OS-E:3015 直方体圧力容器

本例には、液体の保管に使用される直方体の薄肉容器を使用します。目的は、内容物の圧力により生じる容器側面の外向きの膨らみを最小にすることです。さらに、側面パネルの外向きの最大変形は、指定の値以下でなければなりません。

モデルファイル

必要なモデルファイルのダウンロードについては、モデルファイルへのアクセスを参照してください。

この例で使用されているモデルファイルには以下のものが含まれます:

pressurebox.fem

モデル概要

モデルは、下部4つのコーナーにおける全方向の変位について制約されますが、これらの制約について回転は自由です。荷重は、緑色で示された領域にかかる分布圧です。圧力は、容器の下部で大きくなっています。

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図 1. 直方体圧力容器にかかる荷重と制約条件
設計領域には容器全体が含まれますが、上部の注入口(図の赤色部分)は除きます。設計領域内の全ての要素は、同じコンポーネント内に置かれ、同じ材料プロパティを参照します。設計領域内の全ての要素について、法線ベクトルは外側を向いています。トポロジー変数は、下記のDTPGカードで設定されます:
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
DTPG 1 PSHELL 1            
+ 15.0 60.0 NO 4.5 NORM     NONE  
  PATRN 10 7229     7209      

最小ビード幅は15.0mmに設定され、これは、3つの要素の大きさとほぼ同じです。ドロー角度は60°、ドロー深さは7.5mmに設定されています。形状変数ドローベクトルは、要素の法線方向によって決定されます。注入キャップとモデルの残りの部分との間にバッファゾーンは選択されていません。節点はスキップされません。したがって、節点(制約条件が適用される箇所)は形状変数に関連付けられ、自由に動くことができます。

DTPGカードの3行目はパターングルーピングオプション(ここでは、対称面)を定義しています。このモデルでは、容器を長さ方向に半分に分割することにより、対称性が強制されています。対称軸を定義するベクトルは、設計変数の不在が設計側面に反映されることを回避するため、非設計領域の注入キャップのある面から離れて指すよう作成されています。

最適化の目的関数と制約条件
ヘッダーには、下記のカードがサブケース定義の内部に追加されています:
DESOBJ(MIN)
1
DESSUB
101
バルクデータ内で、以下のカードが追加されています:
DRESP1 1 obj COMP          
DRESP1 2 swall1 DISP     7   7332
DRESP1 3 swall2 DISP     7   9783
DRESP1 4 fwall DISP     7   9162
DRESP1 5 bwall DISP     7   8813
DRESP1 6 bottom DISP     7   11028
DCONSTR 101 2   10.0        
DCONSTR 101 3   10.0        
DCONSTR 101 4   1.0        
DCONSTR 101 5   1.0        
DCONSTR 101 6   5.0        

目的は、圧力荷重ケースのコンプライアンスを最小にすることで、これは、モデル全体のひずみエネルギーを最小にすることと同じです。荷重のかかった5つのサーフェスそれぞれの中心点の変位は、指定の値以下になるよう制約されています。

結果

OptiStructは、この問題について、下記のソリューションを生成しました:

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図 2. OptiStructによる圧力容器のトポグラフィーソリューション。前方と後方からのビュー。

最適化の制約条件はすべて、モデルについて満たされています。赤色の領域は、モデルの剛性を高めるためにOptiStructが作成したビード補強を示しています。容器の大きいほうの側面パネルと底面パネルに、円形または楕円形の補強ビードが作成されています。

円形または楕円形のビードは、分布荷重または中央荷重に対し、パネルの剛性を高める点で非常に有効です。これは、パネルの中央領域内の曲げは、垂直および水平の両方向に起こっているためです。真っ直ぐなビードは、1方向の曲げには剛性を与えますが、別方向の折れについては非力であり得ます。円形のビードは、折れなしに剛性を高めます。球状のビードがモデルの8つのコーナーに作成されて、容器の各辺を繋いで固定し、各辺が隣接する辺からサポートを得られるようになっています。