対象範囲

Upfront Data Loadingプロファイルは、衝突のポスト処理、または更に広範な時間ベースの陽解析に機能するよう設計されています。ワークフローはユーザーが事前に読み込むデータを定義し選択できるよう変更されており、読み込まれたデータは素早くアクセスできるようキャッシュに置かれます。また、結果のデータをより速くより効率的に読み込むための新しい結果インフラストラクチャーを備えています。これらの理由により、標準のHyperViewに用意されているほとんどのツールや機能が、このプロファイルでは無効になっているか、もしくは完全にはサポートされません。対象範囲は今後のリリースで拡張され、これらの制約の一部が除かれる予定である点にご理解ください。パフォーマンスおよびメモリ消費もまた最適化されます。
サポートされるフォーマット
Upfront Data Loadingモードは主として衝突のポスト処理(陽解析の時間ベースのアニメーションと結果)をターゲットとしています。したがって、一部のフォーマットのみがサポートされています。
  • ABAQUS input(.inp, .pes)
  • ABAQUS ODB (.odb)
  • FEMZIP DSY (.fz)
  • FEMZIP Radioss Reader (.fz)
  • FEMZIP d3plot (*d3plot*、.fz)
  • Hyper3D (.h3d) - 下の注記を参照のこと
  • LS-DYNA Keyword Input(k*、.dyn、.bdf)
  • LS-DYNA d3plot (*d3plot*, *d3int, *intfor and .ptf)
  • PAM-CRASH DSY (.dsy)
  • PAM-CRASH HDF5 (.erfh5)
  • PAM-CRASH Input (.pc、.dat)
  • PAMCRASH2G Input (.pc、.dat)
  • RADIOSS (A) Result (*A001 and .gz)
  • RADIOSS Format (*D00 and .RAD)
注:
  • サポートされていないファイルフォーマットを開こうとすると、ファイルは読み込まれず、ダイアログが表示されます。サポートされているフォーマットになることでファイルが読み込まれる場合もありますが、これは完全にはサポートされていないことに留意する必要があります(たとえば、モード結果を含んだOptiStructまたはAbaqus ODBなどの非衝突ソルバーによって生成されたH3Dなど)。そのようなファイルには、Upfront Data LoadingプロファイルなしでHyperViewを使用することが推奨されます。
  • もう1つの気を付けるべき例外は、HyperViewによって生成されたH3Dはサポートされず、そのようなファイルの読み込み時にはエラーメッセージが出される点です。
サポートされていないツール群
下記のツール群は無効です(対応するパネル群へのアクセスも無効となります):
  • Derived ResultsとDerived Loadcase
  • Result Math Templates、およびFree Body Diagramsなどの関連ツール群
  • Build Plots
  • Stress Linearization
  • FLD
  • Add Object
  • Streamlines/CFD Post-processing
  • Add Multiple Result Files
  • Reader Options Dialog
  • Export H3D
  • ModalまたはLinearアニメーションモード
サポートされていないモデル / 結果データ
下記のモデル / 結果はサポートされません(エラーメッセージが出される可能性があります):
  • アダプティブメッシュを含んだモデル / 結果
  • Multi-Body Dynamics結果ファイル
  • HyperViewから生成されたH3D
  • モーダル複素または線形静結果
入力デックからのキーモデル情報の読み込み
  • モデルの形状(節点、要素、コンポーネント)が読み込まれます。
  • セット、材料、プロパティはこの時点では直接は読み込まれません。
    注: v2021より、アセンブリとインクルードの階層は、入力デックから直接読み込むことができるようになりました。また、ToolsメニューのExtract Solver Deck Dataオプションは、アセンブリまたはインクルードの階層情報をインポートするために使用できます。
セッション / レポートテンプレートの保存と再読み込み
Upfront Data Loadingプロファイルでのセッションの保存と再読み込みは、標準のHyperViewとは異なります。後者では、アクティブなステップの状態を復元するために必要な情報のみが保存されます。しかし、この新しいプロファイルでは、どのデータがキャッシュ化 / 読み込みされているかの追加情報もまた保存されます。たとえば、モデルには50のステップが含まれる可能性があるが、ユーザーは5つのステップしか読み込んでいないかもしれません。この情報は保存されます。
これのメリットとして、ユーザーが再度Upfront Data Loadingセッションを開いた際にこのデータがすべて自動的に読み込まれ、作業をすぐに再開できるという点があります。またこれは、標準のHyperViewと比べてこのプロファイル内でセッション全体を復元するには、より長く時間がかかるかもしれないということを意味します。将来のリリースでは、この機能は最適化される予定です。
重要: この時点では、標準の(Upfront Data Loadingではない)HyperViewで保存されたセッションファイル / レポートテンプレートをUpfront Data Loadingプロファイルに読み込むことはできません。アプリケーションは、セッションを読み込むためにモードを切り替えたいかどうかをユーザーに尋ねます。

既知事項

以下の事項はユーザーが認識するようここに記され、将来のリリースで取り上げられます:
  • モデルおよびレポートテンプレートのコピーペーストまたはオーバーレイについての一部の問題点
  • 重複したコンポーネントを含む誤ったモデルのアセンブリ階層
  • モデルとしてPam-Crashモジュラー入力、結果ファイルとしてERFH5を使用した際に変位のコンターがN/Aを示す問題。この組み合わせは使用せず、代わって、モデルと結果としてERFH5を用いることが推奨されます。
  • 特にトランジェントサブケースと複素モーダルサブケースのような混合の解析タイプを含む際、または一部のデータタイプがすべてのサブケースにわたって無効であるような複数の荷重ケーストランジェントモデルを読み込む際のLoad Dataブラウザのユーザーインターフェースの問題。
  • queryパネル内でのオプションの欠落や不正確な結果定義読み込みステータスといった幾つかのマイナーなユーザーインターフェースの不具合が、繰り返されるステップの読み込みまたはアンロードで見かけられます。
  • Upfront Data Loadingが正しくオフにされていても、標準のHyperViewセッションファイルを読み込む際に、プリファレンスファイルはHyperWorks (デフォルト)に切り替わりません。

このワークフローに追加されている様々なTcl/Tkコマンドに関した詳細情報については、HyperWorks Desktop Reference GuideのUpfront Data Loader APIsトピックをご参照ください。