OS-T:7000 携帯電話の落下試験解析

本チュートリアルでは、携帯電話が5425 mm/sの速度で床に落下した際のOptiStructでの陽解法解析を用いて、落下試験シミュレーションを行います。

チュートリアル内の演習項目は:
  • HyperMeshでの陽解法落下試験モデルのセットアップ
  • OptiStructでのジョブのサブミット
  • 結果のHyperViewでの表示
Figure 1は、本チュートリアルに用いられる構造モデルを示しています。電話機とそのパートがこのモデル内で考察されます。電話機は、速度5425 mm/sで床に落とされます。


図 1. モデルと荷重の詳細

HyperMeshの起動とOptiStructユーザープロファイルの設定

  1. HyperMeshを起動します。
    User Profilesダイアログが現れます。
  2. OptiStructを選択し、OKをクリックします。
    これで、ユーザープロファイルが読み込まれます。ユーザープロファイルには、適切なテンプレート、マクロメニュー、インポートリーダーが含まれており、OptiStructモデルの生成に関連したもののみにHyperMeshの機能を絞っています。

モデルのオープン

  1. File > Open > Modelをクリックします。
  2. optistruct.zipファイルから自身の作業ディレクトリに保存したDrop_test_phone.hmファイルを開きます。モデルファイルへのアクセスをご参照ください。
  3. Openをクリックします。
    Drop_test_phone.hmデータベースが現在のHyperMeshセッションに読み込まれます。

荷重と境界条件の適用

TSTEPE荷重コレクターの作成

陽解法解析のための時間ステップ制御パラメータが定義されます。

  1. Modelブラウザ内で右クリックし、Create > Load Collectorを選択します。
  2. NameにTSTEPEと入力します。
  3. Card Imageには、TSTEPEを選択します。
  4. TYPEにELEMを選択します。
  5. DTFACに0.9と入力します。


    図 2. TSTEPEの定義

SPC荷重コレクターの作成

このステップでは、Single Point Constraints(SPCs)を使用して床を固定します。

  1. Modelブラウザ内で右クリックし、Create > Load Collectorを選択します。
  2. NameにSPCと入力します。
  3. メインメニューからBCs > Create > Constraintsをクリックし、Constraintsパネルを開きます。
  4. RBE2要素の独立節点を選択し、すべての自由度(1から6)までを選んで値0を入力します(自由度がすべて固定されます)。


    図 3. 選択された節点のSPCの定義


    図 4. 床に付与されたSPC
  5. Create > returnをクリックします。

NLOUT荷重コレクターの作成

  1. Modelブラウザ内で右クリックし、Create > Load Collectorを選択します。
  2. NameにNLOUTと入力します。
  3. Card Imageに、ドロップダウンメニューからNLOUTを選択します。
  4. NINTをアクティブにし、VALUEに30と入力します。


    図 5. NLOUTの定義

INI_VEL荷重コレクターの作成

このステップでは、電話機に負のZ方向の初速5425 mm/sが付与されます。

  1. Modelブラウザ内で右クリックし、Create > Load Collectorを選択します。
  2. NameにINI_VELと入力します。
  3. BCs > Create > Constraintsをクリックし、Constraintsパネルを開きます。
  4. createラジオボタンをアクティブにします。
  5. nodesに切り替え、nodesをクリックし、by setsを選択します。
  6. phone_nodesセットを選択し、selectをクリックします。
    このセットはモデル内で既に作成されています。
  7. load types=にTIC(V)を選択します。
  8. dof3のみをアクティブにし、-5425.0と入力します。


    図 6. 初速の定義

陽解法荷重ステップの作成

このステップでは、陽解法荷重ステップが作成され、以前に定義された荷重コレクターが参照されます。

  1. Modelブラウザ内で右クリックし、Create > Load Stepを選択します。
  2. Nameにphone_dropと入力します。
  3. Subcase Definitionの下のAnalysis typeに、Explicitを選択します。
  4. SPCにSPCを選択し、OKをクリックします。
  5. TSTEPEにTSTEPEを選択し、OKをクリックします。
  6. ICにINI_VELを選択し、OKをクリックします。
  7. TTERMに0.001と入力します。
  8. NLOUTにNLOUTを選択し、OKをクリックします。


    図 7. 陽解法荷重ステップの作成

コントロールカードの追加

本ステップでは、シミュレーションのためのコントロールカードを定義します。

  1. Analysis > control cardsを選択します。
  2. nextをクリックし、GLOBAL_OUTPUT_REQUESTが出てくるまで進み、GLOBAL_OUTPUT_REQUESTをクリックします。
  3. CONTFチェックボックスを選択します。
    1. FORMATにH3Dを選択します。
    2. OPTIONにALLを選択します。
  4. DISPLACEMENTチェックボックスを選択します。
    1. FORMATにH3Dを選択します。
    2. OPTIONにALLを選択します。
  5. STRESSチェックボックスを選択します。
    1. FORMATにH3Dを選択します。
    2. OPTIONにALLを選択します。
  6. STRAINチェックボックスを選択します。
    1. FORMATにH3Dを選択します。
    2. OPTIONにALLを選択します。


    図 8. コントロールカードの定義

ジョブのサブミット

  1. AnalysisページからOptiStructパネルをクリックします。


    図 9. OptiStructパネルへのアクセス
  2. save asをクリックします。
  3. Save Asダイアログで、OptiStructモデルファイルを書き出す場所を指定し、ファイル名としてDrop_test.femと入力します。
    OptiStruct入力ファイルには、拡張子 .femが推奨されます。
  4. saveをクリックします。
    入力ファイル欄には、Save Asダイアログで指定されたファイル名と場所が表示されます。
  5. export optionsをallにセットします。
  6. run optionsのトグルをanalysisにセットします。
  7. memory optionsのトグルをmemory defaultにセットします。
  8. OptiStructをクリックし、OptiStructジョブを開始します。
ジョブが成功した場合、Drop_test.femが書き出されたディレクトリに新しい結果ファイルがあるはずです。何らかのエラーがある場合、Drop_test.outファイルはデバッグを手助けするエラーメッセージを探すのに良い場所です。

結果の確認

応力と変位のコンタープロットを確認します。

  1. OptiStructパネルから、HyperViewをクリックします。
    HyperViewが起動され、結果が読み込まれます。HyperViewにモデルと結果が正しく読み込まれたことを示すメッセージウィンドウが現われます。
  2. Resultsタブに移動します。
  3. ResultsツールバーでresultsContour-16をクリックし、Contour panelを開きます。
  4. Result typeをDisplacementにセットし、Applyをクリックして要素コンターを表示させます。


    図 10. Result TypeにDisplacementをセット
    変位のコンタープロットが、最終増分で確認できます。


    図 11. 変位のコンター