SS-T: 4000 静的構造解析 - 懸垂バー

懸垂バーアセンブリの静的構造解析を実行します。

目的
SimSolidは、簡略化されていない形状を使用したパートとアセンブリに対して機能するメッシュレス構造解析を実行しますが、ジオメトリの不完全性に寛容で、数秒から数分で実行を完了します。このチュートリアルでは次の操作を実行します:
  • SimSolidの動作を学びます。
  • SimSolidのワークフローおよび解析結果を、従来の有限要素解析のワークフローおよび解析結果と比較します。
モデルの説明
このチュートリアルでは、2種類の懸垂バーモデルを使用します。それぞれのモデルは33個のパートで構成されています。次の2種類の静的構造解析を実行します。
  • それぞれ異なるハンドル位置に750N(168 lbf)の合計荷重を適用する2つの荷重ケース
  • サポートブラケットが異なる2種類の設計構成
このチュートリアルには以下のモデルファイルが必要です。
  • Pullup bar V1.x_t
  • Pullup bar V2.x_t
図 1.

ジオメトリのインポート

  1. 新しいSimSolidセッションを開きます。
  2. (Import from file)アイコンをクリックします。


    図 2.
  3. Open geometry filesダイアログで、Pullup bar V1.x_tを選択します。
  4. 開くをクリックします。
    モデリングウィンドウにアセンブリが読み込まれます。オーバーラップしているパートが検出されたことを警告するInfoウィンドウが表示されます。Review overlapping partsダイアログも開きます。
  5. CloseInfoウィンドウを閉じてから、CloseReview overlapping partsウィンドウを閉じます。

結合の作成

  1. ProjectツリーConnectionsブランチをクリックします。
  2. Connectionsワークベンチツールバーで(Automatic connections)をクリックします。
  3. 1としてギャップと貫通のトレランスを指定します。
  4. Connection resolution levelをIncreasedに設定します。
  5. OKをクリックします。
    注:
    • SimSolidでは、ジオメトリがオーバーラップしている領域でも結合が作成されます。
    • ボルト、ナット、およびワッシャーがSimSolidによって自動的に識別されます。
    • 滑り接触が自動的にボルト軸に適用されます。そうでなければ、固着が適用されます。

材料の割り当て

  1. ProjectツリーAssemblyブランチをクリックします。
  2. Assemblyワークベンチで、(Apply materials)をクリックします。
  3. Generic materialsリストから Steel を選択します。
  4. Apply to all partsをクリックします。
  5. Closeをクリックします。
    ProjectツリーのAssemblyブランチで、材料特性がパートごとに特定されます。

構造線形解析の作成

  1. メインウィンドウのツールバーで(Structural analysis)をクリックします。
  2. Structural linearを選択します。


    図 3.
    ProjectツリーのDesign study 1に新しい解析が表示され、Analysisワークベンチが開きます。

完全拘束の作成

  1. Analysisワークベンチ(Immovable support)をクリックします。


    図 4.
  2. ダイアログでFacesラジオボタンが選択されていることを確認します。
  3. 図 5にオレンジ色で表示されている2つのフェイスをモデリングウィンドウで選択します。


    図 5.
  4. OKをクリックします。
    新しい拘束Immovable 1がProjectツリーに表示されます。拘束の可視化表現がモデル上に表示されます。

力荷重の作成

  1. Analysisワークベンチ(Force/Displacement)をクリックします。


    図 6.
  2. 表示されたダイアログでFacesラジオボタンが選択されていることを確認します。
  3. 図 7にオレンジ色で表示されている、ハンドルの2つのフェイスをモデリングウィンドウで選択します。


    図 7.
  4. Z方向に-750Nの力を指定します。
  5. OKをクリックします。
    新しい力であるLoad/Displ.「1,」がProjectツリーに表示されます。荷重を表すベクトルがモデル上に表示されます。

2番目の構造線形解析の作成

  1. ProjectツリーStructural 1を右クリックします。
  2. コンテキストメニューからCopyを選択します。
    Structural 2解析がProjectツリーに表示されます。


    図 8.
  3. Structural 2の横にあるをクリックして解析ブランチを展開します。
  4. ハンドルバーの荷重を編集します。
    1. Structural 2の下でLoad/Displ. 1荷重をダブルクリックします。


      図 9.
    2. Force/Displacementダイアログで、現在列挙されているフェイスを選択してDeleteを選択します。
    3. モデリングウィンドウで、ハンドルの2つの前面フェイスを選択します。


      図 10.
    4. OKをクリックします。
      荷重を表すベクトルがモデル上に表示されます。


      図 11. Load case 1


      図 12. Load case 2

設計スタディの実行

設計スタディにあるすべての解析を解きます。

  1. Projectツリーで、目的のDesign study ブランチをクリックします。
  2. (Solve)をクリックします。
    SimSolidによって、この設計スタディのブランチにあるすべての解析が実行されます。終了すると、各解析のResultsブランチがProjectツリーに表示されます。

結果とブックマークの比較

  1. Projectツリーで、Analysis 1のResultsブランチを選択します。
  2. Analysisワークベンチ(Results plot)をクリックします。
  3. Displacement Magnitudeプロットを選択します。
  4. Legendウィンドウで(Show deformed shape)をクリックします。
    モデリングウィンドウが更新され、選択した結果とオプションが表示されます。
  5. (Snap bookmark)アイコンをクリックします。
    SimSolidによって、モデリングウィンドウに現在表示されているデータが画像またはアニメーションとして保存され、そのサムネイルがブックマークブラウザに表示されます。ブックマークを選択すれば、保存したビューをいつでもモデリングウィンドウに表示できます。


    図 13.
  6. Analysis 2について、1から5の手順を繰り返します。
  7. ブックマークブラウザを使用して結果を切り替えます。

2番目の設計スタディの作成

新しいジオメトリは、最初の設計スタディ(Study 1)とほとんど同じです。唯一の違いは、垂直サポートブラケットの設計にあります。SimSolidは、必要なリソースを最小化するために同じジオメトリをインスタンス化します。これにより、データベースのサイズが小さくなり、解法に要する時間が短くなります。

ジオメトリのインポートの手順を繰り返し、ファイルPullup bar V2.x_tを読み込みます。
新しいジオメトリがStudy 2に読み込まれます。すべての解析定義がStudy 1からStudy 2にコピーされます。Projectツリーでは、矛盾や不一致が赤色のフラグで示されます。このチュートリアルでは、幾何学的な不一致を修正する必要はありません。


図 14.
注: アセンブリの新しいパートには、まだ材料が割り当てられていません。


図 15. 設計スタディ1


図 16. 設計スタディ2

新規パートに結合を追加

  1. Closeをクリックして、パートオーバーラップ警告と確認ダイアログを閉じます。
  2. Add connections for new partsダイアログで、1としてギャップと貫通のトレランスを指定します
  3. 結合解像度に対して、Increasedを選択します。
  4. OKをクリックします。

材料の割り当て

  1. ProjectツリーAssemblyブランチをクリックします。
  2. Assemblyワークベンチで、(Apply materials)をクリックします。
  3. Generic materialsリストから Steel を選択します。
  4. Apply to all partsをクリックします。
  5. Closeをクリックします。
    ProjectツリーのAssemblyブランチで、材料特性がパートごとに特定されます。

設計スタディの実行

設計スタディにあるすべての解析を解きます。

  1. Projectツリーで、目的のDesign study ブランチをクリックします。
  2. (Solve)をクリックします。
    SimSolidによって、この設計スタディのブランチにあるすべての解析が実行されます。終了すると、各解析のResultsブランチがProjectツリーに表示されます。

結果の比較

  1. ブックマークブラウザでサムネイルをクリックして、保存した結果のビューを読み込みます。
  2. Projectツリーで、任意のResultsブランチをクリックします。
    選択した解析で得られた結果でモデリングウィンドウが更新されます。他のResultsブランチをクリックすると、ビューを容易に切り替えることができます。

反力の表示

  1. ProjectツリーAnalysisワークベンチを開きます。
  2. ワークベンチツールバーで(Reaction/contact force)アイコンをクリックします。
  3. Supportsタブ、Connectionsタブ、またはPartsタブをクリックします。
    反作用のサマリーテーブルが開きます。モーメントのベクトルがモデリングウィンドウに表示されます。


    図 17.
  4. オプション: サポート、結合、またはパートを1つ選択すると、その単一の要素上の力が表示されます。
  5. オプション: 複数のサポート、結合、またはパートを選択すると、それらの要素上の力のサマリーが表示されます。

従来の有限要素解析との比較

  1. モデルファイルを使用して、従来のFEAアプリケーションで、これと同じ解析を実行します。
    重要:
    • ジオメトリのマージや簡略化をせずに、SimSolidと同じ固着接触と滑り接触を使用します。
    • パートのオーバーラップがないかチェックします。
    • 小さいパートに対しても要素密度が適切であることを確認します。
  2. 2つのプログラムどうしで次の点を比較します。
    • 解の品質
    • 必要なワークフローステップの数
    • メッシュ処理に必要な時間
    • 解法に必要な時間
    • 結果の確認に必要な時間
    • モデルの再調整と再実行に必要な時間

解析設定の改良

  1. Projectツリーで、Solution settingsをダブルクリックします。
  2. ダイアログで、アダプティブ解析の最大数を4まで大きくします。
  3. Adapt to featuresチェックボックスを選択します。
  4. OKをクリックします。


    図 18.
  5. Projectツリーで、Projectを選択します。
  6. (Solve)をクリックします。
  7. 結果の変化を確認します。
  8. Pass 3の結果と比較します。
    1. Analysisワークベンチで、 > Von Mises Stressを選択します。
    2. Legendで、Maxのボックスに80と入力します。
      これにより、3パスの解法と同様に凡例が調整(ロック)され、ピーク応力の領域が見やすいハイライトで表示されます。
    3. 凡例をデフォルト値にリセットするには、をクリックします。


      図 19.