FEジオメトリ

FEジオメトリはメッシュの上にトポロジーを乗せたもので、CADとメッシュは一体として存在していることになります。FEジオメトリの目的は、CADジオメトリを持たないFEモデルに、頂点、エッジ、サーフェス、ソリッドを追加することです。

ツールやワークフローは、CADとFEで同じように操作できます。FEジオメトリでは、トポロジーをベースのため、メッシュの選択が容易になります。

FEジオメトリは、1Dおよび2D要素に使用することができます。関連するCADがない場合は、FEジオメトリを使用することをお勧めします。

FEジオメトリの作成

HyperWorksのツールでのFEジオメトリの作成は、ファイル > プリファレンス > Geometryで制御します。

作成モードがCAD geometryに設定されている場合、作成されたすべてのポイント、ライン、サーフェス、およびソリッドは、CADジオメトリとなります。

作成モードがFE geometryに設定されている場合、作成されたすべてのポイント、ライン、サーフェス、およびソリッドは、FEジオメトリとなります。

Midmeshのデフォルトの抽出出力は、FEジオメトリのみとなります。

ツールおよびワークフローに適用される作成ルール

  1. 入力がCADジオメトリの場合、出力されるジオメトリは、CADジオメトリです。
    2つのCADエッジからの補間サーフェスの作成では、CADジオメトリサーフェスが生成されます。


    図 1.
  2. 入力がFEジオメトリの場合、出力されるジオメトリは、FEジオメトリです。
    2つのFEジオメトリエッジからの補間サーフェスの作成では、FEジオメトリサーフェスが生成されます。


    図 2.
  3. 入力がCADジオメトリとFEジオメトリの混合の場合、出力ジオメトリは、CADジオメトリです。
    混合選択(CADエッジとFEジオメトリエッジ)からの補間サーフェスの作成では、CADサーフェスが生成されます。


    図 3.

FEトポロジーのリビジョン

HyperWorksのツールでのFEトポロジーのリビジョンは、ファイル > プリファレンス > Meshingで制御します。

FEトポロジーのリビジョンには、3つの方法のいずれかを使用できます。

Keep mesh
FEトポロジーのリビジョンで既存のメッシュを維持します。
Remesh
FEトポロジーのリビジョンで周辺のメッシュをリメッシュします。
Rebuild
FEトポロジーのリビジョンで周辺のメッシュを再構築します。
Number of layers
トポロジーのリビジョンでリメッシュまたは再構築するゾーンを定義します。

FEジオメトリへの変換とFEジオメトリの更新

FEジオメトリツールを使用することで、要素やCADサーフェスをFEジオメトリに変換したり、既存のFEジオメトリを更新することができます。

  1. ジオメトリリボンから FEジオメトリツールをクリックします。


    図 4.
  2. 2次リボンからオプションを選択します。
    オプション 説明
    CADから(From CAD)

    変換するCADジオメトリを関連する要素と共に選択します。
    要素から(From Elements)

    変換するジオメトリに関連付けられていない要素を選択します。

    ガイドバーをクリックして、オプションを定義します。

    Create at features
    Simple - 隣接する要素の法線間の角度のみに基づいてフィーチャーを識別する高速な手法。これに基づいてサーフェスが作成されます。
    Connected - “孤立した”または閉じていないフィーチャーラインを見つけ、これを回避します。これは、微小領域結合のためのさらに厳密なチェックを行い、サーフェスの作成時に、途中で終了するフィーチャーやどのフィーチャーにも結合しないフィーチャーの作成を回避します。以下に例を示します:


    図 5.
    Edge feature angle
    隣接する要素の法線間の角度に基づくフィーチャー角度。設定に基づいて、サーフェス上にフィーチャーが作成されます。
    Vertex feature angle
    結合されるサーフェスに対する入力サーフェスの結合性を維持します。
    Allow open features
    このオプションでは、図 5のSimpleの例で示されているような孤立したフィーチャーエッジを作成できます。
    Create at component boundaries
    コンポーネントの境界を分離するフィーチャーエッジが作成される一方で、異なるサーフェスが作成されます。
    Create solids
    閉じたボリュームを形成する孤立した要素は、ソリッドに変換されます。
    Create at 1D elements
    1D要素でフィーチャーエッジが作成されます。
    更新(Update)

    更新する既存のFEジオメトリを選択します。

    サーフェスと要素を選択でき、上記オプションを使用して、新しいFEジオメトリを作成できます。

    “From Elements”の各オプションに加え、ガイドバーをクリックすることで、以下を定義できます:

    Remove existing features
    FEジオメトリを作成する前に、既存のフィーチャーを削除できます。
    Create at selection boundaries
    要素の選択を考慮してフィーチャーエッジが作成されます。

FEジオメトリの可視化

  1. ブラウザのCADアイコンで、ジオメトリとメッシュの両方のオン / オフを切り替えます。


    図 6.
    注: ブラウザのFEアイコンは、FEジオメトリには何の影響も与えません。
  2. 要素をすべて表示することにより、FEジオメトリが表示されます。


    図 7.
  3. FEジオメトリサーフェスから部分的な要素を非表示にすることにより、そのFEジオメトリサーフェスのすべての要素が非表示になります。


    図 8.
  4. FEジオメトリサーフェスから部分的な要素を分離することにより、そのFEジオメトリサーフェスのすべての要素が分離されます。


    図 9.
  5. FEジオメトリラインから部分的な1D要素を非表示にすることにより、そのFEジオメトリラインのすべての要素が非表示になります。


    図 10.
  6. FEジオメトリラインから部分的な要素を分離することにより、そのFEジオメトリラインのすべての要素が分離されます。


    図 11.
  7. FEジオメトリソリッドから部分的な要素を非表示にすることに、可視化に関する効果はありません。


    図 12.
  8. FEジオメトリソリッドから部分的な要素を分離することにより、そのFEジオメトリソリッドのすべての要素が分離されます。


    図 13.
  9. 異なるコンポーネントコレクターに保存されたFEジオメトリの要素は、FEコンポーネントモードのみで可視化できます。


    図 14.
    注:
    • コンポーネントごとの可視化により、FEジオメトリサーフェスのコンポーネントの色が表示されます。
    • FEコンポーネントごとの可視化により、FEジオメトリ要素のコンポーネントの色が表示されます。
  10. FEジオメトリサーフェスの新しいコンポーネントへの保存により、そのすべてのサーフェス要素がそのコンポーネントに移動されます。


    図 15.
    注: サーフェスとその要素は同じコンポーネントに属しています。
    推奨事項:
    FEジオメトリサーフェスとその要素は、同じコンポーネントに保持することをお勧めします。ただし、板厚のマッピングなど、一部のケースでは、要素を異なるコンポーネントに保存できます。

FEジオメトリをサポートしていない機能

以下は、HyperWorks 2022でまだFEジオメトリをサポートしていない機能のリストです。

ジオメトリ

  • Extend:“Auto trim intersecting surface”オプションを使用したターゲットでのステッチはサポートされていません。
  • 相互延長
  • Offset
  • Ruled:CADとFEのジオメトリサーフェスの混合選択はサポートされていません。
  • Drag/Spin:FEジオメトリソリッドのプレビューは使用できません。
  • Midlines:FEジオメトリソリッドはサポートされていません。
  • Midsurfaces
  • Split > Lines:FEジオメトリのライン分割はサポートされていません。
  • Split > Surfaces:拡張部のトリミングは、FEジオメトリではサポートされていません。
  • Split > Surfaces:“Trim both”は混合選択ではサポートされていません。
  • Split > Surfaces:“Self-intersecting surfaces”は混合選択ではサポートされていません。
  • Split > Surfaces:FEジオメトリを使用したCADの分割はサポートされていません。
  • Split > Plane:FEジオメトリのライン分割はサポートされていません。
  • Split > Plane:レビューはFEジオメトリのソリッド分割では使用できません。
  • Stitch:混合選択はサポートされていません。
  • Suppress:混合選択はサポートされていません。
  • 除去解除
  • フィレット(Fillets)
  • ブーリアン
  • プラグ
  • Defeature > Cuts、Small Features、Logos、Fillets and Batch
  • エッジの保持

メッシュ

  • BatchmeshとRigid body meshingは、入力としてFEジオメトリをサポートしていません。
  • 要素チェック(F10)の1D & 2Dパネルで、FEジオメトリ要素にプロットコンターを割り当てることはサポートされていません。
  • Tetra:FEジオメトリソリッド要素の作成はサポートされていません。
  • Hex:FEジオメトリソリッド要素の作成はサポートされていません。
  • Solid Map:FEジオメトリソリッド要素の作成はサポートされていません。
  • Thin Solids:FEジオメトリソリッド要素の作成はサポートされていません。

Elements

  • Refine > Auto quads and Box
  • Coarsen
  • Imprint/Extend
  • Hole/Gap Fill
  • Normals:FEジオメトリサーフェスの法線の表示と調整はサポートされていません。

HyperMesh Post

HyperMeshのポスト処理はFEジオメトリをサポートしていません。

FEジオメトリを作成するオプションが“オン”の状態でソルバーデックをインポートした場合、またはモデルの一部がFEジオメトリに変換された場合、HyperMeshのポスト機能が失われます。HyperMeshのポスト処理を行うためには、モデル内に存在するFEジオメトリを削除する必要があります。