2Dの例:Electro Staticアプリケーションのチュートリアル

前書き

このパラグラフは、2Dの例:“Electro Staticアプリケーションのチュートリアル”で詳細に検討しているケースの要約です。

このスタディ対象ケースに関連するファイルには、Supervisorの“Open Example”コンテキストを介してアクセスできます。

実行するスタディ

2Dチュートリアル“Electro Static application tutorial”で提示されているスタディでは、液体の抵抗率と誘電率を測定するための円筒形電池を取り上げています。

調査対象デバイス

下の図に示す解析対象デバイスは以下の要素で構成されています:

  • 2つの円形電極(上部と下部)
  • 1つのガードリング
  • 次の2つのガラススペーサー
  • 上部電極とガードリングの間のスペーサー
  • ガードリングと下部電極の間のスペーサー

動作原理

解析対象の電池は、液体の抵抗率と誘電率の測定に使用します。被試験液は、コンデンサを形成する2つのプレート電極の間を満たしています。測定した静電容量を使用して誘電率を計算します。2つの電極間の誘電材料を単純に測定した場合、電極の周辺部に形成された浮遊容量(エッジ容量)によって、誘電材料の静電容量を上回る静電容量測定値が得られます。浮遊容量に起因する測定誤差の対策としてガード電極を使用します。電極周縁部で発生する電界がガード電極で吸収されるので、電極間で測定した静電容量は、誘電材料を流れる電流のみによる値となります。

スタディ対象ケース

Electro Staticアプリケーションを使用して次の3つのケースを実行します:

  • ケース1: 静的スタディ(単一値)、被試験液は純水
  • ケース2: マルチパラメトリック静的スタディ(複数値)
  • ケース3: 静的スタディ(単一値)、被試験液は鉱油

ケース1

1番目のケースは静的スタディ(単一値)です。

被試験液は純水です。

ケース2

2番目のケースはマルチパラメトリック静的スタディ(複数値)です。

このケースでは、1つの物理パラメータと2つの形状パラメータによる影響を検討します。

物理パラメータは被試験液(純水)の比誘電率で、10~120の範囲にあります。

1番目の形状パラメータは、電極のラウンドコーナーの曲率半径で、0.6~0.8mmの範囲にあります。

2番目の形状パラメータは、上部ガラススペーサーの高さです。上部スペーサーの高さは、電極の曲率半径の値が増加すると減少します。

ケース3

3番目のケースは静的スタディ(単一値)です。

このスタディとケース1の違いは、被試験材料の性質のみです。

この場合の被試験液は鉱油です。