OS-E:5010 アンテナの高周波電磁・熱解析

放射と熱伝達についてのアンテナモデルの解析を介したFekoOptiStructの連成を実証します。



図 1. ピン給電パッチアンテナとFEモデルの形状
表 1. Feko-OptiStruct解析のソリューションシーケンス
手順 出力
EDITFEKOを開き、.nasファイルのEG (End of Geometry Input)をクリックしてソルバーを実行します。 ソルバーは、.eplファイルと.nasファイルを書き出します。
update.pyファイルを、ユーザーのマシン内のComposeインストールディレクトリ(たとえば、C:\Program Files\Altair\20xx\Compose20xx.y)に追加します。
Compose内の.omlファイルを実行し、Fekoによって生成されたファイル群を次のように入力します:
  • Nastran入力ファイル: Antenna.nas
  • Heat powerファイル: Antenna.epl
  • Mapファイル: Antenna.map
  • Nastran 出力ファイル: 出力ファイル用のユーザー定義名を指定します(この例では、出力ファイルの名称としてAntenna2.nasが指定されます)。
Composeは新規の.nasファイルとheat-loss_2P93000000E009.femファイルを書き出します。
OptiStructを開き、生成された上記のAntenna2.nasファイルを入力してHeat Transfer Analysis(熱伝導解析)を実行します。 計算結果はアンテナからの放射による熱損失。

モデルファイル

必要なモデルファイルのダウンロードについては、モデルファイルへのアクセスを参照してください。

この例で使用されているモデルファイルには以下のものが含まれます:

Fekoファイル群
Antenna.eplおよびAntenna.nas
Composeファイル
map.oml
マップファイル
Antenna.map
Pythonスクリプト
update.py
OptiStructファイル群
Antenna2.nasおよびheat-loss_2P93000000E009.fem(これらのファイルはComposemap.omlファイルを実行することによって生成できます)

モデル概要

目的は、Fekoでアンテナの電磁放射パターンを計算し、OptiStructで電磁気による発熱を解析することです。Altair Composeスクリプトを利用してFeko結果を変調し、OptiStructに入力します。

使用されているデバイス(図 1)は、メタルパッチ、メタルグラウンドに接続された誘電体材料から成り、空気で囲まれているピン給電パッチアンテナです。パッチは、グラウンドとパッチとの間の有限要素ラインポートにより給電されています。

入力周波数は2.93GHz、ソース電力は30Wで、30Wのうち、ソースへの反射(ミスマッチロス)が3.2W、放射が21.5W、金属面での損失が1.7W、基板での損失が3.6Wとなっています。最後の2つの電磁的損失は熱に変換されます。この熱損失については、OptiStructで解析します。

アンテナの電磁プロパティ(参照のためのFekoモデル詳細)
基板
相対誘電率
2.2
損失の正接
0.01
寸法
7 x 10 x 0.287 cm3
メタルパッチ
相対誘電率
2.2
電気伝導率
1E+06 S/m
寸法
3.118 x 10 x 4.665 cm2
板厚
35E-06 m
グラウンド
電気伝導率
1E+06 S/m
板厚
35E-06 m
有限要素モデル(熱解析のためのOptiStructモデル詳細)
要素タイプ
CTETRA4
材料: 銅(MAT4)
熱伝導率
401.0 (W/m)-K
比熱容量
385 (J/kg)-K
密度
8960 kg/m3
自然対流熱伝達係数
25.0 W/m2
材料:誘電体(MAT4)
熱伝導率
0.3 (W/m)-K
指定熱容量
300 (J/kg)-K
密度
1000 kg/m3
自然対流熱伝達係数
20.0 W/m2

結果



図 2. アンテナの遠距離場放射パターン


図 3. 金属の表面電流


図 4. 最終温度分布