遠方界と受信アンテナ
遠方界と受信アンテナに関するデータは、遠方電界データ、RCS、利得、指向性、および放射電力で構成されます。
遠方界と偏波タイプ
VALUES OF THE SCATTERED ELECTRIC FIELD STRENGTH IN THE FAR FIELD in V Factor e^(-j*Re{BETA}*R)/R not considered LOCATION ETHETA EPHI directivity in dB ... THETA PHI magn. phase magn. phase vert. horiz. total ... 0.00 0.00 2.626E-16 -178.03 2.321E-16 22.06 -308.6129 -309.6881 -306.1070 ... 2.00 0.00 7.271E-02 104.04 0.000E+00 0.00 -19.7678 -999.9999 -19.7678 ... 4.00 0.00 1.449E-01 104.02 0.000E+00 0.00 -13.7772 -999.9999 -13.7772 ... POLARISATION axial r. angle direction 0.1758 138.76 RIGHT 0.0000 180.00 LINEAR 0.0000 180.00 LINEAR Gain is a factor of 1.00000E+00 ( 0.00 dB) larger than directivity The directivity/gain is based on an active power of 8.35911E-03 W and on a power loss of 0.00000E+00 W
入射平面波の場合、表示される値は散乱場の値であり、入射場は考慮されていません。一方、基本的なヘルツダイポールや印加放射パターンなどの他の給電源の場合は、給電源から放射された場も記述されます。
遠方界では、次の関係式を使用して複素場強度 を定義します。
.outファイルでは、 (垂直)成分と (水平)成分( の成分)が、振幅 別と位相 別に一覧表示されます。
POSTFEKOを使用すると、他の偏波の結果を抽出できます。対応する式は次のとおりです:
S偏波:
Z偏波:
左円偏波:
右円偏波:
レーダー断面
レーダー断面の場合は、複素振幅が の入射平面波によって以下の式による電力密度が伝搬します。
その結果、レーダー断面(RCS) を次の式で定義できます。
利得と指向性
利得についても同様の定義を使用できますが、次に示すように、基準として機能するのは給電電力 であり、放射電力 は基準ではない点が異なります。
利得と指向性の間では、次の関係が維持されます。
ここで、 はアンテナ効率です。
偏波と軸比
Figure 1. 遠方界の楕円偏波。
座標は 、 、および で、この図では波の伝搬方向が手前( )になっています。
これらの量を評価するために、遠方界成分の振幅と位相を次のように定義します。
略号 を使用すると、空間における一時電界強度ベクトルを次のように記述できます。
この方程式は、この図に示した偏波楕円を表しています。
電界強度の最小値と最大値が、それぞれ次の時点で発生します。
ここで、 および として、 を前提とすると、図に基づいて、 および になります。
軸比(短軸/長軸)は次の式で定義できます。
軸比(長軸/短軸)は次の式で定義できます。
軸比(短軸/長軸)が0の場合は直線偏波であり、軸比(長軸/短軸)が1の場合は円偏波です。電界の回転方向は、 の場合は右回り(RHC)、 の場合は左回り(LHC)です。
Fekoでは偏波角 も計算して出力されます。これは、偏波楕円の長軸と単位ベクトル が成す角度で、次の式を使用して計算できます。
ポインティングベクトルと放射電力
θとφの両方向に2つ以上の点を要求する遠方界要求を設定している場合は、指定した扇形の範囲でポインティングベクトルが積分されます(FFカードの詳細な説明を参照)。この積分によって放射電力が得られ、電界値の下に示されます。
遠方界電力の積分のみを実行するように遠方界要求を設定することもできます。この場合は、出力ファイルに電界値が書き込まれません。
VALUES OF THE SCATTERED ELECTRIC FIELD STRENGTH IN THE FAR FIELD in V Factor e^(-j*Re{BETA}*R)/R not considered Integration of the normal component of the Poynting vector in the angular grid DTHETA = 5.00 deg. and DPHI = 5.00 deg. (2701 sample points) angular range THETA angular range PHI radiated power -2.50 ..182.50 deg. -2.50 ..362.50 deg. 8.19957E-03 Watt 0.00 ..180.00 deg. 0.00 ..360.00 deg. 8.08720E-03 Watt Polarisation dependent radiated power: horizontal polarisation: 4.81599E-09 Watt ( 0.00 %) vertical polarisation: 8.08719E-03 Watt (100.00 %) S polarisation: 4.04360E-03 Watt ( 50.00 %) Z polarisation: 4.04360E-03 Watt ( 50.00 %) left hand circular pol.: 4.04360E-03 Watt ( 50.00 %) right hand circular pol.: 4.04360E-03 Watt ( 50.00 %)
- 1行目は、指定した各点が積分で増分される領域の中心に置かれているという前提の下で合計電力を記述しています。そのため、実効的な積分領域は、開始角度と終了角度で決まる領域より若干大きくなります。
- 2行目は、開始角度と終了角度で決まる領域で積分した合計電力を記述しています。
たとえば、遠方界を から 、および から の各範囲で、 の増分で積分すると、最初の合計が球全体の合計電力となります。積分範囲を から 、および から に設定した要求とすることもできます。この場合は、2番目の合計が球全体の正しい電力になります。
データの2番目のブロックに記述された偏波依存電力は、2行目の実効的な積分領域に基づいて計算された値です。
受信アンテナ
Receiving antenna (far field pattern) with name: FarFieldReceivingAntenna1 RECEIVED POWER FOR IDEAL RECEIVING ANTENNA (FAR FIELD PATTERN) Received power (ideal match assumed): 2.6019E-03 W Relative phase of received signal: -8.6549E+01 deg.