電気システムのマクスウェルの方程式
概要
マクスウェルの方程式は、電磁気学の基本法則です。
この方程式は、領域の電荷密度qと電流密度を、その電荷と電流によって発生する電磁界に次のように関連付けます:
- 電界強度と電束密度
- 磁束密度と磁界強度
方程式の一般形
運動体が存在しない領域におけるマクスウェルの方程式の一般形は次のとおりです:
マクスウェル-ガウスの式:(1)
マクスウェル-ファラデーの式:(2)
磁束密度の保存則:(3)
マクスウェル-アンペールの式:(4)
その他の方程式
これらの方程式のほか、次の材料の構成則が追加されます:
導電媒質の特性:(5)
磁性媒質の特性:(6)
誘電媒質の特性:(7)
各値は次のとおりです:
- σ: 材料の導電率(S)
- μ: 透磁率(H/m)
- ε: 誘電率(F/m)
分離
低周波交流場では、電界のとの方程式と、磁界のとの方程式を切り離すことができます。
したがって、次のように電気システムのマクスウェルの方程式と磁気システムのマクスウェルの方程式が存在します:
- 電界に使用する方程式群
- 磁界に使用する別の方程式群
この電気システムと磁気システムとの分離は、材料、動作周波数、スタディドメインのサイズに依存します。通常は、f < 1~10GHzの周波数範囲で動作する技術デバイスに、このような分離を適用できます。
電気システム向け方程式の形式
電気システムの場合は、導体内部の電流分布が磁界によって変化しないものとしています。この前提は、周波数が一定の限度を超えない限り有効です。これにより、方程式(2)の項の値は0になります。
したがって、この方程式は次のように書き換えることができます:
マクスウェル-ガウスの式:(1)
マクスウェル-ファラデーの式:(2)
マクスウェル-アンペールの式:(4)
導電媒質の特性:(5)
誘電媒質の特性:(7)