OS-E:0605 ワンステップ非定常熱応力解析

この例題では、排気マニホールドを使ったワンステップ非定常熱応力解析を取り上げます。



図 1. FEモデル

モデルファイル

必要なモデルファイルのダウンロードについては、モデルファイルへのアクセスを参照してください。

この例で使用されているモデルファイルには以下のものが含まれます:

OSTTS_MANIFOLD.fem

モデル概要

構造はねずみ鋳鉄で、初期段階では300 Kである共役熱伝達および構造変形を伴うエンジンの排気マニホールド。マニホールドの外表面は、300 Kで h = 6 W/m2 K の熱伝達係数を有し、マニホールドへの4つのインレットは、5 m/sの流体としての空気で、500 Kに保たれています。

線形非定常熱伝導解析の後で温度の履歴を利用できます。複数のタイムステップでの温度を構造サブケースに適用するには、ワンステップ非定常熱応力解析を使用する必要があります。これは、非定常熱伝導の際の変位および応力の履歴を提供します。

ワンステップ非定常熱応力解析を実行するために、線形非定常熱伝導サブケースと静解析サブケースを定義します。TEMPERATUREケースコントロールエントリを静解析サブケースでHTIMEキーワードと共に使用すると、応力解析を実行するための特定のタイムステップまたはすべてのタイムステップを選択できます。
ヒント: ワンステップ非定常熱応力解析は、非定常熱伝導解析の全出力タイムステップにおいて静的解析を実行するために使用されます。非定常熱伝導解析はデフォルトで、各タイムステップの温度結果を出力します。これには、長いシミュレーション時間がかかる可能性があり、大きな結果ファイルが生成されます。温度結果が出力用に保存されるタイムステップの数をコントロールし、なおかつワンステップ非定常熱応力解析が大きな計算コストなしで応力履歴を捕捉できるようにするには、TSTEPカードにスキップ係数を使用することが推奨されます。ワンステップ非定常熱応力解析が非線形非静的サブケースである際、タイムステップの数はさらに制約される必要があります。DLOADはサポートされていません。
FE Model
要素タイプ
CTETRA
線形材料プロパティは:
プロパティ
ヤング率
1.38E11 PA
ポアソン比
0.283
初期密度
7817 Kg/m3

MATS1(NLSTAT解析のみ)

結果

OSTTS(ワンステップ非定常熱応力解析)結果より、図 2に示すsubcase 1(Thermal Transient)からの熱結果と図 3に示すsubcase 2(NLSTAT)からの応力結果が確認できます。


図 2. Subcase 1からの節点温度コンター


図 3. Subcase 2からの要素応力および塑性ひずみ


図 4. 応力と温度 vs 時間(応力は1e-6にスケーリング)