VELOCITY
入出力オプションおよびサブケース情報エントリ 入出力オプションまたはサブケース情報のセクション内でVELOCITYコマンドを使用すると、すべてまたは個々のサブケースの速度ベクトルを出力するよう要求できます。
フォーマット
VELOCITY(sorting,format,form,rotations,random,peakoutput,type,fourier,statistics) = option
定義
引数 | オプション | 内容 |
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sorting | <SORT1, SORT2> | この引数が適用されるのは、ノーマルモード、周波数応答および過渡サブケースでのPUNCHフォーマット(.pch file)またはOUTPUT2フォーマット(.op2ファイル)の出力のみです。他の場所で使用した場合は無視されます。その際、警告は表示されません。
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format | <HM, H3D, OPTI,PUNCH, OP2, HG, PLOT, HDF5, 空白> デフォルト = 空白 |
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form | <COMPLEX, REAL, IMAG, PHASE, BOTH> デフォルト(HMのみ)= COMPLEX デフォルト(他の全てのフォーマット)= REAL |
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rotations | <ROTA, NOROTA> |
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random | <PSDF, RMS, PSDFC> デフォルト値はありません。 |
.h3d、.h5形式で出力可能です。 5
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peakoutput | <PEAKOUT> デフォルト = 空白 |
が存在する場合、PEAKOUTカードからのフィルターのかかった周波数のみがこの出力に考慮されます。 |
type | <NORMAL> |
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FOURIER | <FOURIER> | |
statistics | <STATIS, OSTATIS, または空白> | Transient Analysisの時間経過に伴うVelocity statisticsの結果は、このオプションによって制御されます。 15
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option | <YES, ALL, NO, NONE, SID> デフォルト = YES |
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コメント
- VELOCITYコマンドを指定しなかった場合、速度ベクトルは出力されません。
- 速度の出力が利用できるのは、解析タイプが周波数応答解析および過渡解析の場合です。
速度の出力は、ダルシーフロー解析のサブケースでデフォルトで使用でき、VELOCITY コマンドを使用して制御できます。流れ解析の速度は、H3Dファイルでのみ提供され、HyperViewで“Element Velocity for Flow (v)”として可視化できます。
ダルシーフロー解析の場合:- VELOCITY入出力エントリは、YES/ALLとGRID SETのどちらかを入力として受け入れます。
- ダルシーフローでは、指定されたGRID SETでGRID IDに対応付けられた要素の要素速度が出力されます。
- ELEMENT SETに基づいた識別は、VELOCITY入出力エントリではサポートされません。
- 下の例では、VELOCITY結果のSET 12を選択することによって、次の8つのCHEXA要素のダルシー流速が出力されます。
VELOCITY = 12 BEGIN BULK SET,12,GRID,LIST +, 3802, 9452
図 1. ダルシー流速の例
- form引数が適用されるのは周波数応答解析のみです。他の解析タイプでは無視されます。
- formのBOTHおよびCOMPLEXはいずれも.frf出力ファイルには適用されません。
- 同一のエントリに複数のフォーマットを指定できます。各フォーマットはコンマで区切る必要があります。フォーマットを指定しなかった場合、この出力コントロールは、利用可能な結果があるOUTPUTコマンドで定義されているフォーマットすべてに適用されます。利用可能な結果とこれらの結果の各フォーマットの詳細については、OptiStructによる結果出力をご参照ください。
- このカードは複数インスタンスが可能です。インスタンスが競合する場合は、最後のインスタンスが優先されます。
- 最適化するには、指定したフォーマットへの出力頻度を入出力オプションOUTPUTで制御します。
- 一般的に、HyperViewは.op2ファイルからの結果について、SORT2フォーマットを認識しません。結果の出力がSORT2フォーマット(<Result Keyword> (SORT2, OUTPUT2, ...)のみの場合、その結果はOptiStructによって.op2ファイルにSORT2フォーマットで書き込まれますが、.op2ファイルをHyperViewにインポートしたときに、SORT2フォーマットの結果は認識されません。したがって、OUTPUT2フォーマットの結果出力にはSORT1オプションが推奨され、PUNCHフォーマットの結果出力にはSORT2オプションが推奨されます。
- バイナリフォーマットの結果(.h3dまたは.op2)は、FORMフィールドで指定されているオプションにかかわらず常にPHASE/MAGフォームで出力されます。対応するポストプロセッサー(HyperView/ HyperGraph)により、PHASE/IMAGフォーマットを簡単に必要なフォーマットに変換できます。ASCIIフォーマットの結果は、指定された / 要求されたFORMで出力されます。
- 4文字の短縮形VELOをVELOCITYの代わりに用いる事ができます。
- format=OUTPUT2を使用して、Nastran output2フォーマット(.op2ファイル)で結果を出力するように要求することもできます。
- NORMAL速度出力の場合、サーフェス節点は、指定されたGRID SET内から自動的に選択されます。別の方法として、option=ALLが入力されている場合は、法線方向速度はモデル内のすべてのサーフェス節点について出力されます。法線方向の結果は、周波数応答解析およびH3Dフォーマットでのみ使用可能です。
- FREQオプションとTIMEオプションは、フーリエ変換を使用したモーダル過渡解析の場合にのみ有効です。FREQがある場合、周波数領域の速度がダミー周波数サブケースに出力されます(このサブケースは過渡サブケースと同じIDを共有しています)。
- HDF5出力は、.h5バイナリ結果ファイルに出力されます。.h5出力フォーマットが要求された場合にサポートされる解析タイプおよび要素の詳細については、.h5ファイル を参照してください。
古いHDF5フォーマット(.hdf5)の詳細については、PARAM, HDF5と.hdf5ファイルを参照してください。
- Velocity statisticsは、DirectおよびModal Linear Transient Analysisタイプにサポートされます。
Velocity statisticsについては、H3D出力のみがサポートされます。
STATIS,OSTATISが指定されている場合は、過渡解析で時間の経過に伴う以下の統計が出力されます。- 統計
- Supported Velocity Result Types
- Minimum and Time of Minimum
- X-component, Y-component, Z-component
- Maximum and Time of Maximum
- Magnitude, X-component, Y-component, Z-component
- Maximum and Time of Maximum
- X-component, Y-component, Z-component
- Arithmetic Mean, Root Mean Square (RMS), Variance, and Standard Deviation
- Magnitude, X-component, Y-component, Z-component
Velocity statisticsの統計はHyperView内で、H3Dファイルを読み込み後にResultsブラウザの時間ステップリストの最後にあるStatistics over timeオプションの下で確認できます。Velocity (Statistics) (s)の下のサブメニューでさまざまな統計を選択することが可能です。
図 2.