誘導加熱: 基本

基本

経時変化する磁界に配置されたすべての導電体では、誘導電流(渦電力)が生じます。この誘導電流が存在することで、ジュール効果によって導電体の温度が上昇します。

誘導加熱プロセスについては、加熱されるパートの温度上昇は、経時変化する磁界を生じさせるソース電流の特性に依存します。

実際には次のとおりです:

  • ソース電流の振幅によって、誘導電流の値とジュール効果によって消散する電力レベルがそれぞれ設定されます。したがって、電流源の振幅によっては、加熱速度はある程度重要です。
  • ソース電流の周波数によって、パートへの電磁界の浸透深さが決定され、その結果として、誘導電流が生じるボリュームの厚さが決定されます。誘導電流が、加熱対象パートの表面の1層(この厚みを浸透深さと言います)のみで無視できない大きさとなるという現象は、表皮効果と呼ばれます。浸透深さの値に応じて、誘導加熱は多少局所化されます。パートの直径や厚みと比べて浸透深さが大きい場合は、ボリューム誘導加熱に該当し、逆に小さい場合は、表面誘導加熱に該当します。

デバイス

実際には、誘導加熱デバイスは次の主要コンポーネントからなります:

  • インダクター: 供給磁界を生じさせます。
  • チャージ: 加熱されるパートを表します。

主なパラメータ

高効率の誘導加熱を実現するためには(すなわち、インダクターが受け取ったエネルギーの大部分を、処理されるワークピースに伝達するためには)、以下のパラメータを考慮する必要があります:

  • インダクターのタイプ(形状、インダクターの巻線の材料、テクノロジ)
  • チャージ(ソース電流と誘導電流の間の磁気連成)を基準にしたインダクターの位置
  • 加熱されるパート内の誘導電流の分布を特徴付ける表皮効果と供給周波数の値
  • 加熱されるパートの材料の磁気特性(比透磁率)、電気特性(抵抗率)、熱特性(伝導率と比熱)、主に温度に応じて変化する特性