OS-T:1375 構造の応答スペクトル解析

本チュートリアルでは、構造の応答スペクトル解析をどのように行うかを示します。

この種の解析は、動的載荷を受ける構造の応答のピークを見積るために用いられます。この解析には与えられた動的荷重に対する応答スペクトルが用いられ、ノーマルモード解析の結果がその見積りの計算に用いられます。

用いられるモデルを下のFigure 1に示します。ビル構造が、円形のX-方向断面(すなわちtype ‘ROD’)のCBEAM要素を使ってモデル化されています。そのビル構造の基礎は全方向が拘束され、全体座標系のZ方向に加振されます。

rd2120_structure
図 1. 構造HyperMeshモデルの構築

HyperMeshの起動とOptiStructユーザープロファイルの設定

  1. HyperMeshを起動します。
    User Profilesダイアログが現れます。
  2. OptiStructを選択し、OKをクリックします。
    これで、ユーザープロファイルが読み込まれます。ユーザープロファイルには、適切なテンプレート、マクロメニュー、インポートリーダーが含まれており、OptiStructモデルの生成に関連したもののみにHyperMeshの機能を絞っています。

モデルのオープン

  1. File > Open > Modelをクリックします。
  2. optistruct.zipファイルから自身の作業ディレクトリに保存したbuilding_ResponseSpectrumAnalysis.hmファイルを開きます。モデルファイルへのアクセスをご参照ください。
  3. Openをクリックします。
    building_ResponseSpectrumAnalysis.hmデータベースが現在のHyperMeshセッションに読み込まれます。

モデルのセットアップ

EIGRL荷重コレクターの作成

EIGRLカードを定義してモデルのノーマルモードを計算します。

  1. Modelブラウザ内で右クリックし、Create > Load Collectorを選択します。
  2. Nameにと入力します。
  3. Colorをクリックし、カラーパレットから色を選択します。
  4. Card Imageに、ドロップダウンメニューからEIGRLを選択します。
  5. NDをクリックし、値10を入力します。

拘束の作成

  1. Modelブラウザで右クリックしコンテキストメニューからCreate > Load Collectorを選択します。
    デフォルトの荷重コレクターがエンティティエディターに表示されます。
  2. Nameにconstraintsと入力します。
  3. Colorをクリックし、カラーパレットから色を選択します。
  4. Card Imageに、ドロップダウンメニューからNoneを選択します。
  5. Analysisページに入ります。
  6. constraintsをクリックします。
  7. createサブパネルで、エンティティがnodesrd2120_nodes_buttonにセットされていることを確認し、nodesをクリックして下の図のようにモデルの下部の4節点を選択します。

    rd2120_select_nodes
    図 2. 拘束を定義する節点の選択
  8. すべての自由度(すなわちdof1からdof6に値0.000でチェックを入れ、load typesがSPCにセットされていることを確認してcreateをクリックします。
    拘束条件が下の図のように生成されます。

    rd2120_constraints
    図 3. モデルに定義される拘束
  9. returnをクリックし、Constraintsパネルを終了します。

入力の応答スペクトルの定義

  1. Utilityタブに移動します。ユーティリティメニューが表示されていない場合は、View > Browsers > HyperMesh > Utilityを選択します。
  2. Utilityメニューの下部の、FEAパネルをクリックします。
  3. Toolsの下で、TABLE Createをクリックします。
  4. Optionsの下でImport Table、Tablesの下でTABLED1を選択します。
  5. Nextをクリックします。
  6. Optionsの下で、Create New Tableを選択します。
  7. Nameにtabled1_cardと入力します。
  8. Browseをクリックします。
  9. Files of type: をCSV(*.csv)に変更し、optistruct.zipファイルから作業ディレクトリに保存したファイルsourceFileTABELD1.csvを選択します (これには入力の応答スペクトルの‘x’値と‘y’値が含まれており、 x軸の周波数の対するy軸の加速度がプロットされています)。
  10. Openをクリックします。Import TABLED1 GUIが最小化されている場合、それをタスクバー上でクリックします。
  11. Import TABLED1 GUIで、Applyをクリックします。
    TABLED1カードの生成を示すメッセージが表示されます。
  12. このメッセージに対してOKをクリックします。
  13. Import TABLED1のGUI上 (GUIが見えない場合、タスクバーにチェックを入れ、Import TABLED1をクリックします)でExitをクリックします。
  14. 上で生成されたTABLED1カードに対応するプロットを見るには、 FEAパネル上のTABLE Createを開きます。
    1. Create/Edit Tableのオプションを選択します。
    2. Tablesに、TABLED1を選択します。
    3. Optionsの下で、Edit Existing Tableを選択します。
    4. Selectの横のtabled1_cardを選択し、Plotをクリックします。
    5. プロットを確認した後、Plotウィンドウ内のCloseをクリックし、Create/Edit TABLED1 GUI上のExitをクリックします。

    rd2120_plot_TABLED1
    図 4. TABLED1カードのプロット

DTI, SPECSELカードの定義

このカードは、前のステップでTABLED1カードを用いて定義された入力の応答スペクトルに関連するスペクトルのタイプと減衰の値の指定に用いられます。

  1. Modelタブをクリックし、Modelブラウザを表示させます。
  2. Modelブラウザで右クリックしコンテキストメニューからCreate > Load Collectorを選択します。
    デフォルトの荷重コレクターがエンティティエディターに表示されます。
  3. Nameにdti_cardと入力します。
  4. Card Imageには、DTIを選択します。
  5. 入力の応答スペクトルは加速度対周波数のプロットなので、TYPEにAを選択します。
  6. Data欄の横のTableアイコンtable_pencilをクリックします。ポップアップウィンドウで、TID(1)tabled1_cardを選択し、DAMP(1)に0.02と入力します。
    減衰の値の単位系は臨界減衰に対する比率です。

RSPEC荷重コレクターの定義

このカードは、応答スペクトル解析の諸元を規定するのに用いられます。

  1. Modelブラウザで右クリックしコンテキストメニューからCreate > Load Collectorを選択します。
    デフォルトの荷重コレクターがエンティティエディターに表示されます。
  2. Nameにrspec_cardと入力します。
  3. Card Imageには、RSPECを選択します。
  4. DCOMB(方向の組み合わせ方法)に、ALGを選択します。
  5. MCOMB(モードの組み合わせ方法)に、SRSSを選択します。
  6. CLOSEEをクリックし、入力ボックスに値1.000を入力します。
  7. RSPEC_NUM_DTISPECに1を入力します。
  8. Dataの横のtable_pencilをクリックします。ポップアップウィンドウで、DTISPEC欄にdti_cardを選択し、SCALEに値9800.0を入力します。
  9. 構造の加振方向は全体系のZ方向なので、X(0)に0.0、X(1)に0.0、X(2)に1.0をそれぞれ入力します。
  10. Closeをクリックしてウィンドウを閉じます。

構造のモード減衰の定義

  1. Modelブラウザで右クリックしコンテキストメニューからCreate > Load Collectorを選択します。
    デフォルトの荷重コレクターがエンティティエディターに表示されます。
  2. Nameにtabdmp1_cardと入力します。
  3. Card Imageには、TABDMP1を選択します。
  4. TYPEにCRITを選択します。
  5. TABDMP1_NUMに2を入力します。
  6. Data欄の横のtable_pencilをクリックし、ウィンドウでf(1)、g(1)、f(2)およびg(2)にそれぞれ0.00.0250.0および0.02を入力します。
  7. Closeをクリックしてウィンドウを閉じます。

PARAMカードの定義

  1. Analysisページでcontrol cardsパネルをクリックし、nextを2回クリック、続いてPARAMパネルをクリックします。
  2. 利用可能なパラメータのリストをスクロールさせて、 COUPMASSの横のボックスにチェックを入れ、 valueにYESを選択し、固有値解析に整合質量アプローチが用いられるようにします。
  3. 利用可能なパラメータのリストをスクロールさせて、EFFMASSの横のボックスにチェックを入れ、valueにYESを選択し、モード寄与度係数と有効質量が計算され、.outファイルに出力されるようにします。
  4. return をクリックしてパネルを終了します。

出力リクエストの定義

変位はデフォルトで出力されます。

  1. Analysisページからcontrol cardsパネルに入ります。
  2. nextを、GLOBAL_OUTPUT_REQUESTパネルのあるページまでクリックします。
  3. GLOBAL_OUTPUT_REQUESTをクリックし、リストをSTRESSまでスクロールダウンさせてそれにチェックを入れます。
  4. OPTION(1)にALLを選択します。
  5. returnを2回クリックし、Control Cardsパネルから抜けます。

応答スペクトル解析荷重ステップの定義

  1. Modelブラウザで右クリックしコンテキストメニューからCreate > Load Stepを選択します。
    デフォルトの荷重ステップがエンティティエディターに表示されます。
  2. Nameにresponse_specと入力します。
  3. Analysis typeをクリックし、ドロップダウンメニューからResponse spectrumを選択します。
  4. SPCにUnspecified > Loadcolをクリックします。
  5. Select Loadcolダイアログで、荷重コレクターのリストからconstraintsを選択し、OKをクリックします。
  6. RSPECに、Unspecified > Loadcolをクリックします。
  7. Select Loadcolダイアログで、荷重コレクターのリストからrspec_cardを選択し、OKをクリックします。
  8. METHOD(STRUCT)にUnspecified > Loadcolをクリックします。
  9. Select Loadcolダイアログで、荷重コレクターのリストからeigrl_cardを選択し、OKをクリックします。
  10. SDAMPING(STRUCT)にUnspecified > Loadcolをクリックします。
  11. Select Loadcolダイアログで、荷重コレクターのリストからtabdmp1_cardを選択し、OKをクリックします。
  12. returnをクリックし、Loadstepsパネルを終了します。

  1. AnalysisページからOptiStructパネルに入ります。
  2. input file欄に続くSave asをクリックします。Save fileブラウザウィンドウが開きます。
  3. ファイルを書き出すディレクトリを選択し、ファイルの名前をFile name:欄に入力します。
    注: ファイルはAltair Simulationインストールフォルダーとは異なるフォルダーに保存してください。
  4. Saveをクリックします。
    注: input file:欄には、ファイルの名称と位置が表示されるようになりました。
  5. export optionsのトグルをallにセットします。
  6. run optionsのトグルをAnalysisにセットします。
  7. memory optionsのトグルはmemory defaultにセットします。
  8. OptiStructをクリックします。これでOptiStructジョブが起動します。
  9. ジョブが成功した場合、OptiStructモデルファイルが書かれたディレクトリに新しい結果ファイルがあるはずです。.outファイルは、エラーメッセージを探すのに良い場所で、もし何らかのエラーがある場合、入力ファイルのデバッグに役立ちます。これは、OptiStructパネルのview .outボタンをクリックして表示できます。

ジョブのサブミット

  1. AnalysisページからOptiStructパネルをクリックします。

    OS_1000_13_17
    図 5. OptiStructパネルへのアクセス
  2. save asをクリックします。
  3. Save Asダイアログで、OptiStructモデルファイルを書き出す場所を指定し、ファイル名としてbuilding_ResponseSpectrumAnalysisと入力します。
    OptiStruct入力ファイルには、拡張子 .femが推奨されます。
  4. Saveをクリックします。
    入力ファイル欄には、Save Asダイアログで指定されたファイル名と場所が表示されます。
  5. export optionsのトグルをallにセットします。
  6. run optionsのトグルをanalysisにセットします。
  7. memory optionsのトグルはmemory defaultにセットします。
  8. OptiStructをクリックし、OptiStructジョブを開始します。
ジョブが成功した場合、building_ResponseSpectrumAnalysis.femが書き出されたディレクトリに新しい結果ファイルがあるはずです。何らかのエラーがある場合、building_ResponseSpectrumAnalysis.outファイルはデバッグを手助けするエラーメッセージを探すのに良い場所です。

結果の表示

  1. OptiStructパネルから、HyperViewをクリックします。
    HyperViewが起動され、結果が読み込まれます。HyperViewにモデルと結果が正しく読み込まれたことを示すメッセージウィンドウが現われます。
  2. HyperView Resultsブラウザで、Resultsフォルダーを展開し、 次に Vectorフォルダーを展開して、Displacementの下でMagを選択して変位の結果をコンター表示させます。

    rd2120_displacement_contour
    図 6. 変位のコンター
  3. 応力コンター表示にはResultsの下のScalarフォルダーを展開し、Element Stresses (1D)を展開して、見たい応力をコンター表示させます。
    下に示したのは、CBAR/CBEAM Long.Stress SAMAXのコンターです。

    rd2120_stress_contour
    図 7. 応力のコンター