モデルの作成

CADFEKOでモデルを作成します。このモデルに必要なポートと給電源をすべて定義します。このモデルの動作周波数または動作周波数範囲を指定します。

  1. モデルの寸法単位をセンチメートルに設定します。
  2. 次の変数を定義します。
    • epsr_a = 10.2(誘電体下層の相対誘電率)
    • epsr_b = 2.54(誘電体上層の相対誘電率)
    • f_min = 2.1e9(最小周波数。
    • f_max = 2.3e9(最大周波数。
    • lambda_a =c0/f_max/sqrt(epsr_a)*100(誘電体下層での波長)
    • lambda_b =c0/f_max/sqrt(epsr_b)*100(誘電体上層での波長)
    • d_a = 0.16(誘電体下層の高さ)
    • d_b = 0.16(誘電体上層の高さ)
    • patch_l = 4.0(パッチアンテナの長さ)
    • patch_w = 3.0(パッチアンテナの幅)
    • grnd_l = 2*patch_l(基板の長さ)
    • grnd_w = 2.5*patch_w(基板の幅)
    • feed_l = lambda_a(マイクロストリップ給電ラインの長さ)
    • feed_w = 0.173(マイクロストリップ給電ラインの幅)
    • stub_l = 1.108(マイクロストリップ給電ライン上での整合スタブの長さ)
    • ap_l = 1.0(開口部の長さ)
    • ap_w = 0.11(開口部の幅)
  3. 誘電体下層の誘電体媒質を作成します。
    • Relative permittivityepsr_a
    • Dielectric loss tangent:0
    • Labelbottom_layer
  4. 誘電体上層の誘電体媒質を作成します。
    • Relative permittivityepsr_b
    • Dielectric loss tangent:0
    • Labeltop_layer
  5. 開口部を作成します。
    1. 長方形を作成します。
      • Definition methodBase centre, width, depth.
      • Base centre (C):(0, 0, 0)
      • Width (W)ap_l
      • Depth (D)ap_w
      • Labelaperture
  6. 有限接地面を作成します。
    1. 長方形を作成します。
      • Definition methodBase centre, width, depth
      • Base centre (C):(0, 0, 0)
      • Width (W)grnd_w
      • Depth (D)grnd_l
      • Labelground
  7. 接地面に開口部を作成します。
    1. groundからapertureを減算します。
    2. Subtract1の名前をslotted_groundに変更します。
    これで、開口プレートをその中心に定義した穴が有限接地面に作成されました。
  8. パッチを作成します。
    1. 長方形を作成します。
      • Definition methodBase centre, width, depth.
      • Base centre (C):(0, 0, d_b)
      • Width (W)patch_w
      • Depth (D)patch_l
      • Labelpatch
  9. マイクロストリップ給電ラインを作成します。
    1. 長方形を作成します。
      • Definition methodBase corner, width, depth
      • Base corner (C):(-feed_w/2, -feed_l/2 + stub_l, -d_a)
      • Width (W)feed_w
      • Depth (D)feed_l
      • Labelfeed

Sourceは、エッジポートに配置された電圧源になります。

  1. 接地面と給電ラインを接続するプレート(ビア)を作成します。
    1. XZ plane上で給電ラインの終端に長方形を作成します。
      1. Definition methodBase corner, width, depth
      2. Custom workplaneを選択し、ワークプレーンの原点を(-feed_w/2, feed_l/2 + stub_l, -d_a)に変更します。
      3. U axisを中心にワークプレーンを90°回転し、XZ plane上に長方形を作成します。
      4. Base corner (C):(0, 0, 0)
      5. Width (W)feed_w
      6. Depth (D)d_a
      7. LabelfeedVia

エッジポートには正端子と負端子が1つずつ必要です。

  1. UV plane上の(0, 0, -d_a/2)の位置でfeedViaを分割します。
    1. 分割で得られた2つの結果パートの名前をport_bottomport_topに変更します。
  2. port_bottomport_topを結合し、得られたパートの名前をconducting_elementsに変更します。
  3. すべてのフェイスをPECに設定します。
    Note: この手順を実行しておくことにより、これ以降の結合操作を経てもこれらのフェイスをPECに維持できます。
  4. 誘電体下層を作成します。
    1. 立方体を作成します。
      • Base centre (C):(0, 0, -d_a)
      • Width (W)grnd_w
      • Depth (D)grnd_l
      • Height (H)d_a
      • Labelbottom_layer
  5. 誘電体上層を作成します。
    1. 立方体を作成します。
      • Base centre (C):(0, 0, 0)
      • Width (W)grnd_w
      • Depth (D)grnd_l
      • Heightd_b
      • Labeltop_layer
  6. すべてのパートを結合します。
  7. 誘電体下層の領域をbottom_layerに設定します。
  8. 誘電体上層の領域をtop_layerに設定します。
  9. feedportを分割して得られた2つの構成要素の間にエッジポートを追加します。
    • 負側フェイスは接地面に接続されたフェイスに相当します。
    • 逆の面が正側フェイスとなります。
      Tip: シングルポートモデルの場合、ポートの極は関係ありません。
  10. ポートに電圧源を追加します。(1 V, 0°, 50 Ω)
  11. f_minからf_maxまで連続した周波数範囲を設定します。
  12. X=0の平面を対称面とした対称性をMagnetic symmetryとして指定します。
    Tip: 大規模なモデルや複雑なモデルに対称性がある場合は、その対称性を利用することで計算の負荷を軽減できます。