VELOCITY

入出力オプションおよびサブケース情報エントリ 入出力オプションまたはサブケース情報のセクション内でVELOCITYコマンドを使用すると、すべてまたは個々のサブケースの速度ベクトルを出力するよう要求できます。

フォーマット

VELOCITY(sorting,format,form,rotations,random,peakoutput,type,fourier,statistics) = option

定義

引数 オプション 内容
sorting <SORT1, SORT2> この引数が適用されるのは、ノーマルモード、周波数応答および過渡サブケースでのPUNCHフォーマット(.pch file)またはOUTPUT2フォーマット(.op2ファイル)の出力のみです。他の場所で使用した場合は無視されます。その際、警告は表示されません。
SORT1
各周波数 / タイムステップの結果をグループ化します。
SORT2
各グリッド / 要素の結果をグループ化します。 7
空白(デフォルト)
周波数応答解析では、節点セットを指定していない場合はSORT1、それ以外の場合はSORT2がそれぞれ使用されます。過渡応答解析ではSORT2が使用されます。
format <HM, H3D, OPTI,PUNCH, OP2, HG, PLOT, HDF5, 空白>

デフォルト = 空白

HM
結果をHyperMesh結果フォーマット(.resファイル)で出力します。
H3D
結果をHyper3Dフォーマット(.h3dファイル)で出力します。
OPTI
結果をOptiStruct結果フォーマット(.dispファイル)で出力します。
PUNCH
結果をNastran punch結果フォーマット(.pchファイル)で出力します。
OP2
10
HG
結果をHyperGraphプレゼンテーションフォーマット(_freq.mvwファイルおよび_tran.mvwファイル)で出力します。OUTPUTHGFREQおよびHGTRANSキーワードをご参照ください。
PLOT
バルクデータセクションでPARAM,POSTが定義されている場合、結果をNastran output2フォーマット(.op2ファイル)で出力します。
バルクデータセクションでPARAM、POSTが定義されていない場合にこのフォーマットを使用すると、他の結果を出力せずに、XYPUNCH出力用に複素結果のフォームを定義することができます。
HDF5
結果は階層ツリーフォーマット、Version 5 (.h5ファイル)で出力されます。 14
空白
利用可能な結果があるアクティブなフォーマットすべてで結果を出力します。
form <COMPLEX, REAL, IMAG, PHASE, BOTH>

デフォルト(HMのみ)= COMPLEX

デフォルト(他の全てのフォーマット)= REAL

COMPLEX(HMのみ)、空白
HM出力フォーマットでは、.resファイルへの複素出力として、位相 / 振幅を組み合わせたフォームを指定します。
REALまたはIMAG
複素出力の直交フォーマット(実部と虚部)を指定します。 8
PHASE
複素出力の極フォーマット(振幅と位相)を指定します。位相は度単位で出力されます。 8
BOTH(HMのみ)
複素出力の極フォーマットと直交フォーマットの両方を指定します。
rotations <ROTA, NOROTA>
ROTA
回転速度出力結果を要求します。
NOROTA(デフォルト)
回転速度の結果を出力しません。
random <PSDF, RMS, PSDFC>

デフォルト値はありません。

.h3d.h5形式で出力可能です。 5
PSDF
ランダム応答解析によるPSDRMSの結果を出力するよう要求します。
RMS
ランダム応答解析によるRMS結果のみを出力するように要求します。
PSDFC
ランダム応答解析によるPSDRMSおよびRMS(累積)の結果を出力するよう要求します。
peakoutput <PEAKOUT>

デフォルト = 空白

が存在する場合、PEAKOUTカードからのフィルターのかかった周波数のみがこの出力に考慮されます。
type <NORMAL>
NORMAL
これが存在する場合、シェル要素とソリッド要素のサーフェス上の節点の法線方向速度結果が出力されます。 12
空白(デフォルト)
法線方向速度の結果を出力しません。
FOURIER <FOURIER>
FREQ
存在する場合、フーリエ変換を使用したモーダル過渡応答解析で周波数領域の速度が出力されます。13
TIME
存在する場合、フーリエ変換を使用したモーダル過渡応答解析で時間領域の速度が出力されます。 13
空白(デフォルト)
statistics <STATIS, OSTATIS, または空白> Transient Analysisの時間経過に伴うVelocity statisticsの結果は、このオプションによって制御されます。 15
STATIS
Velocity statisticsは、各時間ステップにおける通常の加速度出力に加えて出力されます。
OSTATIS
Velocity statisticsのみが出力されます。
空白(デフォルト)
option <YES, ALL, NO, NONE, SID>

デフォルト = YES

YESALL、空白
すべての節点の速度が出力されます。
NONONE
速度を出力しません。
SID
セットIDを指定した場合、そのセットに含まれる節点の速度のみが出力されます。

コメント

  1. VELOCITYコマンドを指定しなかった場合、速度ベクトルは出力されません。
  2. 速度の出力が利用できるのは、解析タイプが周波数応答解析および過渡解析の場合です。

    速度の出力は、ダルシーフロー解析のサブケースでデフォルトで使用でき、VELOCITY コマンドを使用して制御できます。流れ解析の速度は、H3Dファイルでのみ提供され、HyperViewで“Element Velocity for Flow (v)”として可視化できます。

    ダルシーフロー解析の場合:
    • VELOCITY入出力エントリは、YES/ALLとGRID SETのどちらかを入力として受け入れます。
    • ダルシーフローでは、指定されたGRID SETでGRID IDに対応付けられた要素の要素速度が出力されます。
    • ELEMENT SETに基づいた識別は、VELOCITY入出力エントリではサポートされません。
    • 下の例では、VELOCITY結果のSET 12を選択することによって、次の8つのCHEXA要素のダルシー流速が出力されます。
      VELOCITY = 12
      BEGIN BULK
      SET,12,GRID,LIST
      +, 3802, 9452


      図 1. ダルシー流速の例

  3. form引数が適用されるのは周波数応答解析のみです。他の解析タイプでは無視されます。
  4. formのBOTHおよびCOMPLEXはいずれも.frf出力ファイルには適用されません。
  5. 同一のエントリに複数のフォーマットを指定できます。各フォーマットはコンマで区切る必要があります。フォーマットを指定しなかった場合、この出力コントロールは、利用可能な結果があるOUTPUTコマンドで定義されているフォーマットすべてに適用されます。利用可能な結果とこれらの結果の各フォーマットの詳細については、OptiStructによる結果出力をご参照ください。
  6. このカードは複数インスタンスが可能です。インスタンスが競合する場合は、最後のインスタンスが優先されます。
  7. 最適化するには、指定したフォーマットへの出力頻度を入出力オプションOUTPUTで制御します。
  8. 一般的に、HyperView.op2ファイルからの結果について、SORT2フォーマットを認識しません。結果の出力がSORT2フォーマット(<Result Keyword> (SORT2, OUTPUT2, ...)のみの場合、その結果はOptiStructによって.op2ファイルにSORT2フォーマットで書き込まれますが、.op2ファイルをHyperViewにインポートしたときに、SORT2フォーマットの結果は認識されません。したがって、OUTPUT2フォーマットの結果出力にはSORT1オプションが推奨され、PUNCHフォーマットの結果出力にはSORT2オプションが推奨されます。
  9. バイナリフォーマットの結果(.h3dまたは.op2)は、FORMフィールドで指定されているオプションにかかわらず常にPHASE/MAGフォームで出力されます。対応するポストプロセッサー(HyperView/ HyperGraph)により、PHASE/IMAGフォーマットを簡単に必要なフォーマットに変換できます。ASCIIフォーマットの結果は、指定された / 要求されたFORMで出力されます。
  10. 4文字の短縮形VELOVELOCITYの代わりに用いる事ができます。
  11. format=OUTPUT2を使用して、Nastran output2フォーマット(.op2ファイル)で結果を出力するように要求することもできます。
  12. NORMAL速度出力の場合、サーフェス節点は、指定されたGRID SET内から自動的に選択されます。別の方法として、option=ALLが入力されている場合は、法線方向速度はモデル内のすべてのサーフェス節点について出力されます。法線方向の結果は、周波数応答解析およびH3Dフォーマットでのみ使用可能です。
  13. FREQオプションとTIMEオプションは、フーリエ変換を使用したモーダル過渡解析の場合にのみ有効です。FREQがある場合、周波数領域の速度がダミー周波数サブケースに出力されます(このサブケースは過渡サブケースと同じIDを共有しています)。
  14. HDF5出力は、.h5バイナリ結果ファイルに出力されます。.h5出力フォーマットが要求された場合にサポートされる解析タイプおよび要素の詳細については、.h5ファイル を参照してください。

    古いHDF5フォーマット(.hdf5)の詳細については、PARAM, HDF5.hdf5ファイルを参照してください。

  15. Velocity statisticsは、DirectおよびModal Linear Transient Analysisタイプにサポートされます。

    Velocity statisticsについては、H3D出力のみがサポートされます。

    STATIS,OSTATISが指定されている場合は、過渡解析で時間の経過に伴う以下の統計が出力されます。
    統計
    Supported Velocity Result Types
    Minimum and Time of Minimum
    X-component, Y-component, Z-component
    Maximum and Time of Maximum
    Magnitude, X-component, Y-component, Z-component
    Maximum and Time of Maximum
    X-component, Y-component, Z-component
    Arithmetic Mean, Root Mean Square (RMS), Variance, and Standard Deviation
    Magnitude, X-component, Y-component, Z-component
    Velocity statisticsの統計はHyperView内で、H3Dファイルを読み込み後にResultsブラウザの時間ステップリストの最後にあるStatistics over timeオプションの下で確認できます。Velocity (Statistics) (s)の下のサブメニューでさまざまな統計を選択することが可能です。


    図 2.