Import CAD or FE using HyperMesh

このツールでは、HyperMeshをバックグラウンドで使用して、CADファイルまたはFEファイルがボディとグラフィックスとしてインポートされます。作成されるグラフィックスは、HyperMeshで生成されたH3Dファイルを参照するタイプのファイルです。

MotionViewでは、CADをコンポーネントコレクターにインポートするHyperMeshをバックグラウンドで呼び出します。コンポーネントのサーフェスはメッシュ化され、MotionViewで可視化できるように、指定されたグラフィックH3Dファイルにエクスポートされます。各コンポーネントコレクターはボディとしてMotionViewに取得され、HyperMeshでソリッドエンティティを正常に作成できる場合は、質量プロパティと慣性プロパティが単位密度ごとに決まります。ここでユーザーは、ボディに割り当てられた実際の質量と慣性モーメントに基づき、各ボディの密度を指定するオプションを与えられます。また、MotionViewで設定した単位で質量、慣性、CGをMotionViewで計算できるように、元のファイル(CADまたはFE)で単位を宣言しておく必要もあります。

このインポートツールが備えている機能として、HyperMeshを起動し、ユーザーの選択に従ってインタラクティブにサーフェスをメッシュ化して、ポイントとしてインポートできる節点を選択する機能もあります。

以下の手順では、Import CAD or FE using HyperMeshダイアログを使用してCADファイルまたはFEファイルをインポートする方法の概要を示します。


図 1. Import CAD or FE using HyperMeshダイアログ
  1. ToolsメニューでImport CAD or FE using HyperMeshの順に選択して、Import CAD or FE using HyperMeshダイアログを表示します。
  2. インポートオプションを指定します。
    • Import CAD or Finite Element Model With Mass and Inertias - CADモデルまたはFEモデルを質量と慣性を持つボディとしてインポートします。このオプションで使用可能なCAD/FE形式については、以下の註1をご参照ください。
    • Import CAD or Finite Element Model Only - グラフィックスのみをインポートします。
    Import CAD or Finite Element Model Onlyを選択した場合は、次のサブオプションが使用可能になります。
    • Do not import into currently active window (save to output file only) - CADを、現在アクティブなMotionViewウィンドウにインポートせず、H3Dグラフィックスに変換します。
    • Create one graphic per CAD component - H3Dファイルにあるコンポーネントごとに固有のグラフィックエンティティを作成するには、このオプションを選択します。このオプションを選択しない場合は、すべてのコンポーネントを対象として1つのグラフィックエンティティのみが作成されます。
  3. Input Fileセレクターを使用して、変換用のソースデータを収めた、インポート対象のCADファイルまたはFEファイルを選択します。
    1. ドロップダウンメニューからCADまたはFEファイルタイプを選択します。
  4. Output Graphic Fileセレクターを使用して、グラフィック情報を格納するH3Dファイル名を指定します。
  5. MDLオプションで、得られたMDLデータを読み込むシステムを選択します。
    • Place data in System
    • Place data in new system
    1. Systemコレクターをクリックして、システムを特定します。
  6. 作成したポイント、ボディ、およびグラフィックスの変数名の接頭辞を指定します。
    1. Point Varname Prefix欄にデフォルト変数を入力します。
    2. Body Varname Prefix欄にデフォルト変数を入力します。
    3. Graphic Varname Prefix欄にデフォルト変数を入力します。
  7. Import free points if availableチェックボックスをアクティブにして、CADにあるあらゆる自由ポイントをMDLポイントとしてインポートします。
  8. サーフェスデータのメッシングオプションを指定します。
    • Allow HyperMesh to specify mesh options - HyperMeshでデフォルトのメッシュオプションを使用してサーフェスをメッシングできるようにします。
    • Interactive mesh (launches Launches HyperMesh) - 読み込んだソースファイルを指定してHyperMeshを起動します。これにより、任意のメッシュとマクロを使用してMDLポイントを作成できます。
    Allow HyperMesh to specify mesh optionsを選択した場合は、次のサブオプションが使用可能になります。
    • Launch HyperMesh to create MDL points - マクロを使用して具体的にHyperMeshを起動し、MDLポイントになるFE節点をユーザーが選択できるようにします。
    • Control mesh coarseness for contacts - 接触に対するメッシュの粗さを制御するオプションにアクセスするには、このチェックボックスをアクティブにします。スライダーバーを使って、メッシュの粗さ(1=粗い ~ 10=細かい)を調整します。デフォルトの設定は5です。

  9. オプション: Locator Points (Must be in source reference frame)セクションを展開します。
    H3Dグラフィックスファイル内に保管されている形状ファイルの座標系での3つのタグ。MDLモデルへのインポート中に、これらの3つのポイントは3つのMDLポイントにマッチさせることができ、ユーザーは、それらの3つのポイントをベースに、auto-position、auto-orientまたはauto-scaleを選択することが可能です。HyperMeshファイルについては、座標に代わって節点IDが使用できます。
  10. 情報を確認してOKをクリックします。
Meshing Options for Surface Dataの下でInteractive Mesh (launches HyperMesh)が選択されている場合、HyperMeshが起動され、ファイルがHyperMeshにインポートされます。MotionViewインポートに使用可能なツール群を含んだブラウザ内にUtilityタブが表示されます。これらのツールを使って、サーフェスを全て一度にメッシングしたり、MotionView内でポイントとして作成されるよう節点を選んだりすることが可能です。また、HyperMeshの一般的な機能を使って自身の希望に応じてメッシングを行ったり、形状の編集、コンポーネントコレクター内のコンポーネントのアレンジなどにも使用できます。 編集を全て終えたら、Utilityブラウザの下のMotionView.Save and Quitツールを使って、MotionViewに戻ります。


図 2.
Import CAD or Finite Element Model With Mass and Inertiasが選択されている場合、別のダイアログが表示され、質量と体積の情報を含んだボディの一覧が示されます(HyperMeshでのプロセスの終了後)。このダイアログでも、質量および慣性モーメントが正しく計算されるよう、入力ファイルのユニットの指定が選択できます。


図 3.
OKをクリックすると、ボディ、CGポイント、およびグラフィックスが作成され、プロセスが完了します。
注:
  1. Import CAD/FE with Mass/Inertiaオプションでは、以下のCAD/FEタイプがサポートされています。
    Catia HyperMesh JT
    Nastran OptiStruct Parasolid
    ProE SolidWorks STEP
    UG    
  2. 下記のCAD/FEタイプは、Import CAD/FEのみについてサポートされています:
    Abaqus ACIS Ansys
    DXF DXF HyperMesh Ascii
    Ideas IGES/IGS LS-Dyna
    Madymo Marc Pamcrash2G
    PDGS Permas OptiStruct
    VDAFS    
  3. CatiaやUGなどのCADフォーマットは、追加のCADリーダーライセンスおよびライブラリ設定を必要とする場合があります。詳細については、CAD Reader Supportをご参照ください。
  4. 割り当てられている密度は、インポートプロセスの際にのみ適用され、インポートの完了後は変更できません。体積情報は、インポートプロセスが完了するまでは使用できません。
  5. FEモデルの質量 / 慣性およびCG位置の精度と許容差は、メッシュの粗さに応じて多少異なる場合があります。
  6. このインポートは剛体のみに限られるため、メッシュはグラフィック表示にのみ使用されます。メッシュについての品質要件は存在しません。
  7. このインターフェースは、中規模サイズ(100コンポーネントまで)のCADアセンブリに良く機能します。非常に規模の大きいCADアセンブリをインポートすると、メモリ制限に直面する場合があります。