AcuSolveチュートリアルの概要

このガイドには、設定、解析、およびポスト処理についての明確な指示とともに、シミュレーションケースのコレクションが含まれています。AcuSolveの基本的なワークフローを説明し、各種問題の設定のガイダンスを提供するためのさまざまなチュートリアルが含まれています。

チュートリアルの中には、プリプロセッサを選択して完了できるものがあります。したがって、ここには3組のチュートリアルが用意されていて、それぞれ、HyperWorks CFDを使用するもの、SimLabを使用するもの、HyperMeshを使用するものになっています。

目的

AcuSolveのチュートリアルの目的は次のとおりです。
  • AcuSolveの基本的なワークフローを提示する
  • 新規ユーザーにAcuSolveの機能を紹介する
  • AcuSolveを産業用アプリケーションで使用するためのガイドラインを示す

前提条件

このガイドに含まれるチュートリアルを実行する前に、AcuSolveの使用経験は必要ありません。エンジニアリングの基本原則およびコンピューター支援エンジニアリングについていくらか知識があることが前提となります。

HyperWorks CFDベースのチュートリアルでは、入門チュートリアルであるACU-T:1000 HyperWorksユーザーインターフェースの内容を確認してから、その他のチュートリアルに進むことを強くお勧めします。このチュートリアルには、ジオメトリモデルのインポート、サーフェスメッシュコントロールや境界層パラメータの定義など、以降のチュートリアルに含まれない手順も含まれています。これらの残りのチュートリアルでは、HyperMeshデータベース(.hmファイル)が用意され、そこに事前定義されたメッシュコントロールが収録されています。ポスト処理に関係する手順は、すべてのチュートリアルに含まれています。

SimLabベースのチュートリアルについては、入門チュートリアルACU-T:1000 HyperWorksユーザーインターフェースを経て他のチュートリアルに進むことをお勧めします。このチュートリアルでは、SimLabユーザーインターフェースのパネル、リボン、ツールバーの概要と、CFDワークフローを紹介します。すべてのSimLabチュートリアルでは、CAD形状のインポート、メッシュの作成、シミュレーションの設定から結果の後処理に至るまで、一貫して実行します。チュートリアルはすべてビデオで構成されており、ビデオの閲覧やファイルのダウンロードにはインターネット接続が必要です。

HyperMeshベースのチュートリアルでは、形状のインポートからポスト処理まで、HyperMeshによるCFDシミュレーションを設定する方法を入門チュートリアルのACU-T:1000 HyperWorksユーザーインターフェースで紹介しています。以降のチュートリアルでは、形状のインポートとメッシュの生成に関連する手順は取り上げていません。これらのチュートリアルには、モデルのHyperMeshデータベース(.hmファイル)が用意され、そこにはメッシュ化した形状が収録されています。このチュートリアルでは、つづいてCFDの設定とポスト処理に関連する手順を説明しています。

基本的なワークフロー

HyperWorks CFDベースのチュートリアル

HyperWorks CFDベースのチュートリアルの基本的なワークフローは、以下の各タスクで構成されています:
  1. 問題の説明
  2. HyperWorks CFDの起動とHyperMeshデータベースのオープン
  3. モデルの検証
  4. シミュレーションパラメーターとソルバーの設定
  5. 流体領域と固体領域に材料特性を割り当てる
  6. 任意の多孔質媒体、物体力、参照座標系の定義
  7. 入口、出口、摩擦、対称性などの流体境界の割り当て
  8. 任意の放射パラメーターの定義
  9. 任意のメッシュモーションとメッシュの境界条件の定義
  10. サーフェスメッシュコントロール、境界層、ボリュームメッシュコントロールを定義し、メッシュを生成する
  11. 節点出力周波数、サーフェスとボリュームのモニター、節点初期条件の定義
  12. AcuSolveを使用して解を計算
  13. プロットユーティリティ(計算の進行状況に関連するデータを可視化)による結果の後処理、HyperViewを使用したシミュレーションデータのコンター、ベクトル、流線などの表示

SimLabベースのチュートリアル

SimLabベースのチュートリアルの基本的なワークフローは、以下の各タスクで構成されています:
  1. 問題の説明
  2. 学習成果
  3. サーフェスメッシュコントロール、境界層、ボリュームメッシュコントロールを定義し、メッシュを生成する
  4. 解析する物理現象の選択
  5. 流体領域と固体領域に材料特性を割り当てる
  6. 任意の多孔質媒体、物体力、参照座標系の定義
  7. 入口、出口、摩擦、対称性などの流体境界の割り当て
  8. 任意の放射パラメーターの定義
  9. 任意のメッシュモーションとメッシュの境界条件の定義
  10. シミュレーションパラメーターとソルバーの設定
  11. 節点出力周波数、サーフェスとボリュームのモニター、節点初期条件の定義
  12. AcuSolveを使用して解を計算
  13. 結果のポスト処理を行います(計算の進捗に関するデータの表示、シミュレーションデータのコンター、ベクトル、流線などによる可視化)。
  14. 要約

HyperMeshベースのチュートリアル

HyperMeshベースのチュートリアルの基本的なワークフローは、以下の各タスクで構成されています:
  1. 問題の説明
  2. HyperMeshの起動とモデルデータベースのインポート
  3. 一般的なシミュレーションパラメーターの設定
  4. ソルバーの設定の指定
  5. 物体力、材料モデル、乗算関数、放射率モデル、参照座標系、メッシュモーションなどの定義
  6. 入口、出口、壁などの表面境界条件を設定し、ボリューム領域に材料モデルパラメーターを割り当てる
  7. 任意の節点初期条件、基準圧力などの指定
  8. AcuSolveを使用して解を計算
  9. シミュレーションデータをコンター、ベクトル、流線などで可視化するHyperViewを使用した結果のポスト処理
注: 実験結果との比較検証とメッシュに依存しない解の判定の検証のアプローチはこのマニュアルには含まれません。検証ケースについては、Validation Manualをご参照ください。

過渡的物理現象やメッシュモーションなどを扱うようなより複雑な問題を説明するチュートリアルでは、チュートリアル内に詳細な追加タスクが提供されます。

サポートファイル

各チュートリアルのサポートファイルは、圧縮された.zip アーカイブにあります。

以下の各項目をダウンロードし、その内容をローカルディレクトリに保存してください。また、各チュートリアルから直接モデルパッケージをダウンロードすることも可能です。

HyperMesh tutorials HyperMesh_tutorial_inputs.zip
HyperWorks CFD tutorials HyperWorksCFD_tutorial_inputs.zip

SimLabについては、各チュートリアルのページに記載されているリンクからファイルをダウンロードすることができます。

このマニュアルで使用される表記規則

ワークスペースの項目や入力を示すために、さまざまな入力スタイルが使用されています。次に例を示します。
Turbulence equationをSpalart Allmarasに設定します。
サーフェスの名前としてSymmetryと入力します。
特定のコマンドやダイアログボックスにアクセスするためのメニュー選択を示すために、ミニフローチャートが使用されています。次に例を示します。
View > Defined Viewsを開き、Viewを+Zに設定します。

これは、ViewメニューをクリックしてDefined Viewsメニュー項目を選択し、開いたダイアログボックスで+Zというラベルの付いたボタンをクリックすることを示しています。

ミニフローチャートを使用して、データツリーで拡張表示する項目を示すこともあります。次に例を示します。
Model > Surfaces > Small Inletツリー項目を拡張表示します。

これは、まずModelツリー項目を拡張表示して、次にその下のSurfaces項目を拡張表示し、最後にSurfacesの下のSmall Inlet項目を拡張表示することを示しています。