ComputeIncrementalMatrixInductanceForNonMeshedCoilsMagnetoStatic.PFM

概要

本書では、ComputeIncrementalMatrixInductanceForNonMeshedCoilsMagnetoStatic.PFMマクロの使用方法について説明します。目標は、3D静磁気プロジェクトで非メッシュ化コイルによる増分インダクタンスのマトリックスを計算できるようになることです。このマクロは、増分インダクタンスのマトリックスデータを含む出力Excelファイルを自動作成します。

このマクロの目的

このマクロは、増分インダクタンスのマトリックスデータを含む出力Excelファイルを自動作成します。各ケースについて(プロジェクト内の磁石の有無によらず)、増分インダクタンスが評価されます。

計算原理を以下に示します:

最初の計算は、コイル電流の基準値(指定のプロジェクトで非メッシュ化コイルに対して設定された値が基準値として考慮されます)に対して行われます。また、増分インダクタンスマトリックスは、この動作ポイント (I1, I2)(I1, I2) において計算されます。

その後、コイル電流が IΔI で増分され、各ステップで各コイルを貫く磁束が計算されます。この手順は次のように表されます:

プロジェクト内の非メッシュ化コイルの数が2とすると、この原理は次のようになります:
  • 最初の計算
    • コイルの基準電流値: I10 , I20 Ф10 , Ф20I10 , I20 Ф10 , Ф20
  • 2番目の計算
    • 電流の変化に関して I1I1 を増分、 I2 を基準値に設定。 I10*(1+%I) , I20 Ф11 , Ф21
  • 3番目の計算
    • 電流の変化に関して I2 を増分、 I1 を基準値に設定。 I10 , I20*(1+%I) Ф12 , Ф22

増分インダクタンスマトリックスは、次のように表されます:

[L1= Ф11 -  Ф10I1M12= Ф12 -  Ф10I2M21= Ф21 -  Ф20I1L2= Ф22 -  Ф20I2]I1 ,  I2

注: コイルの基準電流が0の場合、このコイルの増分インダクタンスは、電流の変化が10mAであるとして計算されます。

パラメータ

パラメータは次のようになります:
  • 基準値に対して%でコイル電流の変化を設定します。この値はデフォルトでは1%に設定されます。
  • 各増分に対する.FLUファイルに相当する中間ファイルを保存するかどうかを選択します。
  • 結果のインダクタンスマトリックスを含むExcel出力ファイルの名前を選択します。

マクロの動作

これは以下のアクションを実行します:
  • 基準値による最初の計算で、
    1. 初期ファイルを保存します。
    2. 各コイルのセンサーを作成し、磁束を計算します。
    3. コイル電流の基準値で最初のシナリオを解析します。
  • 各増分で、
    1. コイル電流値を設定します。
    2. 対応するシナリオを作成し、解析します。
    3. コイルを貫く磁束を計算し、格納します。
  • プロセスが終了したら、上記のステップで格納したデータから増分インダクタンスマトリックスを計算します。
  • コンソールに結果を表示します。
  • Excelファイルに結果をエクスポートします。