実行時監視

現時点では、OptiStructは、小変位および大変位非線形静解析、大変位非線形過渡解析および流体-構造解析の監視機能をサポートしています。また、非線形最適化実行についても、監視がサポートされています。

下記のセクションでは、実行時監視の手順に関する特定の情報を提供しています。

非線形構造解析および構造FSIの監視

非線形解析のデバッグと監視には、複数のツールが利用できます。
  • .outファイル

    通常のASCII .outファイルで、基本的な監視ツールとしても強力です。これは、デフォルトではOptiStruct実行時にリアルタイムで出力されます。

  • _nl.h3dファイル

    変位のみの結果を含む非線形監視専用H3Dファイル。さらに、これには、接触状態の変更を識別する節点セットと、歪んだ要素を識別する要素セットも含まれています。これは、NLMONバルク / サブケースペアが指定されている際にリアルタイムで出力されます。

  • _nl.outファイル

    特殊な非線形解情報を含んだ専用の非線形監視ASCIIアウトファイル。これは、デフォルトでは非線形実行でリアルタイムで出力されます。また、このファイルには、接触のステータス変更節点と歪んだ要素のサマリーも含まれています。この出力は、NLPRINTバルク / サブケースペアを介して制御されます。このファイルは、NLMONバルク / サブケースペアが指定されている際にリアルタイムで出力されます。

  • .monitorファイル

    特殊な非線形解情報を含んだ専用の非線形監視ASCIIファイル。これは、デフォルトでは非線形実行でリアルタイムで出力されます。

  • _ld.monitorファイル

    特殊な非線形解情報を含んだ専用の非線形モニタリングASCIIファイル。これは、デフォルトでは非線形実行でリアルタイムで出力されます。

  • _impl.h3dファイル

    陰解法非線形実行のための一般的なリアルタイム非線形出力ファイル。PARAM,IMPLOUT,YESと組み合わせてNLOUTバルク / サブケースペアを指定した場合や、特定のI/OエントリのNLOUT引数がNLOUTバルクデータを指して指定された場合に、リアルタイムで出力されます。_impl.h3dファイルは特に専用の非線形デバッグツールではありませんが、非線形実行の結果をその場で視覚化するためにも使用できます。

  • _e.outファイル

    非線形解析のエネルギー出力を監視するための専用のASCIIファイルです。これは、NLENRGバルク / サブケースエントリペアが指定されている場合、OptiStructの非線形実行でリアルタイムで出力されます。

  • _e.nlmファイル

    非線形解析のエネルギー出力を監視するための専用のHyperGraphデータファイルです。デフォルトでは、_e.nlmファイル内のすべてのサブケースに対して、OptiStructの非線形実行の各インクリメントに対するグローバルなエネルギー出力がリアルタイムで出力されます。NLENRGバルク / サブケースエントリのペアを使用して、出力間隔制御およびエンティティベースの出力をエネルギー出力に対して有効化することができます。

_nl.outファイルと_nl.h3dファイルは、HyperViewos_out_file_parser.tclスクリプトと組み合わせて使用することで、非線形収束の進行状況を可視化し、詳細な非線形デバッグを行うことができます。そのためのプロセスを以下に示します。

そのためには、<filename>_nl.h3dファイルと、_nl.outファイルに出力される指定された間隔の収束テーブル情報の2つのファイルが必要です。Convergence Table情報は現時点では、大変位非線形解析についてのみサポートされています。

INTフィールドがINCに設定されている場合は、実行時にHyperView<filename>_nl.h3dファイルを読み込んで変位結果を参照することで、非線形実行中のモデルの進行を監視できます。

ただし、各反復計算(すべてのインクリメントで)においてモデルをモニタリングおよびデバッグする場合は、INTフィールドをITERに設定する必要があります(またはPARAM,NLMON,DISPを使用します)。INTITERに設定されている場合は、次の手順に従ってモデルをデバッグできます。

  1. NLMONバルクデータエントリとNLMONサブケース情報エントリのペアを、結果の監視とデバッグが必要な対応する非線形サブケース(INTフィールドがITERに設定された状態)に追加します(代わりにPARAM,NLMONを使用することもできます。
    両方が指定されている場合は、このサブケース / バルクデータのペアがPARAM,NLMONよりも優先されます)。
  2. モデルの実行
    <filename>_nl.h3dという名前の2つ目のH3Dファイルが作業ディレクトリ内に作成されます。
  3. HyperViewを開いて、<filename>_nl.h3d結果ファイルを読み込みます。
    この時点で、モデルの結果がHyperViewに表示されます。
  4. Tclスクリプトをインポートします。このスクリプトは、インストール先の<install_directory>/altair/hwsolvers/scripts/os_out_file_parser.tclにあります。
  5. File > Run > Tcl/Tk Scriptをクリックし、os_out_file_parser.tclスクリプトを選択し、Openをクリックします。
  6. その後に表示されるOptiStruct OUT File ParserウィンドウのOut File欄で、作業ディレクトリから<filename>_nl.outを選択します。


    図 1.
  7. Openをクリックします。
    監視された結果がウィンドウに読み込まれます。


    図 2.
  8. ピーク値の発生を調べたい結果タイプのチェックボックスをアクティブにして、Convergence Tableで対応する反復計算をクリックします。
    その結果タイプでピーク値に達した節点が、HyperViewのGraphicsブラウザに表示されます。


    図 3.
HyperViewのSection Cutsアイコンをクリックして、対応する節点ベースのデータを対応する軸断面と共に可視化することも可能です(sec_xsec_yまたはsec_z
例えば、図 4は、インクリメント3、反復回数5、荷重係数2.187E-02でのmriの断面を示しています。


図 4.

非線形解析の詳細については、非線形静解析非線形過渡解析および構造流体-構造相互作用解析をご参照ください。

熱流体-構造相互作用(熱FSI)の監視

構造過渡熱伝導解析の熱FSI解析において、デフォルトで、実行時にモニター結果を<filename>_ht.h3dファイル内で参照できます。このH3Dファイルは実行中にHyperViewで表示して、各時間ステップの温度結果を監視できます。



図 5.
熱FSIの詳細については、熱流体-構造相互作用解析をご参照ください。

非線形最適化の監視

非線形最適化の間、各荷重インクリメントについての非線形結果は、各最適化反復計算について参照できます。

これは、<filename>_nl.h3dで以下のように可視化できます:


図 6.


図 7.

解析時の収束のプロット

非線形静解析と非線形過渡解析の全サブケースにわたるすべての非線形反復計算について、Altair Compute Console(ACC)を使用して収束プロットを取得できます。

すべての最適化反復計算の進行状況をモニターすることもできます。

収束プロットを取得するには:

  1. Use solver controlの横のボックスにチェックマークを入れ、Runをクリックします。
  2. 解析の反復計算が開始されたら、Graphをクリックして収束プロットを取得します。


    図 9.


    図 10. 収束プロットの例

    右下のドロップダウンオプションを使用して、収束プロットのタイプとサブケースを選択できます。

    このドロップダウンメニューからは、収束プロットのさまざまな尺度(forcedisplacement、およびwork)を選択できます。また、接触解析の場合には、ギャップが閉じられたかどうかのステータスもモニターできます。

    左下のトグルでは、loglinearのスケールを切り替え、プロットの左端または右端をズームすることができます。