チュートリアル:結果の比較

注釈を作成して複数の解析結果と最適化結果を比較します。

このレッスンでは、以下のことを学習します。
  • 解析結果の注釈の作成
  • 解析結果の比較
  • 最適化結果の比較
  • 比較する結果タイプの変更
  • 比較テーブルでの注釈の表示
  • 比較テーブルへのカラムのソートと追加


概要

最適化または有限要素解析を行うとき、それぞれにわずかな差異のある、さまざまに異なるモデルと結果が生成されるのが一般的です。結果の比較機能を使用すると、解析または最適化実行を表形式で簡単に表示して比較できます。現在のセッション中にInspireに生成または読み込まれた結果のすべてを比較できます。これを注釈と組み合わせると、解析結果を詳細に調べることができます。

主な使用例を以下に紹介します。
  • 複数の荷重ケースについて解析を実行する。例えば、すべての荷重ケース全体の最大応力結果を1つのテーブルで比較できます。
  • 形状コントロールと最小板厚の差異から生成される最適化実行を比較する。結果から得られる質量評価と、それぞれの実行で使用されるパラメータを要約することで、コストと複雑さに対するパフォーマンスを評価できます。
  • さらに要素サイズを小さくした単一のモデルを実行し、その結果を比較して、収束を確認する。

モデルを開いて解析結果を表示する

まず、モデルを開いて解析結果を表示し、解析エクスプローラを使用してその結果を比較してみましょう。
  1. F7キーを押してデモブラウザを開きます。
  2. Compare_Analysis_Results.stmodファイルをダブルクリックしてモデリングウィンドウにロードします。


    このモデルには、5つの異なる荷重ケースで複数のサーフェスとソリッドパートがあります。


  3. 単位系セレクターの表示単位がMPA(mm t N s)に設定されていることを確認します。
  4. 構造リボンの解析結果の表示ツールを選択します。


  5. 解析エクスプローラには、5つの荷重ケースがすべて示され、それぞれの荷重ケースは7つの異なる結果タイプに関連付けられています。


  6. 結果タイプで安全係数を選択し、荷重ケースのそれぞれをクリックスルーします。
    荷重ケースごとに最小結果を書きとめないと、それそれの荷重ケースの結果を比較することは困難です。

解析結果の比較

次に、比較テーブルを使用して結果を比較してみましょう。
  1. 解析エクスプローラの注釈で、 アイコンをクリックします。
    これで、最小安全係数が発生するところに注釈が追加されます。


  2. 解析エクスプローラで結果の比較ボタンをクリックします。
    モデリングウィンドウの下に、荷重ケースすべての全体の最小安全係数を比較するテーブルが表示されます。


  3. テーブルタイトルをクリックし、変位を選択して、比較する結果のタイプを変更します。


  4. 比較テーブル内のカラムヘッダーを右クリックし、カラムとして表示する別の結果タイプとパラメータを選択します。


  5. 安全係数(最小値)カラムヘッダーをクリックし、この結果に基づいて解析実行をソートします。
    続けてクリックすると、ソート順を昇順と降順に切り替えられます。
  6. ソートすると、ソート順が昇順であるか降順であるかを示す矢印がカラムヘッダーに現れます。矢印を右クリックするとウィンドウが開き、表示して結果をフィルタリングする実行および荷重ケースを選択できます。


モデルに注釈を追加する

すべての荷重ケース全体の特定の場所での応答を把握するのに役に立つことがあります。この情報は注釈を使って把握できます。
  1. 解析エクスプローラで"forward left"荷重ケースを選択します。


  2. 結果タイプにフォンミーゼス応力を選択し、最大フォンミーゼス応力の領域を特定します。


  3. 解析エクスプローラの注釈で、 アイコンをクリックします。
  4. モデリングウィンドウの最小/最大をクリックし、同じ位置に注釈を作成します。


  5. 注釈の下の アイコンをクリックして、最小値 / 最大値の注釈:をオフにします。
  6. 注釈を右クリックし、コンテキストメニューから結果タイプ > X変位を選択します。
    ここから、注釈の場所に表示する別の結果タイプや得られた他の結果(反力など)を選択できます。


  7. また、注釈は比較テーブルにも表示できます。
    1. テーブル内のカラムヘッダーを右クリックし、注釈 > 最小値 / 最大値の注釈:1を選択して、これをカラムとしてテーブルに追加します。
    2. テーブルタイトルをクリックし、最小値 / 最大値の注釈:1を選択して、注釈の位置でさまざまな結果タイプを比較します。
    注: テーブル内のセルの内容は、ハイライト表示してから、Ctrl+CCtrl+Vキーを使用して、コピー&ペーストできます。

最適化結果の比較

次に、比較テーブルを使用して、最適化結果を比較します。
  1. デモブラウザ内のCompare_Optimization.stmodファイルをダブルクリックしてモデリングウィンドウにロードします。
    このモデルには、3つの荷重ケース、2組の最適化結果、および2組の再解析結果があります。


  2. 構造リボンの最適化結果の表示ツールを選択します。


  3. 形状比較には、トポロジーが非常に異なる2つの最適化結果があります。


  4. 形状比較で結果の比較ボタンをクリックします。
    実行ごとに、最適化された質量とコンプライアンスを比較するテーブルが表示されます。


  5. テーブル内のカラムヘッダーの1つを右クリックし、形状コントロール対称コントロール荷重ケース目標、および板厚を選択して、これらのカラムをテーブルに追加します。
  6. 先頭行の実行名をダブルクリックし、続いて2行目の実行名をダブルクリックします。
    テーブル内で選択される実行に基づいてモデリングウィンドウに表示される最適化形状が更新されます。
    注: 2番目の実行には両方向型抜き形状コントロールがあり、最小板厚は最初の実行の2倍であることに注意してください。また、最初の実行では最適化形状の質量は2番目の実行の場合よりも小さいです。これは、設計上の制約が少ないほどより最適な形状が得られるためで、予想どおりです。最初の実行は、従来の方法を使用して製造すると、おそらくもっと複雑になるため、コストも増加します。これらの結果を表形式にまとめると、デザインコンセプトの評価に大いに役立てることができます。

再解析結果を比較する

ここで、前に戻って再解析結果の比較を行います。これらの結果は、最適化結果ごとに、形状比較の解析ボタンをクリックして作成したものです。
  1. 構造リボンの解析結果の表示ツールを選択します。


  2. 解析エクスプローラで結果の比較ボタンをクリックします。
    実行と荷重ケースごとの総質量と最小安全係数を比較するテーブルがモデリングウィンドウの下に表示されます。
  3. テーブル内のカラムヘッダーの1つを右クリックし、変位(最大値)フォンミーゼス応力(最大値)、および解析の設定 > 要素サイズを選択して、これらのカラムをテーブルに追加します。


初期の段階で多くのコンセプトのパフォーマンスを迅速かつ容易に比較できるため、最適な設計フィーチャーと潜在的な問題領域を特定できるとともに、設計プロセスの重要な部分でもあります。