チュートリアル:ポリマーソリッド押出

Inspire Extrudeインターフェース、ソリッドプロファイル押出解析の設定と実行、および解釈のための結果のポスト処理について学習します。

チュートリアルモデルを開く

データファイルは、<インストールディレクトリ>\Altair\2022\InspireExtrudePolymer2022.1\tutorial_models\extrudepolymer\tutorial-1 の下のtutorial_modelsフォルダーにあります。
RubberTrimSolid.x_tチュートリアルモデルファイルをファイルメニューから開くか、このファイルをInspire Extrudeウィンドウにドラッグアンドドロップして開きます。
モデルはInspire Extrudeウィンドウに表示されます。

モデルの向きを合わせる

  1. ポリマーリボンをクリックします。
  2. 向きアイコンをクリックします。

  3. モデル上の出口サーフェスをクリックします。

    プロファイルが、Y=0のランアウトテーブルサーフェスに位置付けられ、正のZ方向に押し出されるように、モデルの向きを設定します。



流動ボリュームの抽出

  1. ポリマーリボンをクリックします。
  2. 流動ボリュームアイコンをクリックします。

  3. クリックしてモデル全体の上でカーソルをドラッグし、ボックス選択して放します。


不要なソリッドの削除

  1. ソリッドを選択しやすいように、モデルの向きを設定します。

  2. 流動ボリュームに属するソリッドを選択し、Hを押してこれらを非表示にします。

  3. 残りのソリッドを削除します。

  4. Aを押して、残りのソリッドを表示します。
  5. CTRLを押したまま、モデルの外部にある複数のソリッドを選択します。

  6. Hを押して、選択されたソリッドを非表示にします。

材料の選択

  1. 材料アイコンをクリックします。

  2. PVC > PVC_Genericの順に選択します。
  3. 合金名を右クリックし、これを選択します。

    注: 材料を検索するには、材料ウィンドウで検索ボックス内をクリックする方法もあります。
    1. 検索ボックス内をクリックします。

    2. 合金名を入力します。
    3. 合金名を右クリックし、これを選択します。

    注: 材料を選択解除するには、選択されている材料を右クリックし、Deselectをクリックします。これは単一のポリマー押出ダイスであるため、このシミュレーションに必要なポリマーは1つだけです。

処理データの指定 - 入口

  1. 入口アイコンをクリックします。

  2. ポリマー融液の入口領域にズームインし、入口フェイスを選択します。

  3. 入口条件を指定します。

ソリッドのポリマー層への編成

  1. ポリマーの流れを定義するフローソリッドのみを表示します。

  2. Organizeアイコンをクリックします。

    Inspire Extrudeは、必要なソリッドを結合し、名前を変更して、選択したソリッドをLayer-1アセンブリに編成します。

プロファイルソリッドの作成

  1. Profileアイコンをクリックします。

  2. 図のようにランドサーフェスにズームインし、そのサーフェスをクリックします。

    Inspire Extrudeはプロファイルソリッドを作成し、デフォルトとして、ランドの3倍の長さを使用します。これは必要に応じて変更できます。このモデルでは、60mmのプロファイルソリッド長が必要です。このモデルの出口は1つだけなので、このステップを繰り返す必要はありません。

ダイスアセンブリソリッドの削除

ダイスアセンブリに属するダイスプレートソリッドを選択し、示されているようにこれらを削除します。Aを押して、これらを表示します。これらのソリッドはフローシミュレーションには不要で、形状クリーンアップで問題が生じます。



モデルの保存

ファイル > 名前をつけて保存の順にクリックして、モデルを保存します。
注: この新しいモデルは、今後ファイルが競合するのを防ぐため、元のチュートリアルモデルの場所とは別の場所に保存することをお勧めします。

シミュレーションのためのジョブのサブミット

  1. 解析の実行アイコンをクリックします。

  2. 解析プロセスのパラメータを指定します。

  3. 実行をクリックします。

ジョブステータスのモニター

結果の準備が整うと、解析アイコンの上に、結果を可視化する準備が整ったことを通知する緑色のフラグが表示されます。

OUTファイルデータの解釈

ポスト処理の目的は、ソルバーにより生成された結果を解釈し、これらを設計の検証 / 改善に利用することです。ソルバーにより生成された結果は次の重要な2つのファイルに格納されます:
  1. OUTファイル:これは、入力データの検証に役立ち、結果の簡単な概要を提供するASCIIファイルです。
  2. H3Dファイル:これは、詳細な結果が含まれるバイナリファイルです。
注: このセクションは、このチュートリアルの結果からは離れていますが、Inspire Extrudeのどのようなプロジェクトでも、汎用的に適用できます。
  1. 次のようなデータをチェックすることにより、入力データを検証します:
    1. 解析の収束
    2. 質量バランステーブル
    3. 最小 / 最大速度テーブル
    4. 力バランステーブル
    5. エネルギーバランステーブル
    6. 解析の概要
  2. 押出比:モデルの次の側面をチェックすることにより、押出比が正しいかどうかを確認します。
    • 出口面積に対する入力面積の比をチェックします。これにより、押出で材料がどれだけ変形するのかについて、全体的な程度がわかります。
    • Extrusion Ratioの値が正確ではない場合は、モデルの流入境界および流出境界を調べて検証し、修正します。
  3. ライセンスタイプ:解析している問題のタイプに応じて、ベーシックかアドバンストのいずれかのライセンスがチェックアウトされます。
  4. モデル情報:次の値を確認することにより、解析情報をチェックします。
    • Geometryの値が0の場合、3Dモデルであることを示します。
    • 値0は、Stokes方程式が解かれることを示します。
    • 値0は、非等温解析を示します。
    • 値1は、定常シミュレーションを示します。
    Review Unit systemがMODEL UNITSセクションの下にあります。
    以下を確認することにより、モデル情報を検証します。
    • ツール材料はSolid Materialと示されます。
    • 押し出される材料はFluid Materialと示されます。
    • この例では、ツール解析は実行されず、ソリッド材料数は0です。
    • 要素のメッシュサイズとタイプをチェックします。
    注: これらのデータのほとんどはデフォルト値で、ユーザーによって変更されることはあまりありません。
  5. モデルパラメータ:Mesh Update Parametersを確認します。このためには、以下を行います:
    • 自由表面の計算が実行されるかどうかをチェックします。
    • 自由表面開始位置など、その他の関連パラメータを確認します。
    Material Propertiesを確認します。このためには、以下を行います。
    • ポリマー材料に採用される粘度モデルを確認します。
    • 構成モデルデータを確認します。
    • 粘度の温度依存性がどのように考慮されるのかを確認します。
  6. 参照数量:
    Energy Equation Dataを確認します。仕事はエネルギーに変換され(%)、ここでは粘性消散が考慮されます。解析で使用される参照数量を確認します。数値解析で使用されるさまざまなパラメータを確認します。このためには、以下を行います。
    • ソルバーで使用される緩和パラメータを確認します。
    • 解析変数に使用される収束基準を確認します。
    注: これらのデータのほとんどはデフォルト値で、ユーザーによって変更されることはあまりありません。
  7. 解析収束履歴:
    Norm of Change in Solutionを確認します。変化のノルムは最初は振動する場合がありますが、これらすべての解析コンポーネント(速度、圧力、温度)について、最初の数回の反復の後に着実に減少します。この解析では、すべての変数についてNorm of Change in Solutionの値がトレランス(0.001)未満の場合、‘収束’と見なされます。収束速度が遅い場合、または振動している場合は、メッシュが粗すぎることを示しています。


    注: converge.histファイルのデータを使用してプロットが作成されます。
  8. 質量バランスの検証:
    Mass Balanceが、質量の収束が保証される1%未満であるかどうかを確認します。Mass Fluxテーブルには、各境界における質量流量が示されています。正の値は境界から入る材料を示し、負の値は境界から出る材料を示します。
  9. 平均速度:
    また、このテーブルは各境界面を通過して入る / 出る材料の平均速度も示しています。ソリッド壁での速度はほぼ0である必要があり、対称面上の速度は0である必要があります。自由表面の境界での速度は、小さくなければなりません(押出速度よりも数桁以上小さい数値)。
  10. 最小 / 最大速度:
    押出方向のプロファイル出口速度は他の方向の速度よりかなり大きくなる必要があります。押出方向以外の方向の速度は、プロファイルのたわみの可能性を示しています。ソリッド壁での速度は、ほぼゼロでなければなりません。
  11. 力バランスの検証:
    正の値はサーフェスにかかる力を示し、負の値は応答を示します。また、このテーブルには各境界面での平均圧力も含まれています。

    入口での平均圧力が許容範囲内かどうかを確認します。これらの条件を満たさない場合は、境界条件および材料プロパティを確認します。

  12. 粘性消散:
    変形中に生じる熱量の、機械的仕事の熱出力からの逸脱は、5%以内でなければなりません。上記の数値は、入口面での圧力、流入速度、入口面の面積、および熱に変換される仕事量の割合から計算できます。一部の例を以下に示します:
    • P = 10 MPa = 10 e+6 Pa
    • V = 5 mm/s = 0.005 m/s
    • A = 4000.0 mm^2 = 4000e-6 m^2
    • 変換率 = 90%
    生成される熱 = 10e+6 X 0.005 X 4000e-6 x 0.9 = 187.55W = 180 W = 0.180 kW熱バランステーブルの粘性消散の値 = 1.81e-1 kW差異は5%未満です。

シミュレーション結果の表示

解析エクスプローラでシミュレーション結果を確認します。