OS-T:3030 ランダム応答最適化

本チュートリアルでは、ランダム応答解析を含むトポグラフィー最適化を平板に対して行います。

ランダム応答解析は予め設定されています。平板はRBE2要素を介して拘束されています。RBE2要素の独立節点に、周波数の変化する2つの加速度が加振として適用されています。これらは、クロススペクトル密度で相関が取られます。最適化の目的は、平板中央でのX方向における最大パワースペクトル密度(PSD)加速度の最小化(minmax)です。

3030_model
図 1. モデルのレビュー

HyperMeshの起動とOptiStructユーザープロファイルの設定

  1. HyperMeshを起動します。
    User Profilesダイアログが現れます。
  2. OptiStructを選択し、OKをクリックします。
    これで、ユーザープロファイルが読み込まれます。ユーザープロファイルには、適切なテンプレート、マクロメニュー、インポートリーダーが含まれており、OptiStructモデルの生成に関連したもののみにHyperMeshの機能を絞っています。

モデルの読み込み

  1. File > Import > Solver Deckをクリックします。
    Importタブがタブメニューに追加されます。
  2. File typeにOptiStructを選択します。
  3. Filesアイコンfiles_panelを選択します。
    Select OptiStruct Fileブラウザが開きます。
  4. 自身の作業ディレクトリに保存したpanel.femファイルを選択します。モデルファイルへのアクセスをご参照ください。
  5. Openをクリックします。
  6. Import、続いてCloseをクリックし、Importタブを閉じます。

最適化のセットアップ

トポグラフィー設計変数の定義

トポグラフィー最適化のために、設計空間とビードを定義しなくてはなりません。

設計空間はプロパティPSHELL_5のシェル要素から成っています。ビードの定義では、最小ビード幅0.4、ビード高1、ドロー角度60度が使用されます。対称性のビードデザインの生成に、2-plane対称性パターングルーピング制約条件が定義されます。

  1. Analysisページからパネルoptimizationをクリックします。
  2. topographyパネルをクリックします。
  3. トポグラフィー設計変数定義を作成します。
    1. createサブパネルを選択します。
    2. desvar=欄にplateと入力します。
    3. プロパティセレクターを使って、PSHELL_5を選択します。
    4. createをクリックします。
    これで、トポグラフィー設計空間の定義plateが作成されました。PSHELL_5コンポーネントコレクターに属す要素はすべて、設計空間内に含まれるようになりました。
  4. 設計空間plateについてビード定義を作成します。
    1. bead paramsサブパネルを選択します。
    2. desvar =欄が、新たに作成された設計空間の名称であるplateに設定されていることを確認します。
    3. minimum width=欄に0.4と入力します。
      このパラメータは、モデル内のビードの幅を制御します。推奨される値は、平均要素幅の1.5から2.5倍の間です。
    4. draw angle欄に、60.0(これがデフォルト)と入力します。
      このパラメータは、ビードの側壁の角度を制御します。推奨される値は60°と75°の間です。
    5. draw height=に1.0と入力します。
      このパラメータは、絞られるビードの最大高さを設定します。
    6. buffer zoneを選択します。
      このパラメータは、設計領域内の要素と設計領域外の要素の間にバッファゾーンを設けます。
    7. draw directionをnormal to elementsに切り替えます。
      このパラメータは、形状変数が作成される方向を定義します。
    8. boundaryをnoneに設定します。
      これは、荷重または拘束条件のかかる節点を設計領域から除外するようOptiStructに指示します。
    9. updateをクリックします。

    これで、設計空間plateについてビード定義が作成されました。この情報に基づき、OptiStructは設計変数領域全体に環状のビード変数定義を自動的に作成します。

  5. パターングルーピング制約条件の追加
    1. pattern groupingサブパネルを選択します。
    2. desvar =をクリックしplateを選択します。
    3. pattern typeを2-plns symに設定します。
    4. anchor node、first node、second nodeセレクターをcoordinatesにセットし、図 2に示す値を入力して、2-plane対称性制約条件を定義します。


      図 2.
    5. updateをクリックします。
  6. 設計変数の上限値と下限値を更新します。
    1. boundsサブパネルを選択します。
    2. desvar =欄が、設計空間の名称であるplateに設定されていることを確認します。
    3. Upper Bound=欄に1.0と入力します。
      グリッドの移動を制御する変数の上限(実数 > LB、デフォルト = 1.0)。グリッド移動の上限をUB*HGTに設定します。
    4. Lower Bound=欄に-1.0と入力します。
    5. updateをクリックします。
    upper boundはUB*HGTに等しい節点の移動の上限を、lower boundはLB*HGTに等しい節点の移動の下限を設定します。
  7. returnをクリックし、Optimization panelに進みます。

ランダム応答最適化のための設計応答の作成

平板の中央におけるX方向のPSD加速度が、ランダム応答最適化の設計応答として定義されます。
  1. responsesパネルをクリックします。
  2. response=欄にpsdacclと入力します。
  3. response typeをpsd accelerationに設定します。
  4. nodes > by idをクリックし、id=欄に67と入力します。
    節点67は、平板の中央に近い位置です。
  5. X方向のPSD accelerationとしてdof1を選択します。
  6. randps=をクリックしRANDPS100を選択します。
    これは、ランダム応答解析のためのパワースペクトル密度を指定します。
  7. frequencys setはall freqが設定されたままにします。
  8. regionをno regionidに設定します。
  9. createをクリックします。
  10. returnをクリックし、Optimization Setupパネルに戻ります。

目的関数の参照値の定義

  1. Analysisページからパネルobj referenceをクリックします。
  2. dobjref=欄にpsdacclrefと入力します。
  3. pos referenceを選択し、1.0e6と入力します。
    応答の値psdacclが、負および正の参照値によって正規化されます。
  4. neg referenceを選択し、-1.0と入力します。
  5. responseをクリックしpsdacclを選択します。
  6. 荷重ステップの選択オプションをallに設定します。

    DOBJREFエントリはすべてのサブケースに適用されます。

  7. createをクリックします。
  8. returnをクリックし、Optimization panelに戻ります。

目的関数の定義

  1. objectiveパネルをクリックします。
  2. minmaxが選択されていることを確認します。
  3. dobjrefsをクリックし、psdacclrefを選択します。
  4. createをクリックします。
  5. returnを2回クリックし、Optimization panelを終了します。

最適化の実行

  1. AnalysisページからOptiStructをクリックします。
  2. save asをクリックします。
  3. Save Asダイアログで、OptiStructモデルファイルを書き出す場所を指定し、ファイル名としてpanel_completeと入力します。
    OptiStruct入力ファイルには、拡張子 .femが推奨されます。
  4. Saveをクリックします。
    入力ファイル欄には、Save Asダイアログで指定されたファイル名と場所が表示されます。
  5. export optionsのトグルをallにセットします。
  6. run optionsのトグルをoptimizationにセットします。
  7. memory optionsのトグルはmemory defaultにセットします。
  8. OptiStructをクリックして最適化を実行します。
    ジョブが完了すると、ウィンドウ内に次のようなメッセージが現れます:
    OPTIMIZATION HAS CONVERGED.
    FEASIBLE DESIGN (ALL CONSTRAINTS SATISFIED).
    エラーがある場合、OptiStructはエラーメッセージも出します。エラーに関する詳細は、テキストエディタでファイル panel_complete.outを開いて確認することができます。このファイルは同じディレクトリ内に.femファイルとして書き出されます。
  9. Closeをクリックします。

結果の表示

トポグラフィー最適化から生成されたビードの設計を確認するためには、HyperViewが使用されます。PSD加速度のパンチファイルへの出力には"XYPUNCH, ACCE, PSDF/67(T1RM)"が使用されました。パンチ出力からのPSDプロットは、HyperGraphで確認することができます。RMSおよびPSDのピーク値は.peakファイルに出力され、テキストエディタで見ることができます。

ビードパターンの確認

  1. OptiStructパネルから、HyperViewをクリックします。
    HyperViewが起動され、最適化結果(_des.h3d)が読み込まれます。
  2. ResultsツールバーでresultsContour-24をクリックし、Contour panelを開きます。
  3. Result typeをShape Change (v)に設定します。
  4. Resultsブラウザから、最終反復計算を選択します。
  5. Contour panelApplyをクリックします。
形状変化のコンターが表示されます。

3030_results
図 3. ランダム応答最適化の結果

PSD結果の表示

  1. HyperGraphを起動します。
  2. CurvesツールバーでplotsCreate-24をクリックし、Build Plotsパネルを開きます。
  3. panel_complete.pchファイルを読み込みます。
  4. X Typeを Frequency (Hz)に設定します。
  5. Y TypeとしてGroup 1 Accelerationを選択します。
    Node id 67とX_Translationがハイライト表示されています。
  6. Applyをクリックします。
    iteration 0における節点67でのX方向の加速度のPSDプロットが読み出されます。
  7. AnnotationsツールバーでannotateAxes-24をクリックしてAxesパネルを開き、PSD加速度の線形プロットを、y軸についての対数プロットに変換します。
  8. 最終グループの加速度をY Typeとして選択します。
  9. Applyをクリックします。
  10. AnnotationsツールバーでannotateAxes-24をクリックしてAxesパネルを開き、PSD加速度の線形プロットを、y軸についての対数プロットに変換します。

最終繰り返し計算における節点67でのX方向の加速度のPSDプロットが読み出されます。

PSD加速度のピーク値はどのぐらい下がりましたか?

3030_psd_plots
図 4. オリジナルと最適化設計のPSD加速度プロット