OS-E:0170 回転ジョイントでのJOINTGとMOTNJGの使用

この例題では、回転ジョイントでのJOINTGMOTNJGの使用を取り上げます。JOINTGエントリは、回転、球、ユニバーサル、カルダンといった各種ジョイントの定義に使用することができます。これらのジョイント上の運動は、MOTNJGエントリを使って付与できます。



図 1. FEモデルは3次元要素を使ってメッシングされたスライダー-クランク機構. X方向の強制運動がブロックの1端に付与されている

モデルファイル

必要なモデルファイルのダウンロードについては、モデルファイルへのアクセスを参照してください。

この例で使用されているモデルファイルには以下のものが含まれます:

slider_crank.fem

モデル概要

ここでの目的は、JOINTGを使ってスライダー-クランクモデルの大変位非線形解析を行うことにあります。水平な強制変位が、SPCエントリを使って、ブロックの1端で負のX方向に付与されています。モデルは図 1に示すとおりです。

このモデルでは12個のJOINTGエントリを使って6個のジョイントを表しています。

回転ジョイントは、一軸回転機能(ドアヒンジなど)を可能にするジョイントです。このジョイントは、そのジョイントに関連付けられている2つの節点の1つの自由度の周りの自由回転(またはMOTNJGによる強制変位)を可能にすることで機能します(選択する2つの自由度は同じである必要があります)。残りの回転自由度は自動的に拘束されます。並進自由度は、球ジョイントを追加定義することで固定できます。

JOINTGエントリで、次のルールに従って回転ジョイントを定義します:
  1. JTYPEREVOLUTEに設定する必要があります。
  2. 節点1の座標系(CID1)のX軸は節点2の座標系(CID2)のX軸に平行(かつ同じ方向)でなければなりません。MOTNJGサブケースおよびバルクデータエントリを使用して、X軸の周りの回転の値(DOF=4)を定義することができます。
  3. 座標系のその他の軸はどの方向を向いても構いません。
  4. 並進自由度は、球ジョイントを追加定義することで固定できます。
詳細については、リファレンスガイドJOINTGおよびMOTNJGバルクデータエントリをご参照ください。
FE Model
要素タイプ
CHEXA
CPENTA
JOINTG
RBE2
線形材料プロパティは:
MAT1
ヤング率
2.1E7 Pa
ポアソン比
0.3

結果

回転ジョイントは、割り当てられた局所座標系(CID=1)を除き、すべての方向の回転を拘束します。局所座標系内の並進も、球ジョイントにより拘束されます。したがって、局所X方向の回転のみが、JOINTGエントリで結合されている節点間で許容されます。


図 2. 初期位置


図 3. SPCでの強制変位付与後の最終位置