連成の詳細

概要

通常は、連成という語が使用されるのは、特定のデバイスについて、いくつかの物理現象(電気、磁気、熱、機械など)を検証する場合です。

各現象は、方程式(マクスウェル方程式、フーリエ方程式、回路方程式、機械的方程式など)によって表現されます。したがって、連成を行うには、複雑な連立方程式を解く必要があります。

強い連成 / 弱い連成: 定義

一般的にはそれぞれ以下のように定義されます:

  • 強い連成:

    現象の結合を示す複数の連立方程式を同時に解く場合(たとえば磁界 / 回路連成では、磁界方程式と回路方程式が同時に解かれます)。

  • 弱い連成:

    各現象を示す連立方程式が個別に解析される場合。この場合、連立方程式間で結果を伝達する必要があります(たとえば、時間ドメインで段階的な方法を使用して解かれる磁界 / 運動連成では、磁界方程式と機械的方程式はそれぞれの時間ステップについて連続的に解かれます)。

磁気 / 熱連成の詳細

熱と磁気の連立方程式の強い連成は理論的には非常に興味深いものですが、多くの場合、熱現象と磁気現象の時定数の値が大きく異なるため、計算の観点からするとこれはまったく無意味です。

実際には次のとおりです:

  • 電磁気的な観点から見ると、誘導加熱において、周波数の範囲は50Hz~1MHzで構成されます。そのため、電磁現象の周期は0.02秒より小さな値となります。
  • 熱の観点から見ると、過渡熱現象の時定数の値は秒のオーダーで、これより大きくなることも多く、0.1秒未満になることは実際にはありません。

ただし、強い連成を処理する際、連成に関与するすべての現象に対し、“時間”変数は1つのみです。時間ステップ(これは小さな時定数に合わせる必要があります)の値を小さくすると、スタディの時間は最大の時定数に関係するため、計算時間が非常に大きくなります。

したがって、磁気 / 熱連成の場合に計算時間の許容できる値を得るには、熱と磁気の解析プロセスを分離する必要があります。