OS-E:0705 周期的境界条件

PERBCを介した周期的境界条件は、構造の片側から反対側に結果を適合させるために使用することができます。これにより、オリジナルモデル内に十分な対称性がある場合、切断モデルを使って実行時間を短くすることが可能となります。

RELOCエントリは、切断された構造の両側で一致させる必要のある節点をマッピングするために使用されます。



図 1. オリジナルのフルリング(対称性)と切断モデル(1/4リング)

モデルファイル

必要なモデルファイルのダウンロードについては、モデルファイルへのアクセスを参照してください。

この例で使用されているモデルファイルには以下のものが含まれます:

  • ring_new_complete.fem
  • ring_truncated_perbc.fem

モデル概要

フルモデルであるModel 1は環状リング、切断モデルであるModel 2は1/4リングです。作動する荷重には、内側の円の各節点から外向きに付与される対称荷重を伴う単一の線形静的サブケースが含まれます。この荷重は同様に調整され、切断モデル上に付与されます。
FE Model
2次元要素
CQUAD4
線形材料プロパティは:
MAT1
ヤング率
2.1E5
ポアソン比
0.3

PERBCエントリは、1つのサイドからもう1つのサイドまで結果を一致させるために使用されます。RELOCは、切断された構造の両側で一致させる必要のある節点をマッピングするためだけに使用されます。

RELOC(ROTATE)が指定されている場合、切断された構造の両側にある一致するすべての節点には、RELOC回転に使用される軸と一致するZ軸が割り当てられている、円筒座標系が必要となります。円筒座標系の原点は、リングの中心と一致していなければなりません。

この例では、切断リングの一方の端に節点セットが生成されています。この節点セットは、PERBCエントリのGSIDフィールドで参照されます。対応するトレランスはモデルの品質に応じてTOLフィールドを介して指定されます。RELOCエントリは純粋に、節点を1つの場所から別の場所へマッピングするために定義されます。

TYPEフィールドはROTATEに設定されます。これは、私たちが位置に基づいてマッピングしているためです。RELOCエントリのGID1は、リングの中央(局所円筒座標系の中心でもある)を参照します。

RELOCエントリのang_xおよびang_yフィールドは0.0に、ang_zは90.0に設定されます。

このやり方で、RELOCは切断されたリングの1端にある節点をもう1端に回転させます(指定のトレランス内で)。
ヒント: メッシュが十分対称であることを確実にしてください(この確認は、フルモデルと等しい結果を生成するためにも必要です)。

RELOCエントリは、PERBCエントリをRLIDフィールドで参照されなければなりません。

メッシュが対称で回転角度が正しく指定されていれば、RELOCは切断リングのもう1端における節点群を精確に見つけ出します。

切断リングの角に位置する節点上のフルモデル荷重は均等に減じられます(シェルについては半分に)。これは、当初複数の要素に付与された力が1つにかけられるためです。

結果

図 2内の結果から、フルモデルと1/4リングとの間で変位コンターと結果の一致が見られます。


図 2. フルモデルと切断モデルの結果は同等