OS-E:3030 捩りを受けるプレート

この例題は、トポグラフィー最適化の実力を示すものです。

モデルファイル

必要なモデルファイルのダウンロードについては、モデルファイルへのアクセスを参照してください。

この例で使用されているモデルファイルには以下のものが含まれます:

twistplate.fem

モデル概要

この例題では:
  • 構造の特定のパートがねじれの荷重をうける(図 1
  • パートはスタンピング工程で成形される
  • プレートの形状のみが変更され、板厚は変更できない

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図 1. 荷重と制約条件
トポグラフィー最適化は設計領域を、それぞれ形状変数を要するより小さな領域に分割します。OptiStructはこのプロセスを、ユーザーによって定義されたパラメータを使って実行します。設計領域は、プレート全体から、荷重と制約に近い領域を差し引いた部分です。より小さな領域はそれぞれ、上方に移動が可能です。これらの小さな領域の内側部分は、図 2で完全に歪んでいます。

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図 2. プレートについての形状変数の内側部分

考え得る補強パターンは、ゼロからユーザー定義の最大高までの間の任意の高さにおいて歪んだこれらの変数の組み合わせです。OptiStructは、174の離散形状変数を操作し、任意の形状の補強パターンを作成します。パターンとしては、X型、楕円、一連の真っ直ぐなビード群、あるいは何百万もの可能な設計が考えられます。さまざまなパラメータを設定することにより、OptiStructが作成する任意の設計が製造可能であることをユーザーは確実にすることができます。

OptiStructが設計変数を生成し終えると、プレートの最適化が開始されます。この例における目的は単純で、与えられたねじれ荷重下のプレートの剛性を最大にします。OptiStructは、プレートの剛性を評価するために、一連の解析ランを実行し、どの変数値の変更がプレートの剛性を高めるかを判断し、それらの変更をモデルに適用します。数多くの反復計算の後、剛性がそれ以上高まることのできないポイントにおいて、OptiStructは最大設計に達します。図 3に示すソリューションでは、ビード補強パターンの高さが色分けして示されています。このソリューションをベースとした有限要素モデルを図 4に示します。ソリューションが対称性を示すのは、OptiStructの設計対称面機能の使用によるものです。

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図 3. 捩りを受けるプレートのOptiStructによるビード補強パターン

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図 4. OptiStructの結果から構築した有限要素モデル

プレートの表面は、ねじれに対し良く機能するX-字型のクロスビードで覆われています。効果を減らしてしまう、プレートを直線で完全に横切るビードは存在しません。このプレートの有限要素解析は、良好に分配された応力パターン、および荷重ポイントにおいて変形が少ないことを示しています。

従来の方法としては、プレートの表面を横切る隆起したビードの形で補強パターンを設計し、プレートの剛性をテストし、そのうえで、設計要件に見合うようになるまで、プレートの剛性を増加させていきます。コストと重量については、プレートの効率は、補強パターンがどれほど有効であるかに大きく依存します。図 5に、ねじれモデルにおけるプレートの一般的なビード補強パターンの2つの例を示します。これらのパターンは、市販の製品によく見られるものです。

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図 5. 捩りを受けるプレートの一般的なビード補強パターン

結果

トポグラフィー最適化によってOptiStructで生成されたプレートは、図 5に示された2つの従来のプレートよりはるかに剛性が高くなっています。トポグラフィープレートの変形のピークは0.83mmです。従来のプレートでは、変形のピークは左側プレートで1.27mm、右側が6.47mmです。OptiStructで開発されたプレートは、良いほうの従来の設計より35%、良くないほうの設計と比べると格段に剛性が高くなっています。X-型の補強パターンを使って従来の手法に従っている良くないほうの設計は、荷重がかかるとねじれてしまう可能性のある、直線状にプレートを完全に横切るビードを使用しています。最適化プロセスの間に、このような設計ミスがOptiStructによって発見、修正され、より優れた設計の実現が可能となります。