含むOptiStructの出力ファイル。ワーニングおよびエラーに関しては、このファイルを確認すること。
flat_plate_direct_response.h3d
HyperViewバイナリ結果ファイル。
flat_plate_direct_response.res
HyperMeshバイナリ結果ファイル。
flat_plate_direct_response.stat
解析のプロセスの間のそれぞれのステップでのCPU情報を提供する、解析のプロセスの要約。

結果の表示

このステップでは変位結果(.mvw ファイル)をHyperGraphで表示する方法を示し、この実行での変位出力(.dispファイル)についても説明します。

HyperView結果(.h3d)は、節点セット出力で指定された3節点の変位結果のみを含んでいます。
  1. OptiStructパネルから、HyperViewをクリックします。
    HyperViewが起動され、結果が読み込まれます。HyperViewにモデルと結果が正しく読み込まれたことを示すメッセージウィンドウが現われます。
  2. 表示されたら、Closeをクリックし、メッセージウィンドウを閉じます。
  3. HyperViewウィンドウで、File > Open > Sessionをクリックします。
    Open Session Fileウィンドウが表示されます。
  4. ジョブが実行されたディレクトリを選び、ファイルflat_plate_direct_response_freq.mvwを選択します。
  5. Openをクリックします。
    既にある内容を廃棄するかどうかを問うワーニングが表示されます。
  6. Yesをクリックします。
    ページ毎に2つのグラフで、合計3ページが表示されます。ページ 1 のグラフタイトルは サブケース 1 の節点 15 の変位であることを示しています。

    このページには2セットの結果があります。上のグラフは、位相角vs周波数(log)、下のグラフは、grid 15における変位の絶対値vs周波数(log)です(図 7参照)。


    rd2000_results
    図 7. 節点15の周波数応答
  7. Next PageアイコンpageNext-24をクリックします。
    これで、Subcase 1 (subcase1) - Displacement of grid 17を示す、ページ 2が表示されます(図 8)。

    rd2000_results2
    図 8. 節点17の周波数応答
  8. 再度Next PageアイコンpageNext-24を選択し、Subcase 1 (subcase1) - Displacement of grid 19を含むページ 3を表示させます(図 9)。

    rd2000_results3
    図 9. 節点19の周波数応答
    これでHyperGraphでの結果のポスト処理は終わりです。
  9. 変位ファイル(.disp)をテキストエディタを用いて開きます。
    第2行の最初のフィールドは反復番号を示し、第2のフィールドはデータの点数を、第3のフィールドはその反復の周波数を示しています。

    第3行の最初のフィールドは節点番号、次に x、y、z 方向変位の大きさ、x、y、z 方向の回転変位の大きさを示しています。

    第4行の最初のフィールドは節点番号、次に x、y、z 方向変位の位相角、x、y、z 方向回転角を示しています。