OS-E:0896 自動車のクレードルの複数材料トポロジー最適化

複数材料最適化(MMO)は、異なる材料のパートを最適化する必要がある際に使用することができます。この手法では、複数の材料を評価することができる構造内の材料配置を初期概念レベルで見ることが可能です。

質量低減量、剛性、および材料を製造するための相対的なコストの関係を最適化定式化に含めることができます。

一貫した定式化がなければ、最適化は最も軽い材料または最も硬い材料(スチールまたはアルミニウム)に有利になりますが、競合する要件が設計の指針となります。

複数材料の最適化は、異なる材料の相対的な価格や各材料の相対的な生産量のような構造性能以外の情報が得られている場合に、総生産コストに影響を与えるような際に使用することができます。

製造上の制約を含めることを考慮することは、結果として得られる構造を、従来の方法によってより良く製造されるように導く助けとなります。
  • ケース1:

    目的:複数の材料(スチール+アルミニウム)を考慮した質量最小化のためのトポロジー最適化

    最適化の結果には、最適な位置に配置されたスチールとアルミニウムの両方の材料が含まれます。

  • ケース2:

    目的:複数の材料を考慮した、質量とコストの相対的な最大値を最小化するためのトポロジー最適化

    関数 f ( x , y ) = x + 1.5 y MathType@MTEF@5@5@+= feaagKart1ev2aaatCvAUfeBSjuyZL2yd9gzLbvyNv2CaerbuLwBLn hiov2DGi1BTfMBaeXatLxBI9gBaerbd9wDYLwzYbItLDharqqtubsr 4rNCHbGeaGqiVu0Je9sqqrpepC0xbbL8F4rqqrFfpeea0xe9Lq=Jc9 vqaqpepm0xbba9pwe9Q8fs0=yqaqpepae9pg0FirpepeKkFr0xfr=x fr=xb9adbaqaaeGaciGaaiaabeqaamaabaabaaGcbaGaamOzamaabm aabaGaamiEaiaacYcacaWG5baacaGLOaGaayzkaaGaeyypa0JaamiE aiabgUcaRiaaigdacaGGUaGaaGynaiabgEHiQiaadMhaaaa@4213@ を使用し、アルミニウムはスチールよりも質量あたり1.5倍高いことを考慮します。

    最適化の結果は、この場合はスチールに軍配を上げます。高コストのためにアルミニウムは使われません。

  • ケース3:

    目的:複数の材料を考慮した、質量とコストの相対的な最大値を最小化し、一定量のスチールを保持するためのトポロジー最適化

    関数 f ( x , y ) = x + 1.5 y MathType@MTEF@5@5@+= feaagKart1ev2aaatCvAUfeBSjuyZL2yd9gzLbvyNv2CaerbuLwBLn hiov2DGi1BTfMBaeXatLxBI9gBaerbd9wDYLwzYbItLDharqqtubsr 4rNCHbGeaGqiVu0Je9sqqrpepC0xbbL8F4rqqrFfpeea0xe9Lq=Jc9 vqaqpepm0xbba9pwe9Q8fs0=yqaqpepae9pg0FirpepeKkFr0xfr=x fr=xb9adbaqaaeGaciGaaiaabeqaamaabaabaaGcbaGaamOzamaabm aabaGaamiEaiaacYcacaWG5baacaGLOaGaayzkaaGaeyypa0JaamiE aiabgUcaRiaaigdacaGGUaGaaGynaiabgEHiQiaadMhaaaa@4213@ を使用し、アルミニウムはスチールよりも質量あたり1.5倍高いことを考慮します。

    スチールの質量は全体の80%に制限されているため、最適化は、スチールとアルミニウムの両方を与えます。

モデルファイル

必要なモデルファイルのダウンロードについては、モデルファイルへのアクセスを参照してください。

この例で使用されているモデルファイルには以下のものが含まれます:

  • case1.fem
  • case2.fem
  • case3.fem

モデル概要

この例では、3つの異なる目的を満たすために、自動車のクレードル(アルミニウム+スチール)モデルで複数材料トポロジー最適化が実行されます。


図 1. 制約条件と荷重条件を持つクレードルモデル
  • 単位荷重はX,Y,Z方向の10箇所にかかります。
  • 変位制約は、既存の設計から測定したすべての荷重条件で付与されます。
FE Model
クレードルのボディ
CTETRA
コネクター
剛体要素(RBE2
線形材料プロパティ(MAT1
アルミニウム
ヤング率
7E+04 MPa
ポアソン比
0.29
密度
2.7E-09 ton/mm3
スチール
ヤング率
1.95E+05 MPa
ポアソン比
0.29
密度
9E-09 ton/mm3

結果



図 2. ケース1 トポロジー最適化結果


図 3. ケース2 トポロジー最適化結果


図 4. ケース3 トポロジー最適化結果