Transient Electric： 解を求める方程式

概要

Transient Electricアプリケーションで計算に使用する方程式は次のとおりです：

  • 電気システム向けの該当するMaxwellの方程式
  • 誘電材料の特性を記述する構成方程式

Transient Electricアプリケーションの計算条件は次のとおりです：

  • スタディが時間依存であること（d/dt ≠ 0）

計算はD界とE界を対象とし、B界とH界は計算されないこと。電界のEとDの方程式と磁界のBとHの方程式は非連成です。

方程式と条件

ここで定義した計算条件の下では、各方程式は次のようになります：

微分演算子に関する留意事項： 界の回転発散は必ず0です：[div rot (Field)] = 0.

解を求める方程式

Transient Electricアプリケーションの場合、Fluxで有限要素法によって解く方程式は次のとおりです：

ここで：

  • σは媒質の導電率のテンソル（SI）
  • εrは誘電材料の比誘電率のテンソル
  • ε0は真空の誘電率、ε0 = 1/(36 π 109)（F/m）
  • Vは電位（V）

状態変数

Transient Electricアプリケーションの状態変数は電位Vです（Flux 3DではVeと記述します）。

電位Vが一意であるためには、計算ドメインの少なくとも1つのポイントでこの電位の値が既知であることが必要です。