Electrolysis: 解を求める方程式
概要
Electrolysisアプリケーションには次の特徴があります:
- 電気的見地からは、Electric Conduction applicationの方程式を使用します(次のブロックを参照)。
- 磁気的見地からは、ビオ-サバールの解析公式(または半解析公式)を使用して、電流分布によって形成される磁界を計算します。
2種類の計算
電気的観点から見ると、次の2種類の計算を実行できます:
-
不完全な計算:(金属構造内部の電流密度を考慮しない計算)
これは次のElectric Conduction typeの計算です:
- 電解質内部の電位(VEL)の計算
-
“完全”な計算(金属構造内部の電流密度を考慮した計算)
Electric Conduction typeに対して連続的に実行する、次の2つの計算で構成されています:
-
段階1: 電解質内部の電位(VEL)を計算
⇒ 電気化学界面での法線方向電流密度を計算
- 段階2: 電気化学界面で計算した上記の電流密度を適用した状態で、金属構造内部の電位(V)を計算
-
解を求める方程式
Electrolysis applicationの場合、Fluxで有限要素法によって解く2次方程式は次のとおりです:
ここで:
- [σ]は媒質の導電率のテンソル(SI)
- Vは電位(V)
状態変数
状態変数は以下の電位です:
-
VEL: 電解質内部の電位(不完全な計算で得られた電位または完全な計算の段階1で得られた電位)
-
V: 金属部品内部の電位(完全な計算の段階2で得られた電位)
電位Vのスカラー場が一意であるためには、計算ドメインで1つまたは複数のポイントに、この電位の値を割り当てる必要があります。
電解質内部の電位(VEL)は、一般的に、UEP(Underwater Electric Potential: 水中電界)と呼ばれています。
熱問題との類似性
不完全な計算の方程式は、熱アプリケーションの方程式と同じです。電気量と熱量の対応を下の表に示します。
Electric Conductionアプリケーション |
Steady Thermalアプリケーション |
---|---|
電位 V |
温度 T |
導電率 σ |
熱伝導 k |
電流密度 | 熱流束密度 |
陰極電位 Vc |
環境温度 Ta |
polarization lowによる条件 | 対流による条件 |
係数 | 対流係数 h |