並列化に関する一般的な推奨事項

OptiStructのジョブの高速化を実現するための推奨事項。

注: 特定のモデルのパフォーマンスは、モデルのタイプ / サイズ、プロセッサの数、プロセッサのタイプ、ディスク、メモリ、I/O帯域幅、ローカル / マウントされたドライブ、システム負荷などのさまざまな要因によって変化します。
OptiStructモデル / ソリューション 並列化に関する推奨事項 コメント
線形静解析 ハイブリッド(SMP + DDM)
  • 使用可能なメモリで可能な限りのDDMプロセス(-np)を使用し、残りのコアはSMP(-nt)として分散させることができます。
  • BCが異なる複数のサブケースが存在する場合は、マルチレベルDDMが自動的にオンになる可能性があります。異なるBCは並列化されます。
  • PCGソルバーを使用すると、DDMを実行できない場合にパフォーマンスを向上させることができます。詳細については、SOLVTYPソルバーをご参照ください。
非線形静解析 ハイブリッド(SMP + DDM)
  • 使用可能なメモリで可能な限りのDDMプロセス(-np)を使用し、残りのコアはSMP(-nt)として分散させることができます。
  • 複数の非線形サブケースの場合、複数の非線形サブケースを並列で解析すれば順番に解析するよりも速度が向上すると確信できれば、PARAM,DDMNGRPS,#によりマルチレベルDDMを手動でオンにすることができます(特定の例外については、領域分割法をご参照ください)。
非線形過渡解析 ハイブリッド(SMP + DDM)
  • 使用可能なメモリで可能な限りのDDMプロセス(-np)を使用し、残りのコアはSMP(-nt)として分散させることができます。
  • マルチレベルDDMはサポートされません。そのため、サブケースベースの並列化はサポートされません。
Lanczosを使用したノーマルモード解析(固有値解析) ハイブリッド(DDM + SMP)
  • Lanczosでは、DDMを介した幾何分割がサポートされます。#cores-npにより、DDMを使用可能なメモリによって決まる上限まで使用できます。残りのコアは、SMP(-nt)を介して分散できます。
AMSESを使用したノーマルモード解析(固有値解析) 単一モード空間 - SMP

複数モード空間 - ハイブリッド(DDM + SMP)

  • AMSESでは、DDMを介した幾何分割がサポートされません。
  • 単一モード空間しか存在しない場合は、-ntによりSMPを使用できます。
  • 複数モード空間が存在する場合は、AMSESでBCベースの並列化がサポートされ、ハイブリッドSMP+DDMを使用できます。-npはモード空間の数と同じに設定でき、残りのコアはSMP(-nt)を介して分散できます。
AMLSを使用したノーマルモード解析(固有値解析) SMP
  • AMLSでは、DDMを介した幾何分割がサポートされません。同様に、BCベースの並列化もサポートされません。そのため、SMPのみが推奨されています。
モーダル法による線形周波数応答解析

ここでは、FRF解析部分についてのみ説明します。固有値抽出については、上記をご参照ください。

ハイブリッド(DDM + SMP)
  • モーダル法による周波数応答の並列化は、2つの主要部分に依存します:
    • 固有値抽出
    • FRF解析
  • パフォーマンスは、実行時間に関してどの解析が優位かによって異なります。#modesが高く、#loading周波数が低い場合は、固有値抽出が優位です。そうでない場合は、FRF解析が優位です。
  • 固有値抽出については既に説明しました。
  • 標準的な因数分解を使用したモーダルFRF解析では、BCが順次解析され、加振周波数がDDMにより並列化されます。このようなDDMによる周波数分割は、解析を高速化させる可能性があります。
  • FASTFRを使用したモーダルFRF解析では、固有値抽出DDMのパフォーマンスを高めることでうまく補正しない限り、DDMはあまり役に立ちません。
モーダル法による線形過渡応答解析

ここでは、過渡エネルギー方程式の解析部分についてのみ説明します。固有値抽出については、上記をご参照ください。

ハイブリッド(DDM + SMP)
  • モーダル法による過渡応答の並列化は、2つの主要部分に依存します:
    • 固有値抽出
    • 過渡応答解析
  • パフォーマンスは、実行時間に関してどの解析が優位かによって異なります。#modesが高く、過渡応答解析が迅速な場合は、固有値抽出が優位です。そうでない場合は、過渡解析が優位です。
  • 固有値抽出については既に説明しました。
  • モーダル法による過渡応答解析では、BCがマルチレベルDDMにより並列化されます。ただし、各MPIグループ内の過渡解析では、DDMのレベル2の幾何分割がサポートされません。そのため、このような場合は、各グループ内の特定のMPIプロセスがアイドル状態のままになる可能性があります。
直接法による線形過渡解析 ハイブリッド(SMP + DDM)
  • 小型のモデルでは、直接法による線形過渡でBCが並列化されないため、SMPの方がDDMより優れたパフォーマンスを示す可能性があります。
  • 大型のモデルでは、幾何分割がサポートされるため、DDMの方が速くなる可能性があります。
  • Newmark-Beta時間積分法は、特定のケースでパフォーマンスを向上させる可能性があります。
直接法による線形周波数応答解析 ハイブリッド(SMP + DDM)
  • 小型のモデルでは、直接法による線形周波数応答でBCが並列化されないため、SMPの方がDDMより優れたパフォーマンスを示す可能性があります。
  • 大型のモデルでは、DDMの方が速くなる可能性があります。これは、周波数分割がサポートされ、複数のMPIプロセスグループ間で分散されるうえ、各グループ内で、MUMPSを使用して幾何分割が実行されるためです。