OS-T:1900 3つのボディモデルの動解析

本チュートリアルでは、OptiStructを用いて単純な3つの剛体モデルによる動解析を実行します。重力が全体座標系のY軸に沿って作用する1自由度モデルです。

本演習には、PRBODY(剛体定義)、JOINTおよび境界条件をHyperMeshで作成する方法が含まれています。ここでは既存の有限要素モデルを使用します。

rigid_bodies_model
図 1. 剛体モデル

HyperMeshの起動とOptiStructユーザープロファイルの設定

  1. HyperMeshを起動します。
    User Profilesダイアログが現れます。
  2. OptiStructを選択し、OKをクリックします。
    これで、ユーザープロファイルが読み込まれます。ユーザープロファイルには、適切なテンプレート、マクロメニュー、インポートリーダーが含まれており、OptiStructモデルの生成に関連したもののみにHyperMeshの機能を絞っています。

モデルのオープン

  1. File > Open > Modelをクリックします。
  2. optistruct.zipファイルから自身の作業ディレクトリに保存した3bodies_dynamics.hmファイルを開きます。モデルファイルへのアクセスをご参照ください。
  3. Openをクリックします。
    3bodies_dynamics.hmデータベースが現在のHyperMeshセッションに読み込まれます。モデルには、3つのコンポーネント、およびMBDモデルのためのボディとジョイントの作成に用いられるいくつかの自由節点が含まれます。

モデルのセットアップ

PRBODYの作成

PRBODYは、マルチボディシミュレーションのための剛体定義です。PRBODYは剛体を、有限要素のプロパティ、要素、節点のリストとは別に定義します。
  1. Analysisページからパネルbodiesをクリックします。
  2. createサブパネルを選択します。
  3. body1コンポーネントについて、PRBODYを定義します。
    1. body=欄にblueと入力します。
    2. type=をクリックしPRBODYを選択します。
    3. プロパティセレクターを使って、body1を選択します。
    4. createをクリックします。
  4. body2コンポーネントについて、PRBODYを定義します。
    1. body=欄にlimeと入力します。
    2. type=をクリックしPRBODYを選択します。
    3. プロパティセレクターを使って、body2を選択します。
    4. createをクリックします。
  5. body3コンポーネントについて、PRBODYを定義します。
    1. body=欄にorangeと入力します。
    2. type=をクリックしPRBODYを選択します。
    3. プロパティセレクターを使って、body3を選択します。
    4. createをクリックします。
  6. returnをクリックします。

ジョイントの作成

本チュートリアルの問題では、残りの自由度が1つになるように、2つの回転ジョイント、1つの球ジョイントおよび1つのユニバーサルジョイントで自由度を除去します。

DOF = 3*6 - (5+5+4+3) = 1
ジョイントのタイプ 並進自由度の除去 回転自由度の除去 自由度の除去総数
回転(Revolute) 3 2 5
ユニバーサル 3 1 4
球状(Spherical) 3 0 3

6000_joints_in_model
図 2. モデル中のジョイント
  1. コンポーネントjointsを作成します。
    1. Modelブラウザで右クリックしコンテキストメニューからCreate > Componentを選択します。
      デフォルトのコンポーネントテンプレートがエンティティエディターに表示されます。
    2. Nameにjointsと入力します。
  2. メニューバーMesh > Create > 1D Elements > Jointsをクリックします。
    Jointsパネルが開きます。
  3. body3の下部右側に回転ジョイントを作成します。
    1. joint typeをrevoluteに設定します。
    2. first terminalとしてnode ID 12319を、second terminalとしてnode ID 13158を選択します。
      ヒント: 節点12319と13158は一致しています。optionsパネル> graphicsサブパネルで重複節点をピックすることで、それら重複節点をモデリングウィンドウで選択します。
    3. first orientationの節点として、node ID 12910を選択します。
    4. createをクリックします。
      12319から12910のベクトルが回転ジョイントの回転軸として定義されます。

      j_body3
      図 3.
  4. body1の下部左側に回転ジョイントを作成します。
    1. first terminalとしてnode ID 11115を、second terminalとしてnode ID 13159を選択します。
    2. first orientationの節点として、node ID 11706を選択します。
    3. createをクリックします。
    11115から11706のベクトルが回転ジョイントの回転軸として定義されます。

    j_body1
    図 4.
  5. body3とbody2間にユニバーサルジョイントを作成します。
    1. joint typeをuniversalに設定します。
    2. body3に属するfirst terminalとしてnode ID 12330を、body2に属するsecond terminalとしてnode ID 7589を選択します。
    3. first orientationの節点としてnode ID 12921を、second orientationの節点としてnode ID 11944を選択します。
    4. createをクリックします。
    12330から12921のベクトルが1つ目の交差軸として定義され、7589から11944のベクトルが2つ目の交差軸として定義されます。

    univ_joint
    図 5.
  6. body1とbody2間に球ジョイントを作成します。
    1. joint typeをballに設定します。
    2. body1に属するfirst terminalとしてnode ID 11104を、body2に属するsecond terminalとしてnode ID 7578を選択します。
    3. createをクリックします。

    ball_joint
    図 6. body1と body2の間のボールジョイント

荷重と境界条件の適用

モデルに与える重力荷重とマルチボディシミュレーション用パラメーターを指定するためのMBSIMバルクデータカードを以降のステップで作成します。

荷重コレクターの作成

モデルに与える重力荷重とマルチボディシミュレーション用パラメータを指定するためのMBSIMバルクデータカードをこの演習で作成します。

  1. Modelブラウザで右クリックしコンテキストメニューからCreate > Load Collectorを選択します。
    デフォルトの荷重コレクターがエンティティエディターに表示されます。
  2. Nameにgravityと入力します。
  3. Colorをクリックし、カラーパレットから色を選択します。
  4. Card ImageをGRAVに設定します。
  5. 以下に示す値を入力します。


    図 7.
  6. もう1つの荷重コレクターを作成します。
    1. NameにSIMと入力します。
    2. Card Imageに、MBSIMを選択します。
    3. 以下に示す値を入力します。


      図 8.

荷重ステップの作成

  1. Modelブラウザで右クリックしコンテキストメニューからCreate > Load Stepを選択します。
    デフォルトの荷重ステップがエンティティエディターに表示されます。
  2. NameにDynamicと入力します。
  3. 解析のタイプをMulti-body dynamicsに設定します。
  4. MLOADを定義します。
    1. MLOADに、Unspecified > Loadcolをクリックします。
    2. Select Loadcolダイアログでgravityを選択し、OKをクリックします。
  5. MBSIMを定義します。
    1. MBSIMに、Unspecified > Loadcolをクリックします。
    2. Select LoadcolダイアログでSIMを選択し、OKをクリックします。

ジョブのサブミット

  1. AnalysisページからOptiStructパネルをクリックします。

    OS_1000_13_17
    図 9. OptiStructパネルへのアクセス
  2. save asをクリックします。
  3. Save Asダイアログで、OptiStructモデルファイルを書き出す場所を指定し、ファイル名として3bodies_dynamics_completeと入力します。
    OptiStruct入力ファイルには、拡張子 .femが推奨されます。
  4. Saveをクリックします。
    入力ファイル欄には、Save Asダイアログで指定されたファイル名と場所が表示されます。
  5. export optionsのトグルをallにセットします。
  6. run optionsのトグルをanalysisにセットします。
  7. memory optionsのトグルはmemory defaultにセットします。
  8. OptiStructをクリックし、OptiStructジョブを開始します。
ジョブが成功した場合、3bodies_dynamics_complete.femが書き出されたディレクトリに新しい結果ファイルがあるはずです。何らかのエラーがある場合、3bodies_dynamics_complete.outファイルはデバッグを手助けするエラーメッセージを探すのに良い場所です。

結果の表示

このステップでは、HyperMeshOptiStructパネルで起動するHyperView内で結果を可視化します。

HyperViewは有限要素解析(FEA)、マルチボディシステムシミュレーション、ビデオと工学データのための完全なポストプロセッシングと表示の環境です。

  1. AnalysisページのOptiStructパネルにいる間に、HyperViewをクリックします。
    1. オプション: ワーニングメッセージと共にウィンドウが現れた場合は、OKをクリックします。

    Load modelとLoad resultsの右側入力欄に3bodies_dynamics_complete.h3dファイルの名称と位置が表示されるようになりました。これは、.h3dフォーマットにはモデルと結果データの両方が含まれているためです。

    モデルと結果は現在のHyperViewウィンドウに読み込まれます。

  2. resultsContour-16をクリックし、Contour panelを開きます。
  3. Results typeの下で、Displacement(v)を選択します。
  4. Applyをクリックします。
  5. playback controlsの横のパネル内にあるAnimation Controlsを使ってアニメーションを開始 / 停止します。

    animation_toolbar
    図 10.
    1. Animate ModeがanimationTransient-24(Transient)にセットされていることを確認します。
    2. Start/Pause Animationアイコンをクリックし、アニメーションを開始します。
    3. アニメーションの再生中に、一番下のスライダを使って、アニメーションのスピードをコントロールします。
    4. Start/Pause Animationアイコンを再度クリックし、アニメーションを停止します。

rd4000_contourplot
図 11.