Temperature Dependence
粘度は温度に大きく依存します。HyperXtrudeでは、ポリマー粘度の温度依存性を指定するための5つのユーザーオプションが用意されています。これらのオプションは次のとおりです:
- None
- Exp(Q/RT)
- Exp(Tb/T)
- Exp(-Beta(DeltaT))
- WLF
ポリマー粘度に加えて、他の材料パラメータもFunction/Tableフォーマットを使用して温度の関数として指定できます。
TemperatureDependence="None"
このオプションには追加のパラメータは必要ありません。このオプションは、粘度が温度の関数ではなく、せん断速度のみに依存することを示しています。このオプションを選択するのは、解析が等温であるか、粘度が温度に応じてほとんど変化しない場合です。

パラメータ | 概要 | Units | データタイプ | 標準値 |
---|---|---|---|---|
TemperatureDependence | 粘度の温度依存性を計算するためにHyperXtrudeで使用可能なの5つの関数のいずれかを指定します。 | None | String | "None" |
TemperatureDependence="Exp(Q/RT)"
次の式は、Arrhenius関数とも呼ばれるこの温度依存性を表しています。Rは普遍定数であり、その値はSI単位で8.314です。実験によって特定する必要のある唯一のパラメータは、活性化エネルギーのQです。この関数は、温度に応じた特性の変化を表現するために一般に使用される手法の1つです。

次の表では、この関数に関連付けられたパラメータについて説明しています。
パラメータ | 概要 | Units | データタイプ | 標準値 |
---|---|---|---|---|
TemperatureDependence | 粘度の温度依存性を計算するためにHXで使用可能なの5つの関数のいずれかを指定します。 | None | String | "Exp(Q/RT)" |
ReferenceTemperature | 初期化手順でデータが計算される温度。 | K | Constant | 533 |
FreezeTemperature | 流れがなくなる温度です。この温度を下回ると、材料の流れは発生しなくなります。 | K | Constant | 350 |
ActivationEnergy | 実験によって特定されるパラメータであり、感温性を定義します。 | J/mol | Constant | 16628 |
UniversalGasConstant | 状態方程式PV = nRTからのパラメータであり、Rは一般気体定数です。 | J/mol/K | Constant | 8.314 |
TemperatureDependence="WLF"
William-Landel-Ferry(WLF)方程式は、多くの場合は半結晶性ポリマーで使用されます。この関数は、ガラス転移温度(Tg)におけるデータに応じた特性の変化を表現します。C1は定数であり、単位を持たないことに留意してください。パラメータC2は温度差(deltaT)と似ており、その値はKと摂氏において同じです。

パラメータ | 概要 | Units | データタイプ | 標準値 |
---|---|---|---|---|
TemperatureDependence | 粘度の温度依存性を計算するためにHXで使用可能なの5つの関数のいずれかを指定します。 | None | String | "WLF" |
ReferenceTemperature | 初期化手順でデータが計算される温度。 | K | Constant | 533 |
FreezeTemperature | 流れがなくなる温度です。この温度を下回ると、材料の流れは発生しなくなります。 | K | Constant | 350 |
WLFConstant1 | WLFモデルの定数C1 | None | Constant | 17.44 |
UWLFConstant2 | WLFモデルの定数C2。これはDeltaTと似ているため、値はKおよび摂氏で同じです。 | K | Constant | 51.6 |
GlassTransitionTemperature | この温度を下回ると、ポリマー分子は動かなくなります(凝固)。この用語には複数の定義があります。 | K | Constant | 320 |
TemperatureDependence="Exp(-Beta(DeltaT))"
この関数は主に学術的な事例で使用され、Arrhenius関数やWLF関数ほど一般的ではありません。粘度の変化は、ReferenceTemperature T_0を基準にして表現されます。パラメータBetaは実験によって特定されます。

パラメータ | 概要 | Units | データタイプ | 標準値 |
---|---|---|---|---|
TemperatureDependence | 粘度の温度依存性を計算するためにHXで使用可能なの5つの関数のいずれかを指定します。 | None | String | "Exp(Tb/T)" |
ReferenceTemperature | 初期化手順でデータが計算される温度。 | K | Constant | 533 |
FreezeTemperature | 流れがなくなる温度です。この温度を下回ると、材料の流れは発生しなくなります。 | K | Constant | 350 |
Beta | 関係Exp(-Beta(DeltaT))内のパラメータ | None | Constant | 0.005 |
TemperatureDependence="Exp(-Beta(DeltaT))"
この関数は主に学術的な事例で使用され、Arrhenius関数やWLF関数ほど一般的ではありません。粘度の変化は、ReferenceTemperature T_0を基準にして表現されます。パラメータBetaは実験によって特定されます。

パラメータ | 概要 | Units | データタイプ | 標準値 |
---|---|---|---|---|
TemperatureDependence | 粘度の温度依存性を計算するためにHXで使用可能なの5つの関数のいずれかを指定します。 | None | String | "Exp(Tb/T)" |
ReferenceTemperature | 初期化手順でデータが計算される温度。 | K | Constant | 533 |
FreezeTemperature | 流れがなくなる温度です。この温度を下回ると、材料の流れは発生しなくなります。 | K | Constant | 350 |
TemperatureSensitivity | Q/Rと同じ物理的意味を持つ導出パラメータ。 | K | Constant | 2000 K |