フレキシブルレポート

標準的なアニメーション、プロット、テーブルの作成と表示を自動化することができます。予め定義されたページセットを現在のセッションに追加または上書きします。

レポートのコンテンツおよびレイアウトは、レポート定義で定義されます。レポート定義は、特定のテストデータファイルまたは解析データファイルの結果情報をいかにポスト処理するかを指定します。レポート定義は通常、HyperViewHyperGraphTextViewのウィンドウを含む一連のページで構成されています。

フレキシブルレポートを使って、テストとシミュレーションのデータを簡単に比較できます。一致しないチャンネル(Type、RequestおよびComponentデータ)を整合することが可能なChannel Mappingが用意されています。再結合されたチャンネルをコンフィギュレーションファイルに保存し、後で使用することができます。このダイアログからは、Parametersブラウザで作成されたパラメータの属性を直接編集することが可能です。

Flexible Reportsにアクセスするには、File > Session > Flexible Reportsを選択します。


図 1. Open Session and Set Parametersダイアログ
Parameter
現在選択されているレポートテンプレートに含まれるパラメータです。
Current Parameter Value
Parameter欄の対応するパラメータの値。編集するパラメータを直接選択できます。
プロットファイルパラメータの隣にあるチェックボックスは、HyperWorksがそのファイルを使用するかどうかを示します。非アクティブの場合、HyperWorksは、チェックされていないファイルからはカーブを作成しません。これらのカーブを参照しているすべてのカーブも作成されません。
Default Parameter Value
ダイアログに表示されている各パラメータのデフォルト値です。この欄は編集することができません。デフォルトで、この欄は非表示となっています。この列を表示させるには、矢印を押します。

適用(Apply)をクリックすると、新しいページが追加、置き換え、または重ね書きされます。複数のアプリケーションにおいて同じレポートが存在する状況でOverlayおよびをReplace使用する場合、アプリケーションにより、重ね合わせまたは置き換えを行う対象となるレポートを選択するように求められます。

レポートテンプレートの追加

  1. File > Session > Flexible Reportsを選択します。
  2. Open Session and Set Parametersダイアログ「で、フォルダーアイコンをクリックしてレポートテンプレートを追加します。
  3. Fileブラウザを使ってレポートテンプレート(.tplファイル)を選択します。
    ファイルの情報を含んだダイアログが開きます。

レポートテンプレートの削除

  1. File > Session > Flexible Reportsを選択します。
  2. Open Session and Set Parametersダイアログから、削除したいレポートテンプレートを選択し、ゴミ箱アイコンをクリックします。
    ファイルとそのコンテンツがダイアログから削除されます。

Display

次の表示オプションから選択します。
Autofit X Axis/Autofix Y Axis
新しいプロットが上書きされても変更されないよう、現在のプロットのXまたはY軸をロックします。
Auto place notes
ウィンドウに追加されたチュートリアルを自動的にフィットさせます。
Use report colors
このオプションが選択されている場合、ライン色、ラインスタイル、シンボル色、シンボルのスタイルは、レポートテンプレートに基づいて適用されます。Use report colorsチェックボックスが選択されていない場合、カーブラインとシンボルの色は、環境設定ファイルで指定されたデフォルトの色に基づいて設定されます。いずれの場合も、レポートテンプレートが、カーブやシンボルの表示をコントロールします。

チャンネルの検証

チャンネルの検証

Channel Mapping機能では、不一致チャンネルを持つレポートをユーザーが整合できることから、HyperGraphに柔軟性が与えられます。

Report Templatesリストからレポートテンプレートを読み込み、選択した後、Flexible ReportsダイアログからCheck Plot Channelsの1つをクリックし、Applyをクリックします。

チャンネルの検証
type / request / component間で不一致がある場合、Channel Mappingダイアログが表示されます。Flexible Reportsダイアログから、チェックマーク()をクリックして、Channel Mappingダイアログを表示することもできます。
HyperGraphは、ファイル間のサブケースタイプ、データタイプ、リクエスト、コンポーネント値をチェックし、一致したチャンネルと一致しなかったチャンネルをダイアログに表示します。ファイルを参照しているすべてのチャンネルをスキップすることができ、不一致があった場合には、そのタイプ、リクエスト、コンポーネントをチェックして再接続することができます。一致しないチャネルがあり、ドロップダウンメニュー(Subcase Type、Data Type、Request、またはComponent)のいずれかからコンポーネントを選択して修正すると、自動的に他の不一致のコンポーネントが修正されます。不一致のチャンネルには、赤い×印が表示されます。緑色のチェックマークは、一致を意味します。


図 2. 一致していないチャンネルを含むChannel Mappingダイアログ


図 3. 不一致のチャンネルを含むChannel Mappingダイアログ


図 4. 一致したチャンネルを含むChannel Mappingダイアログ
Select Best Match
Channel Mappingダイアログは表示されません。代わりに、ベストマッチアルゴリズムがバックグラウンドで実行され、不一致があった場合、type / request / componentを一致させます。この操作は、Flexible ReportsダイアログのSelect Best Matchアイコンを使って行うこともできます。
Skip Validation
Channel Mappingダイアログは表示されず、不一致があった場合はバックグラウンドでベストマッチアルゴリズムを使用してtype / request / componentを一致させ、そのまま信号をプロットします。

データリストのフィルタリングと並び替え

Channel Mappingダイアログ には、各欄に表示されるリストに関連するオプションの表示とフィルタリング機能に加え、Subcase Type、Data Type、Request、およびComponent の各チャネルをマッチングさせるためのフィルタリングや並び替え機能があります。ワイルドカードには対応しません。



図 5.
Display Channels
Allは、全チャンネルを表示します。
Matchedは、マッチしたチャンネルのみを表示します。
Unmatched、マッチしていないチャンネルのみを表示します。
Channel Mappingダイアログの上部には以下のオプションがあります。
Select Best Match
マッチングアルゴリズムに従って、ベストマッチを選択された欄に挿入します。結果は、文字列の一致を使って最短距離に並び替えられます。このオプションを選択すると、欄の右端にあるアイコンが黄色の星印に変わります。
Confirm
Confirmをクリックすると、現在選択されているベストマッチが承認されます。選択された欄内のアイコン表示は、からに変わります。
ベストマッチの結果を確認せずにChannel Mappingダイアログを終了した後に再び戻ってきた場合、ベストマッチの結果はソートされずに表示されます。この操作をやり直す必要が出てきます。
Reset
欄内をデフォルト、もしくはそれ以前の選択にリセットします。およびアイコンは、に戻ります。
Auto-connect similar channels
このオプションはデフォルトでオンになっています。類似のチャンネルが自動的に更新されることなく、1つまたは複数のチャンネルを手動で修正したい場合は、Auto-connect similar channelsオプションの選択を解除してください。
注: 選択した内容を設定ファイルに保存する前にAuto-connect similar channelsを再選択し、チャンネルを一致させようとすると、類似したすべてのチャンネルがマッピングされ、以前の選択内容が上書きされてしまいます。

コンテキストメニューと設定ファイル

上記のいくつかのオプションは、コンテキストメニューからも利用できます。下図のように、ダイアログで1つ以上のフィールドが選択されている状態で右クリックします。リストアップされたチャンネルのうち、一部のチャンネルだけを選択することができます。コンテキストメニューから、Select Best Matchを選択すると、現在選択されているチャンネルがソートされます。Confirmをクリックして、結果を承認します。


図 6.
注: ダイアログ上部のボタン群が使用される場合、動作はすべてのチャンネルに適用されます。コンテキストメニューが使用される場合は、選択されたチャンネルにのみ、動作は適用されます。

チャンネルのマッピングが解決したら、Save Config Fileをクリックして、再接続されたチャンネルを設定ファイルに保存し、次回のマッピング時に使用できるようにします。

Open Config File欄のFile Browserアイコンをクリックすると、以前に保存した設定ファイルを読み込み、一致しないチャンネルを修正することができます。読み込んだ後、メインパネルの適用(Apply)をクリックすると、結果がプロットされます。

節点IDの並べ替え

Channel Mappingダイアログ では、節点IDを並べ替えることができます。

テーブル全体を並べ替える場合でも、コンテキストメニューを使って選択した特定の項目だけを並び替える場合でも、Select Best Matchはリスト全体を並べ替え、最も近いものから順に表示します。Confirmをクリックすると、ソートされた節点IDのリストがドロップダウンメニューに表示されます。
注: Select Best Matchを選択すると、並び替えられたリストは常にドロップダウンリストに表示されます。Confirmをクリックしないでベストマッチを承認しなかった場合、またはResetをクリックした場合は、元のリストが表示されます。

オートフィル

オートフィル

Current Parameter Value欄を、選択された欄からの情報に基づいたパラメータ情報で満たします。
File name
ディレクトリをオートフィルします。レポートテンプレートに必要な他のファイルが、ファイル名に基づいて、選択したディレクトリ内のファイルを使用するように更新されます。
File extension
ディレクトリをオートフィルします。レポートテンプレートに必要な他のファイルが、ファイル拡張子に基づいて、選択したディレクトリ内のファイルを使用するように更新されます。
None
オートフィルを無効にします。各パラメーターに必要なファイルセットを選択します。

Autofill Directoryの使用

Current Parameter Value欄を、選択された欄からの情報に基づいたパラメータ情報で満たします。
  1. File > Session > Flexible Reportsを選択します。
  2. Open Session and Set Parametersダイアログ「で、フォルダーアイコンをクリックしてレポートテンプレートを追加します。
    Parameter列には、テンプレートのデータファイル群がリストされます。Current Parameter Value列には、セッションに使用されているファイル名が表示されます。
  3. Applyをクリックして、データをプロットします。
  4. PLOT_FILE_1をクリックし、パラメータをアクティブにします。
  5. ファイルフォルダーアイコンをクリックし、新規ファイルを選択します。
  6. Reportパネルの残りのファイルを自動入力するには、PLOT_FILE_1の横のファイルパスを右クリックして、Autofill directoryを選択します。
    Autofill directoryを選択すると、レポートテンプレートに必要な他のファイルが、選択したディレクトリ内のファイルを使用するように更新されます。


    図 7. Autofillオプション

モード

レポート定義が読み込まれる度に、新しいレポートのページを追加、置換または重ね書きすることができます。
Overlay
Overlayモードは、レポートアニメーションおよびプロットをセッション内での比較のために重ね書きします。異なる名前のレポート定義であっても、レイアウトが同じであれば、重ねて表示することができます。レポートレイアウトが一致しない場合、レポートはセッションの最後に追加されます。
HyperViewまたはTextViewのウィンドウでOverlayを選択すると、既存のウィンドウに重ね書きされます。
プロットの重ね書きの際、既存のプロットの軸は、重ね書きされたプロットに合うよう再スケールされ、レポート定義内で割り当てられたカーブの色は保持されます。AppendまたはReplaceオプションを使用すると、既存のプロットの軸を維持したまま、同じ色の曲線に新しい色を割り当てることができます。
Append
現在のレポートの最後にレポートを追加します
置換
既存のレポートを新しいレポートに置き換えます。レポート定義の名称が一致しなければなりません。レポート定義の名称が一致しない場合、レポートはセッションの最後に追加されます。
注: レポートの置換および重ね書きを行う際、一致するレポート定義が使用されなければなりません。1つのページがセッション中にレポートから削除されると、置換または重ね書きの際、そのページのデータは無視されます。
適用(Apply)をクリックすると、新しいページが追加、置き換え、または重ね書きされます。複数のアプリケーションにおいて同じレポートが存在する状況でOverlayおよびをReplace使用する場合、アプリケーションにより、重ね合わせまたは置き換えを行う対象となるレポートを選択するように求められます。

Layers

様々なレイヤーの表示のオン / オフを切り替えます(個々のレポートテンプレートに含まれるすべてのレイヤーが影響を受けます)。Layers ダイアログを表示するには、Flexible ReportsダイアログでLayersアイコンをクリックします。


図 8.
注: TableViewでレポートをオーバーレイすることにより生成されたセル群は、1つのレイヤーに属さず、それ故にLayerダイアログから表示をオン / オフに切り替えることはできません。
Refresh
Flexible Report Templatesダイアログ内でカーブを削除したり、別のレイヤーを追加するなどの変更を行った場合、Refreshをクリックすると、Layersダイアログ内の変更が反映されます。
名前の変更
LayersダイアログコンテキストメニューからRenameをクリックして、選択したレイヤーの名前を変更します。
Delete
LayersダイアログからDeleteをクリックして、選択したレイヤーを削除します。
注: レイヤーに関連付けされているカーブはHyperGraphで消去されます。HyperView内のモデルまたはTableView内のセルは消去されません。

2つのレポートテンプレートをオーバーレイすると、“保存されている”すべてのパラメータが失われます。

複数のレポート定義を作成することによって、様々なテストおよび解析ソースからの結果情報を迅速にポスト処理することが可能です。レポート定義は、個々のレポート定義ファイルを追加することにより、対話形式でセッションに追加することができます。起動時に自動的に読み込まれるよう、レポート定義をセッションファイル内に直接配置したり、プリファレンスファイル内に登録したりすることが可能です。プリファレンスファイルから追加されたレポート定義は、セッションファイルには保存されません。

HyperViewの複数の結果ファイルの使用例

レポートテンプレートは、以下のように単一モデル+複数結果ファイルの使用例で用いることができます。


図 9.

モデルファイルと結果ファイルは、結果ファイルに使用される特別な構文でテンプレートのパラメータとして保存されます。

Resultファイル用のパラメータ名:RESULT_FILE_<PAGE#>_<WINDOW#>_<MODEL#>_<FILE#>

注: この命名規則は、1つのモデル+複数の結果ファイルの場合にのみ実装されています。単一モデル+単一結果ファイルの場合、結果ファイル名はRESULT_FILE_<FILE#>のままです。

この命名規則により、特定のページ / ウィンドウ / モデルに属する結果ファイルが適切に識別されます。その後、他のファイルに影響を与えることなく、その特定のファイルセットのみを置き換えることができます。

特定の結果ファイルを選択して置き換えるには、2つのオプションがあります:
  1. 特定のファイルパラメーターを選択して、別のファイルに置き換えます。


    図 10.
  2. 複数またはすべての結果ファイルを選択して、別のファイルセットに置き換えることができます。これは、Flexible ReportsダイアログからAdd Multiple Result filesアイコンをクリックすることで実行できます。Result File Listダイアログが表示され、レポートテンプレート内のすべての結果ファイル(RESULT_FILE_)が一覧表示されます。


    図 11.

    このダイアログでは、すべてのファイルを選択することも、一部のファイルを選択することもできます。ファイルブラウザーのアイコンをクリックして、置き換える別のファイルセットを選択します。Sortチェックボックスは、デフォルトで有効になっています。つまり、置換対象としてピックアップされたファイルは、常に最初にアルファベット順にソートされてから置換されるということです。Sortチェックボックスが選択されていない場合、ファイルはオペレーティングシステムが選択した順に使用されます。

    注: Linuxでは、Sortオプションは常に有効になっているため、チェックボックスが灰色になっています。
    注: 置き換えるためにピックされたファイルの数(M)が、選択されたファイルの数(N)よりも多い場合、余分なファイルは無視されます。逆に、ピックされたファイル数(M)が選択したファイル数(N)よりも少ない場合は、最初のM個のファイルだけが置き換えられます。