OS-T:1085 線形定常熱伝導解析の結果

本チュートリアルでは、スチールパイプの熱伝導解析を実行します。

パイプの内面の温度は60℃です。パイプの外表面は外気にさらされ、その温度は20℃です。パイプ内部の温度分布は、線形定常熱伝導と熱伝達の解法で解いて求めることができます。

rd1085_cylinder
図 1. モデルのレビュー

HyperMeshの起動とOptiStructユーザープロファイルの設定

  1. HyperMeshを起動します。
    User Profilesダイアログが現れます。
  2. OptiStructを選択し、OKをクリックします。
    これで、ユーザープロファイルが読み込まれます。ユーザープロファイルには、適切なテンプレート、マクロメニュー、インポートリーダーが含まれており、OptiStructモデルの生成に関連したもののみにHyperMeshの機能を絞っています。

モデルの読み込み

  1. File > Import > Solver Deckをクリックします。
    Importタブがタブメニューに追加されます。
  2. File typeにOptiStructを選択します。
  3. Filesアイコンfiles_panelを選択します。
    Select OptiStruct Fileブラウザが開きます。
  4. 自身の作業ディレクトリに保存したthermal.femファイルを選択します。モデルファイルへのアクセスをご参照ください。
  5. Openをクリックします。
  6. Import、続いてCloseをクリックし、Importタブを閉じます。

モデルのセットアップ

熱材料特性とプロパティの作成

コンポーネントコレクターの生成前に材料およびプロパティコレクターを生成します。
  1. Modelブラウザ内で右クリックし、Create > Materialを選択します。
    デフォルトのMAT1材料がエンティティエディターに表示されます。
  2. Nameにsteelと入力します。
  3. MAT4の前のボックスにチェックマークを入れます。
    エンティティエディターMAT1の下にMAT4カードイメージが現れます。MAT1カードは等方性構造材料を定義します。MAT4カードは一定値の温度材料に用いられます。MAT4にはMAT1と同じ材料IDを用います。
  4. エンティティエディターで、材料steelに以下の値を入力します。
    [E] ヤング率
    2.1 x 1011 Pa
    [NU] ポアソン比
    0.3
    [RHO] 材料密度
    7.9 x 103 Kg/m3
    [A] 熱膨張係数
    1.0 x 10-5 / °C
    [K] 熱伝導率
    73W / m °C
    [H] 熱伝達係数
    40W / m2 °C

    os_1080_steel
    図 2. 材料のEntity Editor

    温度と構造両方の特性を持つ新しい材料steelが生成されました。

  5. Modelブラウザ内で右クリックし、Create > Propertyを選択します。
    デフォルトのPSHELLプロパティがエンティティエディターに表示されます。
  6. NameにSolidsと入力します。
  7. Card ImageにPSOLIDを選択し、確認のYesをクリックします。
  8. Materialに、Unspecified > Materialをクリックします。
  9. Select Materialダイアログでsteelを選択し、OKをクリックします。
    ソリッドのスチールパイプのプロパティが3D PSOLIDとして生成されました、材料情報はこのプロパティに関連付けられています。

荷重と境界条件の付与

この演習では温度境涯条件がモデルに付与され、事前定義されたコレクターspc_tempに保存されます。事前定義された節点4679は雰囲気温度に用いられます。事前定義された節点セットnode_tempは、パイプの内面の節点から成っています。

パイプの内面の温度の生成

  1. Analysisページからconstraintsをクリックします。
  2. createサブパネルに入ります。
  3. 現在の選択欄がnodesにセットされていることを確認します。
  4. nodes > by setsをクリックします。
  5. node_tempを選択し、selectをクリックします。
  6. dof1dof2dof3dof4dof5dof6の前のボックスのチェックを外し、入力欄が 0.0 になっていることを確認します。
  7. load types =をSPCに設定します。
  8. createをクリックします。
    これで内側の節点に温度0.0が付与されています。次のステップでは温度の値を60に更新します。
  9. Card editアイコンentityCards-24をクリックします。
  10. loads > by collectorをクリックします。
  11. spc_tempの前のボックスにチェック入れ、selectをクリックします。
  12. config=をクリックしconstを選択します。
  13. type=をクリックしSPCを選択します。
  14. editをクリックします。
  15. Dの欄に60.0と入力します。
  16. returnを3回クリックし、Analysisページに戻ります。

環境温度の生成

spc_tempが現在のコンポーネントコレクターとなっていることを確認します。
  1. AnalysisページからConstraintsパネルを選択します。
  2. createサブパネルに入ります。
  3. nodes > by idをクリックします。
  4. 事前定義された節点のID4679を入力します。
    節点4679がハイライトされるはずです。
  5. dof1dof2dof3dof4dof5dof6の前のボックスのチェックを外し、入力欄が0.0になっていることを確認します。
  6. createをクリックします。
  7. Card editアイコンentityCards-24をクリックします。
  8. loadsエントリを選択します。
  9. スクリーン上で、作られたばかりの環境spcを選択します。
  10. config=をクリックしconstを選択します。
  11. type=をクリックしSPCを選択します。
  12. editをクリックします。
  13. Dの欄に20.0と入力します。
    以下のように温度境界条件が生成されます。

    rd1085_thermal_bc
    図 3. 温度境界条件
  14. returnを3回クリックし、Analysisページに戻ります。

CHBDYEサーフェス要素の生成

個体のパイプと周囲の空気の間の熱交換をシミュレートするため、サーフェス要素が生成されます。パイプの外表面のソリッドから成る事前定義された要素セットelem_convecが、サーフェス要素の定義に用いられます。
  1. BCs > Create > Interfacesをクリックします。
  2. Nameにconvectionと入力します。
  3. Card Imageに、ドロップダウンメニューからCONVECTIONを選択します。
  4. Colorをクリックし、カラーパレットから色を選択します。
  5. MIDをクリックしてアクティブにします。
  6. Materialに、Unspecified > Materialをクリックします。
  7. Select Materialダイアログでsteelを選択し、OKをクリックします。
    要素グループconvectionと自由伝達プロパティPCONVが生成されます。
  8. Secondary Entity IDsに、Elementsを選択します。
    パネルがモデリングウィンドウの下に現れます。
  9. elemsの横のスイッチボタンをクリックし、リストからfacesを選択します。
  10. ハイライト表示されているsolid elemsをクリックし、選択メニューからby setsを選択します。
  11. 要素セットelem_convecを選択し、selectをクリックします。
  12. face nodes欄内のnodesをクリックします。
  13. 以下の様にソリッド要素表面の4節点を選択します。

    rd1085_4nodes
    図 4. Figure 4: パイプの外側のソリッド要素で選択された表面の節点
  14. break angle=欄に89.0と入力します。
  15. addをクリックします。
    これで以下に示すように ソリッド要素の外表面の同じ側に CHBDYE サーフェス要素が加えられます。

    rd1085_4nodes
    図 5. パイプの外層のサーフェス要素
  16. returnをクリックし、Create groupウィンドウに戻ります。

サーフェス要素への伝達境界条件の定義

  1. Card EditアイコンentityCards-24をクリックします。
  2. elemsを選択します。
  3. elems >> by groupをクリックします。
  4. CONVECTIONの前のボックスにチェック入れ、selectをクリックします。
  5. config=をクリックしsecond4を選択します。
  6. type=をクリックしCHBDYE4を選択します。
  7. editをクリックし、CHBDYEカードイメージのパネルに入ります。
  8. CONVの前のボックスにチェックを入れます。
  9. TA1をクリックし、環境温度節点ID4679を下の図のように入力します。

    rd1085_4679
    図 6. 伝達境界条件の定義
  10. returnを3回クリックし、Analysisページに戻ります。

熱伝導荷重ステップの生成

OptiStruct定常熱伝導荷重ステップが、荷重コレクターspc_tempの温度境界条件を参照して生成されます。熱伝導解析の勾配、流束、温度出力要求もloadstepsパネルで行われます。
  1. Modelブラウザ内で右クリックし、Create > Load Stepを選択します。
  2. デフォルトの荷重ステップがエンティティエディターに表示されます。
  3. Nameにheat_transferと入力します。
  4. Analysis type欄をクリックし、ドロップダウンメニューからHeat transfer (steady-state)を選択します。
  5. SPCにUnspecified > Loadcolをクリックします。
  6. Select Loadcolダイアログでを選択し、OKをクリックします。
  7. Outputの横のボックスにチェックを入れます。
  8. サブリストのFLUXTHERMALオプションをアクティブにします。
  9. 両方の出力について、FORMAT欄をアクティブにし、H3Dを選択します。
  10. 両方の出力について、OPTION欄をアクティブにし、ALLを選択します。
    THERMAL出力について、FORMATおよびOUTPUT欄が、新規ウィンドウを開きます。ウィンドウ内の1つ目の欄をクリックし、対応する値を選択します。

    FLUXとTHERMAL出力は AnalysisページのControl cardsパネルでも要求できます。

ジョブのサブミット

  1. AnalysisページからOptiStructパネルをクリックします。

    OS_1000_13_17
    図 7. OptiStructパネルへのアクセス
  2. save asをクリックします。
  3. Save Asダイアログで、OptiStructモデルファイルを書き出す場所を指定し、ファイル名としてthermal_completeと入力します。
    OptiStruct入力ファイルには、拡張子 .femが推奨されます。
  4. Saveをクリックします。
    入力ファイル欄には、Save Asダイアログで指定されたファイル名と場所が表示されます。
  5. export optionsのトグルをallにセットします。
  6. run optionsのトグルをanalysisにセットします。
  7. memory optionsのトグルはmemory defaultにセットします。
  8. OptiStructをクリックし、OptiStructジョブを開始します。
ジョブが成功した場合、thermal_complete.femが書き出されたディレクトリに新しい結果ファイルがあるはずです。何らかのエラーがある場合、thermal_complete.outファイルはデバッグを手助けするエラーメッセージを探すのに良い場所です。

結果の表示

定常熱伝導解析では温度勾配と流束コンターが、構造解析では応力と変位がOptiStruct出力から計算できます。結果のポスト処理には、HyperViewが使用されます。

  1. OptiStructパネルから、HyperViewをクリックします。
    HyperViewが起動され、結果が読み込まれます。HyperViewにモデルと結果が正しく読み込まれたことを示すメッセージウィンドウが現われます。
  2. 表示されたら、Closeをクリックし、メッセージウィンドウを閉じます。
  3. ResultsツールバーでresultsContour-16をクリックし、Contour panelを開きます。
  4. Result typeの下の1つ目のプルダウンメニューで、Grid Temperatures(s)を選択します。
  5. Applyをクリックします。
    図 8のようなコンターを得るためには、Contour panelのEdit Legendを用いる必要があるかもしれません。
    節点温度のコンタープロットが生成されます。
  6. Result typeの下の1つ目のプルダウンメニューで、Element Fluxes (V)を選択します。
  7. Applyをクリックします。
    コンターを得るには、Contour panelのEdit Legendを用いる必要があるかもしれません。温度と流束のコンタープロットが、図 8に示されます。

    rd1085_results
    図 8. 熱伝導解析の結果