TMPDIR

入出力オプションおよびサブケース情報エントリ 入出力オプションセクションの中でTMPDIRコマンドを使用すると、スクラッチファイルの書き出し先ディレクトリを選択できます。

フォーマット

TMPDIR = <option> path

定義

引数 オプション 内容
option FILESIZE=nSLOW=1
FILESIZE=n
使用可能な最大ファイルサイズ(GB単位)です。
SLOW=1
ネットワークドライブを指定するにはゼロ以外の値を使用します。
path <directory path>

デフォルト = ./

スクラッチファイルの書き出し先ディレクトリのパスです。

Windowsオペレーティングシステム

ローカルドライブ
TMPDIR = FILESIZE=13,D:\Dir1\Dir2\...\DirN\Scratch
TMPDIR = FILESIZE=13,D:\Dir1\Dir2\...\DirN\Scratch Files
ネットワークドライブ
  1. ネットワークドライブ(リモートマシン上のドライブ)をご使用のコンピューター上のドライブ(Y:\)にマッピングします。
  2. マッピングしたネットワークドライブ上の適切なスクラッチディレクトリへのパスを、TMPDIRpath引数として使用します。
    TMPDIR = FILESIZE=13,SLOW=1,Y:\Scratch
    TMPDIR = FILESIZE=13,SLOW=1,Y:\Scratch Files 

Linuxオペレーティングシステム

ローカルドライブ
TMPDIR = FILESIZE=13,/Dir1/Dir2/.../DirN/Scratch
TMPDIR = FILESIZE=13,D:/Dir1/Dir2/.../DirN/Scratch Files

コメント

  1. このカードの情報の長さは全長200文字(カード名および引数間の空白も含む)に制限されています。このデータは1行に記述することも、複数の継続行に分けて記述することもできます。長いファイル名を複数行に分けて入力する方法の例については、入出力オプションおよびサブケース情報エントリのガイドラインをご参照ください。
  2. 複数のTMPDIRカードを指定できます(最大20エントリ)。スクラッチファイルは、定義されているオプションに応じてすべてのディレクトリに割り当てられる可能性があります(コメント38をご参照ください)。
  3. 解析プロセスの実行時、ソルバーは、スクラッチファイルを開く前にすべてのTMPDIRの使用可能な空き領域をチェックし、最も空き領域の多いディレクトリにスクラッチファイルを割り当てます。このアルゴリズムは複数のディレクトリにディスク使用量を分散するためのものですが、各TMPDIRの領域が完全に使用されるかどうかは保証されません。複数のTMPDIRを使用すると、OptiStructによる正確な制御が不可能になります。特定のTMPDIR(またはTMPDIRのセット)への特定の数のスクラッチファイルの割り当てを保証する方法はありません。各ファイルでのTMPDIRの選択は実行の開始時に行われ、この時点では最終的なスクラッチファイルサイズは推定できません。スクラッチファイルが割り当てられ、実行が開始された後は、これを他のスクラッチディレクトリに移動したり、より小さく分割することはできません。そのため、場合によっては、実行が単一のTMPDIRでは成功し、TMPDIRをさらに追加した後には失敗することがあります。これは、後者の場合にはスクラッチディレクトリへのスクラッチファイル割り当てが異なるためです(たとえば、最初に定義したTMPDIRと比べて追加のTMPDIRで利用可能なスペースが少ない場合、および割り当てが異なる場合)。
  4. 線形ソルバープロセス(線形システムや固有値問題の解析など)の実行時に使用されるメインスクラッチファイルは、複数のTMPDIRに分割することができます(SCRFMODEをご参照ください)。
  5. SLOWのマークを付けたTMPDIRは、他のTMPDIRがいっぱいになった場合に限って使用されます。TMPDIR用ディレクトリとしてネットワーク上の共有ディスクドライブ(他のコンピューターや中央ファイルサーバーなど)を選択できますが、これは推奨しません。また、可能な限り避けてください。特定のスクラッチファイルは非常に使用率が高いため(特にout-of-coreモードやminimum-coreモード時)、ネットワーク経由でそれらのファイルにアクセスすると、解析の総実行時間が大幅に長くなります。TMPDIRコマンドの主な目的は、大規模な組織で一般的なように作業領域(ホームディレクトリ)が中央サーバーに配置されている場合に、遅延を回避することです。スクラッチファイルはすべて指定したディレクトリに保存されます。また、システムエラーやコアダンプが発生しない限り、解析終了時に自動的に削除されます(システムエラーやコアダンプが発生した場合は、手動でクリーンアップしなければならない場合があります)。
  6. 大規模なジョブで複数のTMPDIRカードを使用する他の方法については、SYSSETTING入出力オプションのSCRFMODEの設定をご参照ください。
  7. コマンドラインで-tmpdirオプションを指定できます(実行オプションをご参照ください)。コマンドラインで指定したオプションは、入力ファイル内で指定したどの情報よりも優先されます。
  8. まれなケースですが、オペレーティングシステムにファイルサイズ制限がある場合は、filesizeオプションが必要になります。ほとんどの場合、この制限は、現実的に発生し得るどのような問題に対しても十分な大きさに設定します。以下の場合、2GBのファイル制限があることが判明しています:
    • FAT32ファイルシステム(Windows、場合によってはLinuxでも同様)
    • ext2ファイルシステム(古いLinuxディストリビューション)
    • NFSバージョン2

    上記に該当する場合は、ハードウェアやオペレーティングシステムをアップグレードすることを推奨します。